秀逸なエロゲソングの歌詞50曲 感想付きで選んだ
うおおお!!!! 美少女ゲームに関する同人誌を出しましたので、通販開始を記念して、宣伝も兼ねて、数年前に書いたクソ長い記事をnote用に加筆修正して投稿……。
自分が若い頃に書いた記事ですので、最新の作品は紹介できていませんが、興味あれば、この長さへ挑戦してみて下さい。
↑こっちはキャッチコピーバージョン。
■本編と歌詞をリンクさせた曲たち
エロゲソングといえば本編との歌詞のリンクにあると考えていますので、先ず歌詞と本編の関係を重視した名曲たちを挙げていきましょう。
1.Went away/KOTOKO
元はPS2で発売され、それからアダルト要素が追加されPCへ移植されたループゲー「夏色の砂時計」のOP。エロゲソングを語る上でKOTOKOは絶対に外せず、歌詞で選ぶならKOTOKOの曲でこの曲かなと。
アダルトゲームでのループゲーはそれこそ無数に存在するのですが、夏ゲーであることとループゲーである作品の強みをこれでもかと表現した歌詞が見事。2番のサビも「届かない夏はもう二度と 君の前髪揺らさない 色褪せてゆくアルバムの中で変わることなく笑ってる……」と、夏と過去を巧みに絡めていて完璧。
因みにループゲーといえば、あの遅れて評価された名作「はるまで、くるる。」のノベライズ版が先々月(※当時)にでました。
こんなかわいらしい表紙ですが、中身は立派なSF。最近のエロゲをプレイしなくなった人にこそ読んで欲しい、変化球なハーレムループモノです。
2.アンダーハンデッド・ガール/YURIA
「処女はお姉さまに恋してる ~2人のエルダー~」より。シナリオ担当である嵩夜あや氏自ら担当しているだけはあり、 女子同士の禁断に揺れる恋心、お嬢様学校特有の耽美な世界観がこれでもかと歌詞に使われています。
今ではすっかり女装ゲーといえば「つり乙」ですが(※当時はそうだった)、元祖有名女装ゲーとして語るに欠かせない作品です。どちらもメインヒロインが主人公を男性と気づくまでの、友情と恋の境に戸惑う心理描写が見どころ。榊原ゆいによるカバーバージョンも良いですよ。
3.candy♥girl/Maid'ish(Duca&Rita&茶太)
何かと話題になった「カスタムメイドオンライン」から。歌手陣が豪華ですね。プレイヤーによって生み出される「カスタムメイド」なる特異な存在が、いかにプレイヤーだけを好きで、日々カスタマイズされていく自分を見て欲しいかという本編の内容に沿った歌詞。この曲に合わせて自身がカスタムしたメイドがステージで踊る様子は感無量でしょう。それにしても右のキャラはタマ姉を意識しすぎでしょう。
4.モラトリアム・クラスタ/柚子乃
哲学的かつ衒学的な作風が得意な元長柾木氏がシナリオを担当した「ギャングスタ・リパブリカ」のOP。主人公らが「悪」を目指し、何をして正義か悪かをユーザーも含め問う非常に元長氏らしいシナリオ。歌詞に登場ヒロインの名前が散りばめられているのも素晴らしい。
引用したサビのフレーズが最高なんですよね「偶然手にした刃」。2番からの歌詞が政治的だったりと、エロゲソングの中でも浮いています。サントラのジャケットがカッコいい。
5.birthday eve / SHIHO
言わずと知れた名曲ですね。紹介するまでもないのですが、どうしても外したくなかったので。「sense off」は旧版だとBGMや音声が再生されずに困ったのですが、無事復刻版がメガストアに付録して助かりました。しかも「フロレアール」まで同じ号について、元長柾木要素盛り盛りです。
同じく元長柾木氏シナリオの「未来にキスを」では、「sense off」のキャラも登場。こちらの曲もエロゲらしからぬ重厚な歌詞なのですが、凄いのは真ルートに入るまでは歌詞をただの純愛ソングに差し替えた方を流すこと。「sense off」でもネタバレ防止のために歌詞を暫く隠していましたし、本編の内容と密接な曲としては代表例と言っても過言ではないのかも知れません
6.ラムネ/Duca
個人的な思い入れと名曲の多いねこねこソフトから精一杯ふり絞って選んだのが「ラムネ」です。ゲームタイトルもそのままラムネ。夏の雰囲気をこれでもかと感じられる名作です。
メインライターである片岡とも氏が自ら作詞。「欲しいと願うのは取れないから」とラムネの中のビー玉をこれだけ詩的に表現するセンスが遺憾なく発揮されています。
