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「カズオの運行日報」しばし休載のお知らせ(泣)

絵描きとしては非常に悔しい事情にて、当面の間「カズオの運行日報」の執筆をお休みせざるを得なくなりました。

自分で言うのもなんですが、この1年でデジタルの使い方もわかってきて、やっとプロとしての仕事もポツポツ入るようになった今…非常に無念です。


致命的なバグで萎える

少し前から絵を描くのに使っているiPad Air(第4世代)の調子が悪いことは幾つかの記事でボヤいてました。

謎の部分的色抜け、レイヤー行方不明等…。

それ以前に「落ちる、固まる、動作カクカク、要再起動」もあったのですが、描き直したりしてだましだまし執筆しておりました。
ところがもうメンタル折れる事象が…。

いま、「カズオの運行日報」第20話を執筆中で彩色の段階に入ってたのですが、致命的バグが出現するようになりました。

なぜ…!?
レイヤー同士がズレる!!

微妙なズレなのでスマホではわからないかもですが…雑に作ったプリントゴッコみたいです(爆)

このページ、「前景セット」としてフォルダにしたものですが、知らない間に線画レイヤーとカラーレイヤーがズレていました。
最初は「おかしいな?」と思って塗り直したんですが(合致しているのは直した部分)、それ以外のところを投げ縄で移動して修正かけようと思ったら動作カクカクだからめっちゃ難しい…。

以前、フォルダコピペしたときもこのような現象になったので(そのときはズレ方がこんなもんじゃありませんでした)、

あ、もうダメだコレ

…と思いました。

色抜け等のバグを直してばかりでなかなか作業が進まず(お仕事ご依頼の作品でも起こりました)、疲労困憊してたところに泣きっ面に蜂というかトドメ刺されたというか…。
「萎える」ってこのコトですわな…。


いちおうアイビスペイントの運営に相談

以下、アイビスペイントのサポートに送ったメールです。

ーーー
お世話になっております。

アイビスペイントを1年前からプレミアム会員にて利用させていただいております。

最近、バグが頻発しているのですがトピックが見当たらず、アプリのせいなのかデバイスの性能不足のせいなのか分かりかねていまして、対策に悩んでおります。

*レイヤー結合すると絵が消える

*フォルダコピぺができたりできなかったりする(できないときは、フォルダ名・レイヤー名だけは貼り付けられていて中身が白紙。クリッピングも引き継ぐのは知っていますが、クリッピングは関係なしに白紙状態)

*部分的に色が抜ける

*レイヤーの順番が勝手に変わったりそもそもレイヤーが失くなったり(レイヤーはあるが白紙に?)する

*たとえば線画レイヤーとカラーレイヤーなどレイヤー同士が知らないうちにズレている、またはフォルダコピペ時にズレる

1年使ってきましたので、操作ミスではないと思われます。
ただ、最近おかげさまで技術が向上し、レイヤーを70以上使ってフォルダが7〜8くらい、それぞれに加算・乗算もあり、という原稿も珍しくなくなりました。
それくらいからそういう現象が多発しています。

自分の環境ですが、

iPad Air第4世代 ストレージ256GB(ストレージはまだ余っています)
iOS 17.5.1(最新と思われます)
Apple Pencil 第2世代

…です。

もしアプリのバグではなくデバイスのアンダースペックが原因であれば、このような使用環境で推奨されるマシンのスペックはどれくらいなのでしょうか?

