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「宗教2世問題」はどの家庭に潜む?毒親にならないために親が出来ること。

1.「宗教2世」とは?


先日、NHK「逆転人生」より、「宗教2世 親に束縛された人生からの脱出」を見ました。親がエホバの証人の信者であった坂根真実さんという方が、いかに宗教と決別し、ご自身の人生を取り戻したかについて、坂根さんご本人が語られていました。

宗教を信仰する親のもとで育った子を「宗教2世」というそうです。芦田愛菜さん主演の「星の子」でも「宗教2世」がテーマとしてありましたが、信教の自由が認められている日本において、生まれながらにして親の宗教への帰依を強いるのは虐待ではないかという意見もあるようです。

私の地元にも、宗教2世の子がいました。小学校のころはとても明るく運動神経も抜群な活発な男子でしたが、ある時、チャイムが鳴って玄関に出てみると、布教活動のために来た彼の母と彼がいました。早口で何やら世紀末のことをまくしたてる彼の母の後ろで、彼が目を合わせることなく所在なさげに立っていたことをよく覚えています。

あれほど足が速かった彼は、中学では帰宅部となり、最後に見かけた時には明るかった昔の彼からは想像もできないほど、能面のような顔つきに変わっていました。そして空気のようにいてもいなくても分からない人になっていました。活発だった小学生の男子が、そこまでの変貌を遂げるにいたる絶望と孤独とは、一体どれほどのものだったのでしょうか。

2.人はなぜ宗教を求めるのか


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