元からユーザーへの配慮が寧ろ心配になる程行き届いていたねこねこですが、「ラムネ2」が発売される前に合わせ、旧作ラムネをDMMにて無料にしたんですね。更にラムネ2では、本編とは別に旧ラムネのメインルートもプレイできる親切っぷり。
何もかもが優しい世界です。「ラムネ」「ラムネ2」共に本編も夏の日差しのように暖かい内容になっていまして、ラムネ2でもこれでもかと旧作ファンがにやりとする要素も多く、伝統である「幼いころの選択肢によって、学生時のヒロインとの距離感や関係性が全く異なるシナリオ」も健在。基本的に明るくバカな幼馴染が、ルートによっては俯きがちでどこか影を感じる女になったりもします。
メインライターの片岡とも氏による「ナルキッソス」もお勧めです。
7.Brand New Voice/花たん
「すきま桜とうその都会」ED。ビルの隙間から見えた桜を抜けると、うそつきしか入ることのできない都会(まち)に迷いこんだという、ワクワクさせる導入。「うそつきしか存在しない」という仕掛けを活かした見事な構成は、体験版の時点でも驚かされ絶対に購入するぞと息巻いた想い出があります。妹ゲーです。
2番のサビの「桜色の都会を今旅立つ時が来ました 夢よりも儚くて想い出より懐かしくて」も満点です。特に「夢よりも儚くて想い出より懐かしくて」のフレーズは、未プレイでもぐっとこみ上げてくる感情があるのではないでしょうか。
ほぼ関係はないですが、この曲の歌詞の花たんさんのカバーアルバム「魔法少女28」は、女児向けアニメの曲をカバーするというコンセプトなのですが、「“らしく”いきましょ」「ラ・ソウルジャー」とセーラームーン関係の選曲が渋い。
8.LOVE.EXE/桃井はるこ
言わずと知れた「BALDR FORCE」のPS2版主題歌。DC版では聴けません。
桃井はるこさんを代表するような曲ですね。桃井はるこさんの作詞はどれもアダルトゲームらしさを活かしてまして、アダルトゲームファンとしてはどれも大満足ですが、中でも「LOVE.EXE」は出色の出来。
電脳世界を印象づけるように「通」と「信」を歌詞に組み込み、PC版の主題歌である「Face of Fact」サビである「輝く涙を集めて時間の海を渡ろう」に対応した「君をもう一度みつけたら 涙さえ輝くから」で締める完璧っぷり。涙ですね。
ライブでも盛り上がる定番曲ですね。桃井はるこさんの作詞では他にギャルゲーを題材にしているネプテューヌED「恋をゲームにしないで」なども是非聴いてもらいたいです。
9.幻想隣閣/橋本みゆき
「不思議の国のアリス」をモチーフにした作品「ハピメア」FD主題歌。本編はどこまで夢か現か分からなくなっていく演出が見事でしたが、FDは夢だからこその自由奔放っぷりを魅せます。
歌詞も空虚な現実から逃げ夢の世界へ耽る背徳の味が表現されています。個人的にFDは人気キャラかつ妹キャラである舞亜のシナリオ補完が素晴らしかったので満点です。
10.knowing/真里歌
真里歌さんの楽曲なら「quantum jump」と悩んだのですが、やはりこっちで。PSP版も発売された「俺の彼女のウラオモテ」主題歌。PSP版ではヒロインが追加されました。今ならAndroidでも遊べたりします。
「裏表」があるヒロインたちの心情を表した歌詞ですね。曲調も真里歌さんの透き通った声もとても心地良い名曲です。
■癖の強いオンリーワンな曲たち
良くも悪くも自由さを感じる曲を集めました。美少女ゲームという何もかもがフリーダムな修羅の国らしい曲たちです。
11.ちょこっと☆ばんぱいあ!/安倍ようこ
今は亡き「Meteor」から発売された「ちょこっと☆ばんぱいあ!」主題歌。歌詞からなんやらまで全体的に古臭いのですが、これでも06年の作品なので00年代前半ではなかったりします。
内容は簡単に説明するとまじぽか的なやつです。ヒロイン全体からまじぽかっぽさが伝わってくるのが分かる人には分かると思います。
この気の抜けるかわいいボイス、微妙な発音の英語、なんともくだらない歌詞、全てがパーフェクト。途中にセリフパートで「あ、あなたのことなんて、なんとも思ってないんだからっ!ぷんっ!」なんて、またコテコテなセリフを入れてくる精神も評価ポイントです。正しくB級エロゲの主題歌。
