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2018.9.8 時間をくりかえす萩尾望都、時間はもどらない山岸涼子

少女マンガについてつらつら考えていたら萩尾望都が読みたくなったのでアマゾンで買ってしまった(こういうことをしてるから私の本代は膨らんでゆくのだ……だって図書館に萩尾望都いないんだもん……)。

以前読んだことがあるのだけど読みたくなって買ってしまった『半神』(萩尾望都、小学館文庫)

『半神』が名作なのはどっかで読んだときから知ってたけど、それ以上にほかの短編が名作すぎますね、すごい、びっくりした!!! いや当たり前だけど!!! 

なんか萩尾望都読んでると、シェイクスピアに似てる、っていつも思うんだよな……。逃れられない運命、ギャグめいたトリックスター、時間を超える愛情。あんまり日本のじめっとした感じがないし、萩尾望都作品特有の「運命が定まっている」感覚がすごく西洋っぽい。たぶん文化的ルーツが西洋のほうにあるからだろう。ブラッドベリやポーが好きって言ってたし、洋画や外国文学を基礎教養にしてる感じがすごくする(実際、竹宮惠子の萩尾望都との共同生活を綴ったエッセイを読むとすごく西洋芸術・文学に触れてたんだなぁとわかった)。反対に、山岸涼子になるとかなり日本の私小説的だと思う(山岸涼子の私小説を描いてるって意味じゃなくて、扱うテーマが日本のムラ社会的な空気の業みたいなとこで私小説と追っかけてるテーマが一緒って意味です)。

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