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「見てみて〜でっかいねこ‼」
「いや、あれはキツネだ‼」

小学校低学年くらいだろうか
ワイワイ楽しそうに
空を指さしている

ふと空を見上げると
いびつな形の雲が広がっていた

ああ

そう言えば、いつからだろう

空を見上げることをしなくなったのは
広がる雲を気にしなくなったのは

忘れていた、あの頃の自分
色々なものに、ワクワクして、
毎日が新しくて、新鮮だった

どんな些細なことだって
なにもかもが新鮮で
ちょっとした事でも楽しめた

何だか胸がキュッとなった私は
空を見上げ雲を見た

例えばあれはクロワッサン
あれはシュークリーム

そしてあの大きいのは 天空の城

いつからだろう
空がこんなに広いことを忘れていたのは
いつからだろう
雲がこんなに色々な形に変化することを
忘れていたのは

「あっ、虹‼‼」

子どもたちが指さした
その先に私も目線を向ける

雨の上がったあと
こんな気持ちで空を見上げること
いつの間にか忘れていた

いつもよりも虹が綺麗に見えた
いつもよりも空が輝いて見えた

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