考察しがいのある哲学的な作品しか語られなくなった今、こういったエロゲらしいエロゲの素晴らしさを伝えていくのも、今考えたこのブログの使命です。と言っても「Meteor」は、これまた一部の方には響いた名作「神樹の館」を世に出しています。その後に作ったのが「ちょこっと☆ばんぱいあ!」のギャップが凄い。
サントラのジャケットが可愛いです。本編でもそうなのですがSDキャラが多用されるのは和みますね。因みに吸血鬼モノエロゲ主題歌では、他にとらぶる@ヴァンパイア!とらぶる@ヴァンパイア!主題歌「MAYBE ROSY KISS」も好き。
12.iを解きなさい/はな
「いきなりあなたに恋している」主題歌。枕から発売したゆるゆるなハーレムラブコメです。作詞はすかぢ先生が担当してまして、歌詞内に散りばめられた数学的な単語に加えiと愛が掛けられています。
すかぢ先生の関わった作品はどの主題歌も評価が高いのですが、氏らしい捻りに捻られた歌詞という意味では、これが一番好きですね。
13.ヒカリ/佐藤ひろ美
曲の全てのフレーズがケレン味が効いていてどこを引用するか悩んだのですが、聴いていて耳心地良いのはこの辺りの歌詞ですね。語りパートまで含めて一度聴いて貰えると、あらゆる意味でのオンリーワンさが理解できると思われます。
それにしてもジサツ101はEDの「シアワセノサガシカタ」が、OPや本編の雰囲気から打って変わって爽やかな曲で面白いですね。両方とも作詞はメインライターである山田おろち先生。
14.マッキ、ショウジョビョウ/佐藤ひろ美
出だしから「ここで一句」で始まり、実際に詠みだすのはエロゲソング広しと言えど中々ないのではないでしょうか。上記の「ジサツのための101の方法」と合わせて気に入っている「末期、少女病」の曲です。本編が発売されていないので、これ以上言うことないですが……。
山田おろち(金月龍之介)の電波成分がどうしても足りない人は、ノベライズ版「雫」で我慢しましょう……。
15.Princess Party~青春禁止令~/あゆ+みる+るぅ+ゆかいななかまたち
青春禁止~! という叫びから始まるインパクト大な「Princess Party 〜プリンセスパーティー〜」主題歌。非常にエロゲらしくて好印象です。作詞作曲はIOSYS。ゲーム版OPだと冒頭に「ばかぁー 何が転入生だ何がお嬢様だ そんなエロゲーみたいな妄想とかないよね 伝説の木とか 桜とかゲームのエリートだけの特権なんですよ」という語りが挿入されます。
全体的に「青春禁止」の表題通り、エロゲにありがちなシチュエーションを否定し続けるという強烈な歌詞なのですが、その中でも特に「初音島にはブスはいねぇ」は皮肉が強すぎて脱帽……。
同じCIRCUSなので問題はないでしょうが、ダ・カーポの特異性を自らネタにしていくスタンスは大好きです。そう言えばダ・カーポが憎くて仕方ない人間を集める広告まで出してましたね。カメリアの方の曲も好きです。
16.18/カチューシャ
下級生2アニメ版OP。つまり厳密にはエロゲソングではないのですが、細かいことは置いておきましょう。カチューシャはこの曲のために結成したユニットです。女子高生のコスプレしながら踊るライブ映像は、非常になんとも言えない気持ちになるので必見です。振付は榊原ゆいさんが担当していたりします。
2の時点で既に「下級生」自体がノスタルジックな作品という事で、全体的に敢えて古臭い曲調にしている曲ですが、出だしの「びびびび! やんやんやややん!」の部分はもう90年代後期通り越して完全に昭和ですね。「18の真ん中で」というフレーズがエロゲらしくてお気に入り。
アニメは大分アレでしたし、メインヒロインの件もアレなんですが、僕は門井亜矢先生のイラストが大好きなので、結構思い入れがあったりします。18禁版OVAいいよね……。因みに同級生(下級生)システムの面倒くさいゲーム性は、ちゃんと今でも同人エロRPG界では健在ですので、またあの面倒な作業感が恋しくなったら漁って見るといいかも。
17.メビウス/留桜良姫
上で紹介した下級生2関連の曲が「エロゲ原作アニメ主題歌枠」だとすれば、このメビウスはマイナー同人ゲーム枠と言ったところでしょうか。
「始まりは終わりとともに… Beginning is the End…」は、ひぐらしやふたご姫の同人誌で(主に僕に)有名な「Team-CAF」の同人ゲーム。ゲーム版の主題歌の方は歌詞と歌い方が違いますが、はっきり言いますとゲーム版だと地味です。
