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矢面に立つのがどれほど凄いことか。星街すいせいさんのTHE FIRST TAKE感想

彼女は彗星なんだ、と漠然と思って。自身を燃やしながら光ながら、いつか終わりが来るとわかっていても今光って、画面の向こう側の僕らにとっての希望の光、ヒーローになろうとしているんだって思ったら、泣けてしまった。

僕は星街すいせいさんのことを詳しくは知らない。大手ホロライブのライバーさん、位にしか知らない。歌も上手いとは聞いていたが1度も聞いたことがないまま、THE FAST TAKEを聞いた。

個人のVtuberからホロライブへ、本人たっての希望で星街すいせいのまま転生もなく入った異色の人だ。そこからここまで、どれだけ苦難の道だったろう。

本当は怖くても立って、それでも前を向いて。
僕らは所詮画面の前の文字列。インターネットの1つに過ぎなくて。そんなすぐ消えるような、既にもう消えていてもおかしくないような星の瞬きの声なのに、それをひとつずつ聞いて突き進んできた方なんだと思う。

初めてのことには何にでも不安や非難が多いものだけれど、Vtuber初のTHE FAST TAKEとしてこの方が出てくれて良かったと思う。

この歌はきっと星街すいせいさんという存在が消えてしまっても残るのだと思う。思い出す度に、僕らに勇気をくれる曲。だから最後は「僕は星だった」なんじゃないかと思うんだ。

Vtuberという存在は存在自体があやふやで、ともすれば簡単に消えてしまう様な存在で。そんな存在を見つけて、応援し、沢山の人に愛されて概念になった星街すいせいさんという人が、この歌なのかな、と思ったから。

きっと星街すいせいさんのファンの方であればある程この歌は感情移入がすごく出来る曲なのかなとも思う。本家のMVが画面内からこちらを向く様な描写が多くて、僕らに向けている、そして本人にもまた向けている曲なんだろうと思った。

なんにも知らない自分がこんなにも話してしまうのだから、ファンの方達は止まらないんじゃないだろうか。

最初の「だって僕は星だから」はヒーローだから光らなければ、目印にならなければ、ヒーローにならなければみたいな義務感や言い訳のだって、に聞こえるような切ない部分がある。

けど後半になってくにつれて不安でたまらないけれど、自分は特別なんかじゃないけど、だからこそ自分が星であることに意味があるんだと言っている気がして。自分の目指す先は自分から飛び込んでいけると背中を押している気がして。

ずっとずっと止まない音楽がきっときっと止まないに変わるのは不安と終わりを感じさせて切なくなる。

だからこそ「だって僕は星だから」最後まで綺麗に輝いて終わりたいというような儚さもあって。

そうだ僕は星だったんだと振り返れば沢山の人がいて、沢山の人が星街すいせいというVtuberを応援していて。だからこれからも歩いて行けると、だからこそ自信を持ってこのTHE FAST TAKEに向かっていったような、そんな気がした。

これは僕がVtuberであり、Vtuber視聴者であるからより一層感じるんだろうなと思うけれど、視聴者の事を考えると自分を置いていってしまうこともあり、でも自分のことを考えると視聴者を置いていってしまう、みたいな複雑な気持ちがあって。

そういう複雑なものをたくさん考えた結果、怖い気持ちと皆の気持ちを背負って自分を奮い立たせて立つことを決めた曲でもあるのかなと思った。

背中を押してくれる曲でもあって、それがとても良かった。

少し前に、心があまり動かない時期があって、好きな物があんまり好きじゃなくなっていたそんな時期に、久しぶりに推しの動画を見た。

今までそんな他の皆が狂う程好きみたいな感じで推してる程好きじゃないのかな、みたいなある種の申し訳なさというか、このぐらいでファンを名乗るのは〜みたいな気持ちがあって身を引いて居たこともあったから余計に、一番最初の一番惹かれた動画を見た瞬間

「この人が好きだったんだ」

ってちゃんと思えたのが嬉しくて、嬉しくて自然と泣いていたのを思い出した。

自分にとっての星だった存在、そしてこの後も思い出す度に背中を押してくれて、輝き続ける、そんなふうに思えた。

これからいつか僕も推しが居なくなる時が来るかもしれないし、僕という存在が居なくなる時が来るかもしれない。
そんな時にこの曲を聴いて

「あの人が好きだったな」

と思い出して貰えたらいいなと、思った曲だった。


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