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夢で出会った好きな人はどこへ行くんですか。



「そりゃお前の妄想で作られてお前の夢の中で完結だろ。」と一蹴する人に話す事は無ぇ。
これは私にとって死活問題なのだ。

前回のnoteで私は幼少期から眠る事が苦手で現在でもそれに悩まされてる事を書いた。
そんなに眠る事が苦手であるため私の睡眠の質は恐らく最底辺であるのだと思う。浅い眠りで見るものとされている夢をしっかり見る事が割とある。

眠ると必ず夢を見てそれを覚えている、というわけでも無いが、時々

「その夢の中の主人公の生涯分の感情を味わう」

様な夢を見る事がある。これまでに一度見た夢を再び見る事や続きを見る事は出来ていない。

体感時間もスケールも目覚めてから暫くはどちらが主軸の人生だったかわからなくなる程の夢なのだ。

それ程までに壮大な夢を見るため夢の中で好きな人、恋人、大切な人などがいる事がある。

その人は現実の私の好みや恋人とリンクはせず、夢の中の主人公の好みであり、主人公の性格で関係が進んで行く。

夢の中の好きな人のパターンとして比較的私が現実で生きている様な世界に近い環境で、普通に出会って普通に恋人となり一緒に生きているものと、特殊な環境で出会い共に生きる事を望み、何かから一緒に逃げようとしたり戦ったりするものがある。

どちらも目が覚めるまでには、かなりの体感時間を共に過ごした人となっており、目が覚めたらその人がいない事も、もう会えない事も到底信じられない程、夢の中の自我と馴染んでいる。

前者の現実世界に近い環境での好きな人は目覚めてから、今日その人が食べるものや何も言わずに消えてしまった事、明日の予定や約束していた事が守れなかった事などが気掛かりで悲しく、生きていたら何処か出会えるのでは無いかとひたすら探してしまう。実在しない思い出の場所に何とか辿り着こうと歩き回る。

また、あまりの夢のリアルさに現実の恋人と情報が混同したり呼び間違えたりしてしまう事がある。

呼び間違いや情報の間違いに関しては深刻な問題で、浮気をしているでも無く、現実には居ない人と恋人を間違えてしまっているので問い詰められても言い訳のしようもなく、説明も難しい。
名前を呼び間違えられたうえ、夢の登場人物に惚れた、その人の名前だ、などと言われる現実の私の恋人もまた、どうしたら良いかわからない。


私は壮大な夢の中でいくつかの人生を経験している。今の主軸の人生が夢でしたと言われても納得できるだろう。


その人さえいれば他に何も要らなかった気持ちが確かに存在するのに出会ったのが夢の中であったばかりにもう二度と会えないなんて。
現実に起きてしまってはロマンチックなんかでは無く虚しくて困惑することばかりだ。


毎日帰り道に寄っていた肉屋のコロッケも、一緒に冒険した森も、出会った商店街も最寄りの駅も二人で逃げ出した集落も、初めて一緒に住んだ家も、一緒に見た銀色の空も、貴方が気に入って拾って来た大きな鳥も、何もかも実在しない世界で私だけ目覚めてしまったけれど

せめてどこかで元気でありますように。





泣いちゃう。

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