18.Rough Edge /TERRA
「アリスボーカルコレクション2」に収録された「鬼畜王ランス」のOPにボーカルをつけた曲です。ランスの曲に男性ボーカルを起用したのは英断でしょう。ジャケットが超カッコいい。ボーカルコレクション1の方のアトラク=ナクアのイラストも素敵でした。
歌詞としてはランス自身の大義名分やポリシーのない生き様が表現されています。「神をも恐れはしない」というフレーズは本編そのままで痺れますね。ランスといえば太古の昔に作られたアニメ版以来に声がついたランス03が、思ったより違和感なくて愉しめました。ランスシリーズ、ひいてはアリスソフトまで語りだすと非常に長くなるので割愛します。さよなら。
アルバム内の曲では「零式」のボーカルアレンジも好きです。エロゲソングには珍しい男性ボーカルであるTERRAさんの曲を思わぬところで聴くと吃驚しますね。「魔女こいにっき」で流れた時は予想外過ぎて椅子から転げ落ちました。
19.ガチャガチャへるつ・ふぃぎゅ@ラジオ/MOSAIC.WAV
流行した当時から今でもずっと好きです。有名な方でなくFDのこっちの方が歌詞が電波的で好き。
「フレームアームズ・ガールは実質ふぃぎゅ@だ!」と主張している人間は、観測範囲では僕だけでした。悲しいね。
20.誓いの言葉/WHITE-LIPS
原曲の「Daisy Bell」は1964年にコンピューターで初めて歌われた曲である、「2001年宇宙の旅」でも使用されました。「R.U.R.U.R ?ル・ル・ル・ル? このこのために、せめてきれいな星空を」は宇宙船が舞台のゲームなので、主題歌として選んだセンスの勝利です。
歌詞の素晴らしさは引用した範囲でも分かる通り。EDが流れる前のBGMなし演出がズルいんですよね。曲一つでの感動という意味では紹介した中でも別格ではないでしょうか。
■明るめのイチャラブゲーなエロゲソングたち
特に何の捻りもなく明るく元気な曲と歌詞です。
自分は基本的に暗めのゲームの方が好きですし、傾向的にも抜きゲならば凌辱ゲーを好んでますので、この項以降は意図せず暗い曲だらけでした。なので真ん中に明るめのイチャラブゲーの曲を紹介することで中和を図りましょう。
21.One-Chance!!/KOTOKO&佐藤ひろ美
あまりエロゲをプレイしない人間に明るく元気なエロゲソングを紹介するなら、真っ先に思い浮かぶのがピュアガール主題歌「One-Chance!!」です。
何と言ってもKOTOKOと佐藤ひろ美さんの二人という豪華さ。この二人といえば「おねがい☆ツインズ」です。そちらが大好きな事も引っ張られていてるのかも知れません。
歌詞も明るい時のKOTOKOらしさに溢れている青春っぽさが良いですね。特に「真っ白な君のノートに落書きしてあげるね」の部分はKOTOKO感高いです。珍しくAmazonでも単品で購入できます。便利。
22.☆☆☆☆☆☆/榎津まお・春日りか・倉沢はるか・榊原ゆい・茶谷やすら
その特殊なタイトルから一時期ググっても結果が表示されなかったり、どう読んでいいのか分からないなどで有名なマイナー曲(矛盾)。ファンの間ではゲームタイトルと同じく「六ツ星きらり」の呼び方で浸透しています。
5人で歌っているだけはあり曲も歌詞もひたすら明るく、特に「流れ星を全部あげる」のフレーズが本編と合わせて気に入っています。意外と榊原ゆいさんの曲紹介していないと思いましたが、この曲の歌手内に居ましたね。
23.Color of Happiness/AKI
00年に発売された「るなシーズン 150分の1の恋人」主題歌。初期のI've Soundですね。一見かわいらしいよくあるハーレムゲーですが、時代が時代だけにレイプ要素があります。曲自体は明るく流石のI've。I'veなら何でも売れたような時代ですね。
少女病にて葉月ゆらさんがカバーしたバージョンもあります。
24.放課後のパティシエ/SAKKO
初期のぱじゃまソフト作品である「パティシエなにゃんこ」主題歌。女の子従業員と飲食店を経営する作品の中では古参ではないでしょうか。「プリンセスうぃっちぃず」の初回限定版に丸ごと付属していたので、そこから入った方も多いのではないでしょうか?
