2018.9.21 すべてが円になる

おはよーございます!

って朝更新するのが定例みたいになってる。どうでしょう、どうですかね。前の日の日付が朝送られてくるのもちょっとどうかと思うのですが。

いつもよりちょっとはやめに寝たら結局眠れなくて一度起きて、なんか眠くなりそうな本ないかなと思って、ずっと積んであった『空間の詩学』(ガストン・バシュラール・ちくま学芸文庫)を読む。ちなみに唐突に個人情報を暴露すると、うちの先生は寝る前は和漢三才図会を読むらしい。いい感じに眠くなるからだそうだ。そりゃ眠くなるよな和漢三才図会……(※江戸時代の百科事典みたいなやつです。こういうふうに↓、絵入りでいろんなものが解説してある。鍋の種類とか火鉢の種類とか、よくわからないものが異常に細かったりするので意外と研究者は重宝している。しかしよくわからない情報収集に長けた人っていつの時代もいるもんですよね)。

しかしなにが問題って、『空間の詩学』、めちゃくちゃ面白くて、結局一気に読んでしまった。難しいかなと思って積んであったのに……面白かった……びっくりした……。

バシュラールは二度目まして、むかし授業で出てきて『火の精神分析』を図書館で借りて読んだ覚えがある。20世紀フランスの思想家なのだけどわりと変わった経歴が有名で、なんせずっと理科の先生をしてそれから哲学で博士号をとったのが40歳だったらしい。しかも科学哲学を専門としたのちに途中で芸術論へ向かうという哲学者としても異色なキャリアの人。しかし私が昔読んだ『火の精神分析』はテーマ批評の有名な著作だ(と思っていた)ので、読んだ当初はてっきりふつーに文学畑の人かと思っていた。今回の『空間の詩学』もどう考えてもきみ文学研究者やろ、と言いたくなる本。

なにが面白いってまずこの本自体がそもそも文学っつーか、詩的。さまざまな「空間」をめぐる共通したイメージを文学に見出してゆくというのがこの本の基本姿勢なのだけど(たとえば「地下」、たとえば「貝殻」、たとえば「戸棚」。面白そうでしょ)、その説明の仕方がほんとロマンチック、なのだ。さすがフランス。

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