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にゃるらが良いと思った曲2023 10選

↑前回の。


↑こちらは本。

↑物足りない方はこちらへ。

・黒塗り世界宛て書簡/フロクロ

 つねに一癖も二癖もあるMVでファンを驚かせてくれるフロクロさんの作品。歌詞がところどころ黒塗りで修正されており、それでも歌の主人公が世界になにを伝えようとしているかを読み取るという仕組み。そのうえで、黒塗りのタイミングを読み取るとモールス信号となっているので、たとえ何者かに検閲されて黒塗りにされようとも、彼がこの書簡を通してメッセージを伝えようとしていたことがわかるものすごいギミック。

 という前提を踏まえたうえで、この曲を元にした名MADも含めて視聴してみてください。上の日記も読んでみてね。


・鬼々怪々/Laur

 詳しくは分からなくて申し訳ないですが、音ゲーの曲らしい! テンポの速さがそれっぽいですね。曲としては、同アルバム収録の『国士無双』が好きなのですが、ちょっといろいろ書いてみたいのはこっち。両方とも聴いてみてね。
 曲としては、般若心経を現代風にめちゃくちゃ速くしたイメージですかね。仏教と電子の融合。一見ミスマッチのように思えて、仏教とデジタルって本場では全然アリっていうか、むしろ積極的なんですよ。

 ガンガン電飾光らせまくり。
 仏像なんて目立ってなんぼ。アレンジされまくってエンタメ化している日本の仏教のほうがむしろ保守的すぎるのだ。ぎらっぎらに輝いて、どんどん世の仏教徒たちを楽しませていこうぜ!!!!
 向こうとしてはカッコよければなんでもいいわけで、そういう意味では、この『鬼々怪々』も全然アリ、むしろ正しい仏教の進化ではないでしょうか。そこまで「仏教の在り方」にこだわって作曲しているかはわからないですが……どういう形にせよ、般若心経がテーマになるのは個人的に嬉しいです。
 電飾ブッダ、いつか実際にお目にかかりたい……。


・JUNGLE FIRE feat. MOTSU/芹澤 優

 『頭文字D』後継作、『MFゴースト』主題歌。サムネの時点で車体に刻まれている「86」の数字が憎い!
 聴けばわかるし、わからなければわからない。これはもうマジで凄い。タイトルの『JUNGLE FIRE』の時点でもう満点。イントロから完璧。ラップパートで大バンザイ。サビの盛り上がりで拍手喝采。当時ですら古臭さかったユーロビートを復活させた『頭文字D』の音楽面での素晴らしさが、そっくりそのまま令和の世に再現されている。前作のファンで、この曲に文句をつけられる人間が居るのだろうか。
 最近の芹澤優さんが、妙にノリノリなラップありの曲を歌っていたのが伏線だったとは。


 この時の興奮そのまま。
 ザ・頭文字D。ザ・AVEX。人気作の続編で、ここまでファンが望んでいるものを「外さない」強度から、製作陣への敬意と信頼を感じさせる。僕だって車を持っていたら今すぐこの曲流しながら峠を攻めに行きてえよ。


・てせうす/x髥莏

 素晴らしい。
 今まで何度か紹介してきたx髥莏氏(便宜上そのまま表記する)のターニングポイントとなる曲ではないでしょうか。
 氏のこれまでの界隈曲から始まる音楽活動とピアノの旋律、そこへ詩のセンスとまるで肉声と錯覚するような見事なボーカル調教。
 アングラ要素の深い界隈から世に出るには、どこかで色気を必要とする。その際、今回の『てせうす』のようにイラストや演出も使わねばならず、そこに対してガッカリするファンも居るには居るでしょう。みんな好きなアーティストにインディーで居てもらいたいものだ。が、いつか才能は花開くべきである。本曲はそんな氏のメジャーへの開花に対し最高の形での第一歩でしょう。
 過去曲を想起させるメロディーも、テセウスの船と鯨を重ねた不穏と儚さを織り交ぜた歌詞も、これまでのファンなら確実に納得し、集大成のような感動を覚えるはずだ。素晴らしい!


