エッセイ：堀江由衣さんから「強く求めていいですか　愛を求めていいですか」と言われた日

　先日、能登麻美子さんの結婚と妊娠が報告されました。当然僕らの世代は無条件で能登さんが大好きなので、少し寂しさを感じつつも祝福しています。

　さて、声優さんが結婚報告すると必ず話題に出るのが未婚のベテラン女性声優の話題。田村ゆかりさん、水樹奈々さん、そして堀江由衣さん……。
　僕は10年以上経った今でも大好きでずっと印象に残っている堀江由衣さんの曲がありまして、今回はその曲から辿った堀江由衣さんの話をします。

　皆さんは堀江由衣さんと言えば何を連想しますか？　やはりHMX-12マルチのイメージをずっと引きずっていますか？　アンドロイドとしてはミス・モノクロームですか？　 別記事リンク（いかに初代ToHeartのアニメがギャルゲーアニメとして完璧だったか）

　それとも映像が間に合わず一部本人の実写が流れたシスプリOPや、一時期キッズステーションで無限に流れ続けた陸上防衛隊まおちゃんでしょうか？
　僕は……

　忘れもしない、2006年夏。堀江由衣さんから「強く求めていいですか　愛を求めていいですか」と言われた日のことを鮮明に思い出せます。
　さて、タイトルの時点でピンときた方も多いと思われますが、テレビアニメ『いぬかみっ!』のオープニングテーマとして使用された堀江由衣さんの6枚目のシングル「ヒカリ」の歌詞ですね。決して「ジサツのための101の方法」の方ではありません。

　これまた物凄い一曲でして、出だしで「祈り続けていいですか 信じ続けていいですか」と突然リスナー側が神格化されます。堀江由衣さんのアニソンでも聴くか～と呑気に「ヒカリ」を再生したら最後、貴方はもう堀江由衣さんにとっての神様と登りつめるのです。「ヒカリ」を聴くということは、その覚悟がある者だけに許された行為。
　そしてサビの出だしは「救いはそこにありますか」のフレーズから始まります。フェストゥムみたいで怖いですね。因みに作詞の椎名可憐さんはファフナーのキャラソンも担当していますので、そういうことなのかも知れません。
　その後に「深い闇を癒せますか」と続き宗教の勧誘か？　と怖くなってきたところからの「ぬくもりを求めていてもいいですか」で頼られ、まさか自分が神としてでなく、堀江由衣さんにぬくもりを与える一男性として必要とされていることまで発覚。

　2番のサビでは「伸ばした指で触れててもいいですか　強く求めていいですか　愛を求めていいですか」と完全に異性として意識されている始末。堀江由衣さんの澄み切った歌声で求められて惚れない人間は今現在存在しませんので、2番を聴いたオタクは総じて堀江由衣さんを好きになるという事です。

　あれから十数年。今でも堀江由衣さんを想って祈り続け信じ続ける行為を一日も欠かしたことはありません。アニソンの歌詞一つで十数年どぎまぎしているいたいけなオタク少年の純情が報われる日はくるのでしょうか？　私を照らし続ける光よ……。