曲が童謡チックで「みんなのうた」などで流れていても違和感ないですね。全く関係ない作品ですがそう言った意味では「ハヤシ迷作劇場」などの関連曲もお勧めです。こちらは世界観から名作劇場風に仕上げてある作品です。絵師はすっかり有名になったザンクロー先生。特徴的な絵柄はエロゲでも発揮されています。
25.Cherry My Heart/神代あみ
「らぶでれーしょん!」という男女比が1:9の元女子校が舞台のゲーム。タイトルからなんやらまでイチャラブもイチャラブでして、その濃厚なイチャラブっぷりは歌詞にも色濃く反映されちゃっています。
この曲自体が1から10までヒロインが主人公への好意を伝え続けている凄い曲です。サビの「ねぇ、もっと愛されたい 可愛くなりたいから」という歌詞の乙女心がかわいいですね。イチャラブもイチャラブなゲーム。
26.Anthem/nao
ALcot ハニカムから「1/2 summer 」のED。ワンサイドサマーと読みます。エンディング曲らしくしっとりとした雰囲気があるのが良いですね。
何と言っても歌詞の詩的な表現が美しい曲でして、「少し赤くなったバスで」と夕暮れ時のアンニュイな雰囲気と「遠回りの旅をしよう」というヒロインと二人で想い出を作っていく描写の融合がエンディング曲として見事。
2番のサビも
また抽象度が上がってクリア後の余韻を煽りますね。作詞の秋田うとさんがエロゲよりもサブカル寄りな活動が主な事と関係しているのでしょう。大好きな曲です。
27.FLY THE TOP/MELL
一匹狼で宇宙の運送業を営む男マックス・スピードスターになって、依頼人や美少女とともに宇宙を冒険するという非常に90年代の残り香を感じるゲーム「MAVERICK MAX」主題歌。これも初期のI'veですね。00年の作品。
ブルーゲイル関連では他にもINMOLLALという説明不要の名曲があって強いですね。決して鬼父やオークだけがメインのメーカーじゃないぞ。
28.祝祭のカンパネラ!/佐藤ひろ美
そのまま「祝福のカンパネラ」のFDで曲名もタイトルも同じく「祝祭のカンパネラ!」。こっちも最新技術のE-mote付きでリメイクしてくれるかな……。
「さあ盛り上がろう」と言っているだけはあり、終始お祭り騒ぎのようなアップテンポな曲です。「えがお×ともだち=「しあわせ」でしょ」のゴリ押しだが分からなくもないバカっぽい歌詞が元気を貰えます。
ういんどみるの紫キャラいいよね……。
29.Like a Green/ UR@N
グリーングリーン2の主題歌。グリーングリーン関係の楽曲はどれも粒揃いですが、一番歌詞がカッコいいのはこっちかなと。夏らしさや青春らしさが字面からもうまぶしすぎますね。
作詞は今やラノベ作家でもある桑島由一さん。CARNIVALの作詞も桑島さんです。
30.White Wedding/電気式華憐音楽集団
「メトラセ~ドキらぶ☆新婚委員会~」という。いちゃらぶゲーの主題歌。デンカレには珍しい和姦系のラブソング。収録されているアルバムジャケットのいちゃラブ要素の皆無さが凄い。
デンカレ結構おバカ系のゲームに楽曲提供していたり、たまに明るめの曲に参加していたりと、皆さんの想像以上に多くの活動をされています。
最新ですと恋と恋するユートピア主題歌「蒸熱♨ユートピア」もデンカレから作詞と一部ボーカルが担当されてまして、いちゃらぶっぽいのにデンカレっぽくもある絶妙な塩梅の曲でした。去年(※当時)のエロゲソングでのマイ・ベスト。
下記のリンクは最近のデンカレのアルバムの中で好きな一枚です。エロゲから離れて自然と聴かなくなってきた方などは是非。
■暗めでしっとりとしたエロゲソングたち
こうして並べてみると、アダルトゲームといえば矢張り拗らせた欝やホラーだなと感じます。「未完成の城」「I hope So...」あたりも入れたかったのですが、有名どころなので避けました。
先ほど紹介した明るめな曲がOPなら、こっちは基本的にEDを集めたという形でしょうか。