・あの美しいハーモニカの色。/アメリカ民謡研究会

 恐山さんに「ずんだもんがまともに歌っているとグッとくる」とオススメされて以来、僕もすっかり聴くようになった『アメリカ民謡研究会』さんの新曲。
 こればっかりはもう、サムネと曲名で惹かれたなら、言葉は不粋ですので、ぜひ。いいよね……。

・飾りじゃないのよ涙は/Ado

 『Adoの歌ってみたアルバム』なる、タイトル通りカバー曲が集まったアルバムで、ボカロ曲多めの中でスッと入ってくる中森明菜がありがたい……。
 Adoさんのコブシの効いた力強い声で歌われ、中森明菜と同じく「強い女性による恋愛観」が切なく演出される。素晴らしい。これからも定期的にAdoさんにはゆったりめながらも情熱的な歌詞の昭和歌謡を歌って欲しい。

・『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』オリジナル・サウンドトラック/川井憲次

 『ゲゲゲの謎』良かったですね。
 そりゃ僕は水木しげるを長く水木しげるを追ってきたわけだから大興奮でしたが、まさかこんなにも多くのオタクたちを鬼太郎が、というか目玉おやじが熱狂させる日が来るとは。

 そして、鬼太郎の劇伴を川井憲次が担当する日も来るとは……。
 『カランコロンの歌』、たまらないですね。いやはや、川井憲次はすごいよ。カランコロンのリズムでここまで涙腺が刺激されるなんて想像もしたことなかった。『カランコロンの歌』、童謡のように静かで、眠る前などに聴くといいですよ。

↑上の話とちょっと関連して。
Theme of Patlabor 2/川井憲次

 川井憲次の穏やかな劇伴といえば……劇パト2でしょう。
 いいよね……。うまくいえないけれど、劇場版のメインテーマなのに非常に穏やかで、いい意味でプレステやサターンのマイナーRPGのメニュー画面とかで流れてそうな感じがさ、すごく好きなんです。
 この曲の空気感もまたパトレイバーの持ち味の一側面であるとは思いますが、この感じそのままで映画一本やっちゃう押井守のパワーもすげえよ。
 なんにせよ、川井憲次の落ち着いたBGMいいよねって話で。もちろんダブルオーやビルドの激しさもいいんだけどね。

・アイデン貞貞メルトダウン/えなこ feat.P丸様。

 『おにまい』という正しく王道な萌えアニメに対して、パーフェクトな回答としての直球電波曲。この作品に対して、この主題歌以外のベストマッチはありえないでしょう。そもそも電波曲自体が非常に調整が難しく正解がないジャンルに対し、ここまで万人が「萌えアニメらしい完璧な電波だ」と認めるようなリズムとフレーズを作れる時点で100点。
 ちょっと懐かしさを感じるインターネットな単語が散りばめられているのが、これまた往年の電波を感じて素晴らしい。

 OP映像で、なんだかんだお兄ちゃんがみはりを守っている振る舞いをしているのいいよね……。

・ヘヴンリーユー / LonePi feat.りむる

 よくわかっていないので細部は違うかもしれませんが、電音部のキャラクターの『りむる』の歌声を抽出したものが、ボーカロイドのようにAIソングボイスとして発売されたようで、その『分散型自立ゴーレムりむる』を使用した曲。公式デモソングのようです。
 せっかくなので『分散型自立ゴーレムりむる』による楽曲を何曲か聴いてみたところ、こちらの『ヘブンリーユー』が一番好みでした。ルージュノワールに統一された画面と女の子のイラストの仄暗さがいいね。
 元の『りむる』は、少女性がとても目立つキャラクターですので、『分散型自立ゴーレムりむる』を使用するということは、主に少女性が裏のテーマになると勝手に感じているのですが、中でもヘヴンリーユーはそんな少女の内面を楽曲として世界観が構築されていて素晴らしい! 次点でフロクロさんの曲が好きでした。

