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二度と戦争をしないために。検証・考察

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#映画感想

映画レビュー ヒトラー 最後の12日間

制作 2004年 ドイツ 監督 オリバー・ヒルシュビーゲル 出演 ブルーノ・ガンツ    アレクサンドラ・マリア・ララ あらすじ 1945年4月20日、ベルリン。迫りくるソ連軍の砲火を避けるためヒトラーはドイツ首相官邸の地下要塞に退却していた。 味方すら敗戦を疑うものはいなかったが、もはやヒトラーは正常な感覚を失いつつあった。 ついに敗北を決意した彼はある重大な決意をすることになる。ヒトラー最期の12日間を、秘書、ユンゲが敗戦後はじめてあからさまに告白した実話。 (アマゾン

映画「キリングフィールド」~戦争報道と正義について思う事~

製作 1985年 英 監督 ローランド・ジョフィ 出演 ジョン・ウォーターストーン    ハイン・S・ニョール    ジョン・マルコビッチ 冒頭5分。 主人公の新聞記者の言動で、ちょっと否定的な見方になってしまいました。 「どこに行こうと僕の自由だ!」 「法で認められている」 「妨害は違法行為だ」 「あんたの一言一句を記事に載せるよ」 マスコミの、言論の自由を盾に、自分の正義を疑わない姿・・。 最近,やたらと目につくマスコミや芸能人たちの「正義の言葉」に辟易していて、タイミ

映画「7月4日に生まれて」~ベトナム戦争から今を考える②~

製作 1989年 米 監督 オリバーストーン 出演 トムクルーズ    ウィレム・デフォー    キーラ・セジウィック あらすじ 1946年7月4日、アメリカ独立記念日に誕生したロン・コーヴィック。 愛国心を持つ若者へと成長したロン(トムクルーズ) 高校卒業を控えたある日、志願する若者を集うため訪れた海兵隊の言葉に目を輝かせ海兵隊へ入隊することを決め、意気揚々とベトナム戦争に従軍する。 ロンが送られた先は戦争の最前線。 戦争の過酷な現実を前に懸命に任務をこなすロンだったが

―ベトナム戦争から今を考えてみるー「天と地」映画感想

製作 1993年 米 監督 オリバーストーン 出演 ヘップ・ティー・リー    トミー・リー・ジョーンズ あらすじ O・ストーンが描く、ベトナム戦争をくぐり抜けてきた実在の人物レ・リー・ヘイスリップの真実の物語。1949年、フランス領インドシナ。ベトナム中部の小さな村キーラで、貧しい農民夫婦に女の子が生まれた。彼女の名はレ・リー・ヘイスリップ。物語は、ゲリラから娼婦となり、アメリカ軍人と恋に落ちて渡米。異なる文化圏での新生活を過ぎて再び夢にまで見た祖国の土を踏むまでの、彼女

「シンドラーのリスト」映画感想

製作 1993年 米 監督 スティーブン・スピルバーグ 出演 リーアム・ニーソン    ベン・キングスレー    レイフ・ファインズ あらすじ ナチスの党員でもあるドイツ人実業家オスカー・シンドラー(リーアム・ニーソン)。彼は戦争を利用してひと儲けすることを目論み、潰れた工場を買い取ってホーロー容器工場の経営を始めた。 有能なユダヤ人会計士イザック・シュターン(ベン・キングスレー)に工場の経営を任せ、安価な労働力としてゲットーのユダヤ人を雇い入れ、また持ち前の社交性でナチス

「硫黄島からの手紙」映画感想

製作 2006年 米 監督 クリントイーストウッド 出演 渡辺謙    二宮和也    加瀬亮 これは軍国主義圧力に翻弄される主人公を描いた これまでの日本の戦争映画に多い典型的なタイプの作品。 軍上層部の個人的な見栄の張り合いで作戦を動かしていたあたりは 絶妙に描けているけど、実名を使っているので、その人物像の解釈に対して 実際の人物像とはだいぶかけ離れていると物議を醸しだしているようです。 僕はその点に関しては勉強不足でよく知りませんのノーコメント。 アメリカとの戦い

「父親たちの星条旗」映画感想

製作 2006年 米 監督 クリントイーストウッド 出演 ライアン・フィリップ    ジェシー・ブラッドフォード    アダム・ビーチ 本作の主軸は、いかにもアメリカらしい 英雄をマスコットにしての国債集金キャンペーンの話です。 ほぼ制圧完了した硫黄島のすり鉢山てっぺんに 星条旗を掲げるのをちょっとお手伝いした3人の米兵が 英雄に仕立て上げられて、集金キャンペーンに利用され、 地方回りをする様子が描かれていきます。 一人は、自分は英雄なんかではないという罪悪感に精神を病み。

「あゝひめゆりの塔」映画感想

公開 1968年 監督 舛田利雄 出演 吉永小百合    浜田光夫    二谷英明    乙羽信子 ひめゆりの塔という映画はいくつもつくられているようで、 僕も名前は聞いたことあったけどちゃんと観たのは初めてです。 沖縄戦に動員され玉砕あるいは集団自決した女学生たちの悲劇。 かな・・・というイメージでした。 そのイメージ。そんなには間違っていなかったです。 いや。もうちょっとふわっとした話かと思ってましたが(吉永小百合。女学生のイメージから)中盤以降はかなり壮絶なシーンの連