31.flow ~水の生まれた場所~/KOTOKO
独特な雰囲気のあるジャケットがお気に入りです。このジャケットが特別カッコいいだけで、本編はこのような絵柄ではないのですが。
「水素~1/2の奇蹟~」の主題歌。歌詞の空気感が光っていますよね。サビだけ抜き出しても一つの詩のような完成度があります。
32.幸福ノ原理/Marica
山田おろち・すかぢ先生も入れたなら、長岡建蔵先生の関わった作品も入れないとね。
メンヘラ受けが非常によろしい歌詞ですよね。曲調と合わさって、一度聴くと脳裏にこびりついて離れない陰鬱さ。大好きです。
削除されないように修正しましたが、タイトル画面がこの上なく耽美。このように一部への受けが良いため現在もプレ値ですが、レアゲーの中では比較的安いという半端な立ち位置ではあります。
33.insensible/KIYO
いとうのいぢ先生が原画を務めている「Peace@Pieces」の挿入歌。KIYOこと水月陵さんのしっとりした曲は、「君の名残は静かに揺れて」関係の方が有名そうですが、個人的にはこちらの歌詞の方がすきです。ゲーム的には断然きみなご派ですけどね。
サビの歌詞も極めて美妙です。夕暮れの中歩く主人公と少し離れて俯きがちについてくるヒロインの光景がまぶたに浮かぶよう。
34.Square Of The Moon/Duca
アリスソフトの名作「夜が来る!」関連で一番好きな曲。夜と月が非常に重要な要素である事を踏まえ「Take me to the moon」や「微笑める 夜明けが来るように」の歌詞は痺れます。
アリスソフトだけはあり、戦闘曲のBGMから主題歌やらまで全てに置いて曲に恵まれていますよね。
色々と想い出深い作品であるのですが、僕が何を語ろうとも結局はこのCGの美麗さに全て回収されるでしょう。
35.MOON PHASE/Suara
「雫」のイメージソングという非常にマイナー立ち位置の曲。勿論PC98時代に使われた訳ではなく、更には雫のリメイク版でもなく、「痕リメイクの際に特典としてついてきた雫リメイク版に追加された曲」です。ある程度のLeaf好きでも知らない人は知りません。Suaraのアルバムから知った人が一番多いのではないでしょうか。
曲としては作中でも重要なオルゴールのBGMにボーカルをつけた形となっております。瑠璃子のハイライトのない瞳の奥に秘めた感情が込められたような歌詞です。
リメイク版はどうしても絵柄でのホラーな迫力は削られた気はしますが、それはそれとしてオマケシナリオでの「電波、届いた?」を踏まえた上でこの選択肢は大好きです。
36.あなたを想いたい/池田春菜
Leafの中でも今ひとつ地味な印象を受ける「Routes」のED曲。アクアパッツアではお手軽便利アシストとして名を馳せましたので、もしかするとそちらから知った方も居るかも知れません。
その名曲さ故にLeaf関係で何度かカバーされていまして、小木曽雪菜版やSuara版もあったりします。ボーカル違いで受ける印象が全く違いまして、Suaraカバーはしっとりと大人な恋愛に聴こえるのですが、問題は小木曽雪菜の方。
聴けば聴くほどに、小木曽雪菜のために用意されたのではと疑う程雪菜らしい歌詞。一人の男を想うに重すぎる愛情をぶつけた彼女に歌わせた所為で、どことなく片思いで終わる大恋愛のような印象になっています。
そもそも小木曽雪菜にカバーさせたアルバムの曲選のセンスが凄いんですよ。自社の名曲はともかく、何故か中島みゆきの「悪女」が収録されています。愛の深さ故にルートによっては悪女とも取れる行動をする彼女に歌わせるのは、なんとも皮肉が効いています。
37.Dream/長谷川めぐみ
初期のminoriの傑作「Wind -a breath of heart-」挿入曲。ゲーム内容としては激昂したヒロインによる問い詰めシーンが話題になりました。ニコニコ大百科にてDC版の原文が載せられていますので、その剣幕を一度体験してください。
