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異常な国会質問に対する牧原秀樹代議士の説明に敬意(安倍総理を追悼する⑫)

立憲民主党議員の山際大臣に対する質問が問題になっています。

○打越さく良君 信じておりますと言われてもですね、そうじゃなくて、検証しなければならないと思うということなんですよ。それで、山際大臣、今日も何か新しい事実が、統一教会との関係が何か新しい事実も出てくるかもしれないと、その都度説明責任を果たしていかなければならないようなことをおっしゃっているわけですね。もう驚きますよね、これね。山際大臣は、御自身の秘書、秘書には信者がいたということは否定されているんですけれども、念のため伺いますけれども、大臣御自身はいかがなんでしょうか
○国務大臣(山際大志郎君) なかなか、信教の自由を公の場で、公人といえども、そういうことを聞くべきかどうかということは私は分かりませんけれども、お尋ねでございますので、私は信者ではございません

第210回国会参議院予算委員会第1号令和4年10月19日

この問題に対しては自民党で弁護士出身の牧原秀樹代議士

の説明がよくわかります。全く同感で、この質問は憲政史に残る汚点と言えます。メディアも含めた魔女狩りのような雰囲気に非常に筆者も違和感があります。この風潮に屈せず誠意をもって多くの反対者・アンチにも説明しようとする牧原ひでき代議士の姿勢には感心しました。

何に関しても異論はいつもあります。自由だから異論があります。アンチも存在する中で対話や議論の上で選挙で問うのが民主主義だと思います。

そもそも、安倍総理の銃撃事件は、「民主主義の根幹である選挙中に、しかも演説中に銃撃、暗殺された」「言論の自由・民主主義の選挙を銃弾で封殺した許しがたい暴挙」その後の数々の騒ぎで、この原点が別の問題で何か忘れられていないでしょうか。そして自民党も騒ぎに流されて結果的に安倍総理の死をおとしめていないでしょうか。筆者が強く憤りを覚えるのがこの点です。

総理や自民党の政治家が野党の揚げ足取りに言われるがまま、きちんと反論もせずに避けて、迷走(総理の意図も意味不明)しています。そのことがかえって問題を複雑にし、出口も見えなくなっているとも感じるだけに、弁護士出身としての牧原ひでき代議士の見識と誠実さには敬意を表するところです。

例えば、筆者の経験でも採用面接を担当したことがあります。厚生労働省のガイドラインにも明記され、他の担当者が質問したのを制止もしてきました。

正直、これ何だったのだろうと感じます。「立憲主義」「人権」が好きなはずの政党の説明を求めたいところです。

このガイドラインに反するような国会質問が堂々となされ、それから支援者の宗教確認せよと迫っていいのでしょうか。「踏み絵」「宗門改め」「魔女狩り」これらが、歴史の受験での暗記用語ではなく、歴史に学ぶ単語だと思いもしませんでした。

特に、ツイッター上での質問と牧原ひでき代議士のやりとりがあり、わかりやすいと思いました。そこで一問一答にまとめ質問は適宜編集しました。(法律用語の補足や太字は筆者の責任)。こういった説明が総理や内閣から言いにくいのも分かりますが、自民党の説明も今のままでは全然ダメです

Q1:自民党は、朝鮮の宗教団体に支配されてるの?

A1:全くそんなことはありません。どんな宗教のことだろうと、内心の信仰を予算委員会委員会という公的な場、公開の場で、拒絶が極めて困難な状況で問い質すのは憲法違反で危険だということです。

Q2:質問するだけなら、例えば事例が違いますが、三菱樹脂事件の判例で、合憲と認めていますね。問題がある発言だと思いますが、明かな憲法違反というのは無理がありませんか?状況などを加味して、強制と評価されてるのでしょうか?

A2:三菱樹脂事件とは全く違います。私人間適用の問題ではなく、テレビ入り全国中継されている中での国会議員からの質問です。

参考:三菱樹脂事件

Q3:現行の憲法でも基本的人権は「公共の福祉」により制限を受けるように読めますが、公人は私人以上に透明性を求められる存在だと考えた場合、「公共の福祉」に反する可能性がある点を質すこの質問は許容範囲ではないでしょうか?

A3:まず他人の信教をあれだけの公開の場で問い質し、えぐるのは憲法違反です。それを公共の福祉で例外にできるかどうかは極めて慎重にあるべきです。司法でもそれぞれの人権に応じて公共の福祉の判断基準を分けていますが、思想信条、良心、信教の自由など内心の問題は厳格に判断されます。

Q4:自分の信ずる宗教を公言するのはダメなのですか?


A4:自分の自発的意志で信仰を明らかにするのは何ら問題はありません。しかし、公の場で拒絶しにくい環境で信仰を問い質すのは憲法違反です。

Q5:辞職になるかは判断つきかねますが、前例として平成22年、自民の佐藤正久議員は当時の菅直人首相に対して国会で「靖国神社に参拝するか?しないとすれば理由は何か?」と質問して答弁させた事例あったようです。
こちらはどう考えますか?参拝と信教は別という認識になりますか?

A5:憲法20条の信教の自由については、行為と内心を分けて判断されます。靖国参拝はご指摘以外にも過去にも何度も国会で問題にされ、それは内心の信仰をやめろというものではなく公人としての行為の話です。

Q6:もし本当に信仰上の問題が聞かれてると思ったなら、答えないのが国会議員・国務大臣としての識見の見せどころ。ただ、これは信仰とは無関係の詐欺集団との関係が問われてると思ったからじゃないのか?問題の指摘はいいが、与党としてかばっているだけにしか見えない。

A6:答えないなんて言おうもんならヤジを含めて袋だたきにされる場面をいつも見ている政治家にとって、あのTV中継入りの場面は答えざるを得ない状況です。庇っていると見えたら申し訳ないですが、それだけ憲法の基本的人権がこの国で理解されずに人権侵害が起きうる怖い状況だということです。

Q7:統一教会は宗教ではなく反社会的集団です。そのメンバーかどうかは信教の自由の問題ではなく違法行為に手を貸しているかどうかの確認です。まだ統一教会を宗教として認めてかばうのですね。こんなにも苦しんでいる人がいるのに。

A7:全く違います。被害者救済は一刻も早く進めるべきと申し上げ、与野党超えた立法作業も始まりました。公の場で、TV中継も入った拒絶しにくい場において、内心の信仰を問い質すことが憲法違反であると申し上げています。与党野党も関係がありません。それにとらわれるのはやめてください。

Q8:与党として議事録削除を要請しないとですね。こんな危険な国会運営って日本は本当にまずいんじゃないかという危機感を持っています。

A8:非常に危険だと感じます。政治的闘争は時として人権無視になりますので、与党野党なく憲法の基本的人権のことをきちんと踏まえることが大切です。

昨年2021年秋総選挙で牧原ひでき代議士と安倍総理の対談や応援もあった。

見返してみて泣けました。しかし、結果としては小選挙区では議席を獲得できませんでした。次回総選挙はいつあるのかわかりません、吉報を安倍総理が待っているでしょう。

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