詩#3 しんじゅ
「おかあしゃんおかあしゃん!」
ある晴れた公園で娘と一緒に散歩をしていると、とつぜん娘がわたしの服を引っ張る。
「どうしたのゆいちゃん?」とわたしが声を掛けると。
「おかあしゃんにぷれぜんと! めぇ、つぶって」と天使の笑みをうかべる。
ああ、なんて可愛らしいんだろうか。
わたしは言われたとおり目をつぶる。すると娘はわたしの手に触れ、球体を持たされる。
「しんじゅ! さっきそこで、しんじゅ見つけたの!」
真珠となっ!
「あら嬉しい、どれどれ……」
それは銀色に輝く、パチンコ玉だった。
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