上記に貼ったサントラのジャケット素晴らしいですよね。この曲が流れる映像を担当したのはご存知あの新海誠。美麗な背景は勿論、サビを盛り上げる演出などから、隠し切れない才能を存分に発揮されております。
抽象度の高い歌詞と新海誠の相性は抜群。新海誠さんの担当した作品で自分が一つ選ぶなら間違いなく「Wind -a breath of heart-」での映像を選ぶでしょう。
38.未来図/浅葉リオ
未来ノスタルジアED。Purple software特有のロケットおっぱいは本作でも健在。「未来」がテーマの一つにある事を踏まえ、これから二人で築く未来ならもう不安はないという歌詞を詰めた「未来図」なんですね。このゲームのEDとして、この上なく良いと思います。
それにしても、この曲も集力されているPurple softwareのサントラのジャケットかわいいですよね。Purple softwareの曲の作詞は大体プロデューサーである石川泰さんですね。多才で羨ましい。
39.キミの涙にくちづけを/ave;new feat.大咲美和
STEP×STEADY挿入歌。ゲームとしては何もかも普通といいますかテンプレといいますか、良くも悪くも突飛な設定などがなく、それ故に無難に纏まっている作品です。絵は可愛いですし、プレイして損はありません。妹ゲー。
その普通さを大きく補う程の挿入歌の良さが光ります。電波系でなく落ち着いたave;newもいいよね……。
40.籠の鳥の孤独 /いとうかなこ
神樹の館の曲です。上でも書きましたが、この名作を作った暫くあとに「ちょこっと☆ばんぱいあ!」を出すギャップが面白いです。エロゲと言えば館モノ。エロゲオタクは館が大好きなので、くりいむレモンでも「黒猫館」を選びます。
作品を印象づける陰鬱な歌詞がたまらないです。これをいとうかなこさんが歌っている訳ですから、雰囲気は充分。
それしても「Meteor」を語る上で、神樹の館よりちょこっと☆ばんぱいあ! 部分が長いブログも世界でここだけな気がします。
■凌辱ゲー特有な歌詞のあるエロゲソング
凌辱ゲーに使われたとは思えない程かっこいい曲や、凌辱という異質なテーマゆえに生まれた歌詞たちを集めてみました。
41.COLD BUTTERFLY/Duca
同人CG集のようにセリフが表示されるバルーンウィンドウシステムが独特な「聖娼女」主題歌。女衒の才能がある主人公という設定が最高。
もう読めば一発で分かる歌詞のカッコよさです。作詞はシナリオの丘野塔也さん。純血の象徴としての百合の花が堕ちる描写、凌辱シーンを「ネオン仕掛けの神様に美しさの代償を捧げる」と表現する作詞力、最後に「犯してよ」と快楽に狂ったヒロインの一言で締める。ただただ素晴らしい……。
サビ以外のフレーズも良いですね。登場人物は18歳以上という暗黙の了解がある中、歌詞内に「今日は16歳の誕生日で」と悲観的に入れてくるセンスが凄い。ただ本編はここまでハードな凌辱一辺倒という感じではなかったりします。名作に変わりないですが。
42.月と太陽/安保さゆり
説明不要の名作「姫騎士アンジェリカ ~あなたって、本当に最低のクズだわ!」主題歌。どこを探しても歌詞が載っていなかったので、この記事が初めて歌詞を掲載した媒体となりました。エロゲを追い続けていると度々こういった事態が起きます。
「心だけは強くあることと言い聞かされてきた」のフレーズが最高ですね。もう数分後には心折れてちんぽに負けている光景が目に浮かぶ。展開を予想させプレイヤーを安心させるという意味で満点の歌詞。これでもかと姫騎士要素がぶち込まれています。
余談ですが、ツイッターで原画家のイシガキタカシ先生にフォローされた際、「どうも最低のクズです」と挨拶して貰えたのが数少ない人生の誇りです。
43.Endless sorrow/MASAMI
「鬼医者」主題歌。MASAMI名義ですがあの飛蘭さんです。メーカーは「鬼父」とは関係ない、あのサガプラ。今はすっかり中高生からも大人気メーカーですが、このようなコテコテな凌辱ゲーを作っていた時期がありました。