・人マニア/原口沙輔

 今年のボカコレで一番印象に残った一曲。だいたんなSEの入れ方がかっこいい。ぜひ動画で映像としても楽しんでほしいですね。ぜんぜん詳しいわけではないですが、重音テトの無機質さがメロディと歌詞で存分に反映されていて「やるねぇ」って気持ちになる。後方で腕組みしながら、「そうそう、これこれ!」と頷かされてしまう。
 他にはどんな曲を投稿しているんだ!? とアカウントを開いたら、この一曲以外まだ投稿していなくて、そこにもビックリ。ああーーーーっ!!!!

・【ENGLISH COVER】INTERNET YAMERO /Mori Calliope

 いやはや。すごすぎる。
 『INTERNET YAMERO』自体がたいへん変わった構成の曲かつ歌詞のキャラクター性も強く、なにより激しいセリフパートの連続が歌い手の負担も大きい。……ので、踊ってみたなどはたくさん投稿されてきたものの、歌ってみたは再生回数のわりに少なかったと認識している。それでも歌ってくれた方の意欲は嬉しいし、簡単に歌うことがきない曲を仕上げたことに、僕もAiobahnもひそかな誇りを感じていた。
 そこで満を持して登場したのがホロライブEnglish、森カリオペによる『【ENGLISH COVER】INTERNET YAMERO』である。
 無論、あまり界隈に明るくない僕でも彼女の美声は知っている。そもそも彼女の漢字表記は森美声。それくらいに音楽に対して本気の人であることも存じておりましたが、まさか楽曲まるごと自身が英訳して、さらにはMVまるごとホロENで再現する気合の入りよう。英訳されたのだ、僕の書いた歌詞が。カリオペさん本人の手によって。一つ一つ、ネットスラングまで含めて、「一番カッコよく英語で歌うならこの英文だろう」と。それはもう原作側として恥ずかしいくらいに嬉しいことなのです。何度も何度も絶賛し、このように自慢のような長文を弄してしまうくらいに喜んでいるのです。

 素晴らしい。「ほんとうは幸せを知っているのに 不幸なフリやめられないね」が、𝑇𝑂 𝐵𝐸 𝐻𝑂𝑁𝐸𝑆𝑇 𝐼 𝐵𝐸𝑇 𝐼 𝐶𝐿𝑂𝑈𝐷 𝐵𝐸 𝐻𝐴𝑃𝑃𝑌 𝐼𝐹 𝐼 𝑅𝐸𝐴𝐿𝐿𝑌 𝑇𝑅𝐼𝐸𝐷になる。そして肝心のインターネット最高は、「INTERNET IS FUCKING AWESOME」。このセンスと大胆さは並の翻訳家ではけっして出てこない。彼女ならではの感性から生まれたインターネットへの本心なのでしょう。

 あまりにカオスな画面で解像度が低くなってしまいましたが、奇しくもこの曲はラストの盛り上がりにこれまでのGIFアニメーションがぶちこまれるので、原作では超てんちゃん/あめちゃん一人であったものが、ホロライブEN全体のアニメーションとなっている。おかげで、僕らではキャラ数的に表現できない「オールスター感」すら生まれており、これは向こうのファンはとても嬉しいでしょう。深く追っていない僕ですら一抹の感動を覚えたのだから。
 総じて、要はめちゃくちゃ嬉しかったのだ。
 この曲をきっかけにいろいろと興味を持って、少し英文の勉強もしている。今後どうなるかはわかりませんが、できるだけ人間が発する言葉のニュアンスを、本人の意図通りに読み取っていけるようになりたい。



↑超てんちゃんの新曲もあるよ。よろしくね。

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