一度穢され堕ちた女性は二度と綺麗な身になることはないという、壮絶な歌詞。「そこに貴方がいる」という字面では希望に溢れたフレーズを、絶望的に使用しているのが印象的。ここまでヒロインの人生を踏みにじるような歌詞あるか? というくらいに哀しみに満ち溢れた歌詞で大好きです。
44.楽園の扉/青葉りんご
euphoria主題歌。初プレイ時の印象は退廃的な凌辱ゲーですが。一度クリアしてから改めて聴くとこの上ない純愛です。当時から各所で散々話した分、いまさら「euphoria」に対して言うことなかった……。そのくらいプレイ必須という事で。
45.Insanity/青葉りんご
上と合わせて聴く所為か、青葉りんごさんに対しては凌辱ゲーのイメージで脳に浸透しています。実際抜きゲの主題歌を担当している事が多いですが。
この曲の面白い点は、こんなかっこい歌詞で、使われたゲームのタイトルは「凌辱学園長」なところ。正確には「凌辱学園長/奴隷倶楽部 ~読心調教録~」です。euphoriaと同じくCLOCKUP作品。
46.oblivion/KOTOKO
「あの時に戻れたら また泣けるのに」いいですね。凌辱ゲーのヒロインの心情を描く上で完璧な一文でしょう。2番の「想い出と呼べるほど綺麗じゃなくて 断ち切れず汚れてく時へとoblivion」も自虐的で堪りません。
この曲もここまで凌辱を詩的に表現しているのに、ゲームのタイトルは「私立レイプ女学院」とあまりに直球な点。大好きです。
47.To Lose In Amber/島みやえい子
「奴隷市場」なる、そのまま奴隷市場で購入した奴隷と過ごすゲーム。どこかで聞いた事ありますね。こちらはそのずっと前から存在するゲームですが。
凌辱ゲーとして遊べるものの、選択肢によっては奴隷と恋愛する立場を選ぶこともでき、実態としては耽美な世界観のラブロマンスモノ。後にボイスとトゥルールートがついたりもしました。
抜きにも感動にも使えるという点が非常にお気に入り。2番の「一夜限りの夢」という歌詞が凌辱とも泣きゲとも違う「奴隷」という特殊な立場を表していて。胸にしみます。
48.ひだりてみぎて/ましろゆき
知る人ぞ知る「いたいけな彼女」主題歌。こちらも先程の「奴隷市場」と同じく、純愛にも凌辱にもブレることができる作風。純愛でも鬼畜寄りではありますが。「はじるす」シリーズなどロリゲーでも有名なメーカーらしく、絵柄が可愛らしいのも鬼畜なギャップを引き立てます。
いじめられっ子なヒロインに罰ゲームで告白し付き合い始めるという内容。どこまでも従順な彼女からの愛を恐れて鬼畜に走るという内容は、ONEの長森ルートでも描かれていました。歌詞でもいたいけに尽くす彼女の歪な愛情が書かれていますね。壊れた者同士の歪んだ恋愛、お互いにとってのハッピーエンドという確かな形があります。
49.R.E.D/舞子
大好きな「対魔忍ユキカゼ」から。元より対魔忍自体は人知れず闇の存在と戦う少年漫画的な存在ですので、その活動を歌詞にすると熱いんですよね。唯一の問題は、彼女たちがすぐ的に捕まって凌辱されてしまう事でしょうか……。
ジャケット卑怯。
50.芋虫/人間椅子
シリーズの中で唯一真っ当な感動ルートが用意された鬼作さんのED。といってもED中に平然と自転車盗んだりはやっぱり鬼畜者。
歌手はあの人間椅子。遺作がゴキブリ、臭作がハエときての芋虫な鬼作。彼だけ綺麗な蝶になれる可能性があったという訳なのでしょうか。
歌詞は鬼畜者の生き様としてこの上ないですよね。これまで紹介した曲は全て凌辱される側のヒロインの心情ですが、こちらはどう生きても救いのない醜い竿役の人生が謳われています。
何も生み出さず、ただ肉欲と食欲だけを満たし続ける僕たち凌辱ゲーフリークの胸に、ここまで染みこむ歌が他にあるでしょうか。今日も僕らは芋虫のようにアダルト業界を貪っていきます。そういう意味でどうしてもラストに紹介したい一曲でした。
サポートされるとうれしい。