お忙しいところすみませんが、仕事が進まず困っております。
どうぞよろしくお願いいたします。

ーーー
以上原文ママです。

アイビスの運営さんはサポートのお返事を迅速にしかも丁寧にくださり、テンプレ感がないので好感が持てます。

クリップスタジオは使ったことがないですが、いずれにしろ推奨される動作環境で使わないと同じことになると思われます。


「カズオの運行日報」のこだわり

「カズオの運行日報」は、わたくし焦げ猫のライフワークであると自負しています。

なぜなら、「現場を熟知していないと説得力のある絵が描けない」という、専門分野のマンガだからです。

たとえ「不人気職業が題材だし、そこまで見てる人いないよ」というのであってもですよ。

1年かけてデジタル作画を身につけてくるなかで、素材の切り貼りだけでは作れない現場のリアル感を大切に、自分の技術を磨いてきたつもりです。
だから、作画に妥協したくないし、もっとこれからも腕は磨いていきたいと思っています。
まぁ、カズオたち登場人物をリアルにしようとは思いませんが…(おもしろかわいいマンガでありたいので・爆)。

彩色前の線画レイヤーを全表示させるとこんな感じ

長年ドライバーをやり、その経験を活かして「トラックドライバーはこんな仕事」というのを楽しく知ってもらいたい…。
その思いで描いているからこそ、自分にしか描けないライフワークなのです。

製作中だった第20話では、青果市場が舞台で1つの画面に2層の背景・数台のトラック・荷物・登場人物・フォークリフトやターレー…という非常に多くのアイテムを描き込まねばならず、バグがなくても時間がかかっていました。
今後もそのような複雑な絵になるのは必至です。
しかし、「カズオの運行日報」だけは、さきほど書いたような理由から、自分の身体能力の影響ではなく道具が原因で妥協してクオリティを落とすことはしたくないと考えています。
ペンとタブレットも持てないほど自分の病気が進行したら、描き方を変える必要があるなと諦めはつくのですが…。

新しく薄く軽くなったM4のiPad Proは喉から手が出るほどほしいですよ。
どうせ病気の影響で食べなくても痩せないし、描き始めたら過集中で食べもせずに描いてるんだから、もっと食費を切り詰めてお金を貯めるか…とも考えましたが、2〜30万するモノが食費の切り詰めくらいで買えるわけが…。
貯まった頃には死んでいます(爆)。


そんなわけで初心にかえる?

まぁそういった事情でクオリティの高い作画ができなくなったので、数えるほどしかレイヤーを使っていなかったころのユルい画風に逆戻りするしかなく、それでは「カズオの運行日報」は描けないので…。

新しいデバイスが手に入るまでのあいだ、ほかに自分があたためていたネタを描いていこうと思います。

先日からも未発表処女作「オバケ屋敷、神さま屋敷」の公開を始めましたが、運送業の話以外にこうした実話系イラストエッセイや、スピ・オカルト・ホラー系の話、ギャグタッチの日本神話を描きたいと思ってはいたのです。

せっかくだから、運送業にご興味がないかたにも楽しんでいただける作品を、と思っています。


カズオの運行日報 第20話 完成済み原稿から

執筆中に中断をあえなくされた「カズオの運行日報」第20話ですが、忘れ去られる前にみなさんにどうしても読んでいただきたいページを3ページだけ、完成済み原稿の中から部分的にアップします。

病気で身体がボロくなったばかりでなく、古毛さんはトラックもいつも故障に見舞われていましたが…カズオが車と業務を引き継ぐにあたり、元貧乏神で不思議な能力を持つ整備管理者であるカズオのお祖父さんが、トラックの故障が多い原因を突き止めたくだりです。

製作中 第20話より

ここで大事なのは「全部解決してやらんでいいから」というところです。

カンニングはNG行為ですが、試験じゃなくて人生ですから、ヒントだったり「背中をあとひと押し」だったり「きっかけ」だったり…自分が犠牲になってまでじゃなくても、いろいろ人を救う方法はあると思うんですよ。
それを、毎度お馴染み「現場あるある」も絡めつつ、今回からの展開で描きたかったのですが…。
ちなみにネタ、プロットはまだたくさん…。

第20話「市場のBボーイ(仮)前編」、どうぞ連載が再開できるまでお待ちいただければ幸いです。


余談。

文字通り「死活問題」で死にかけてる焦げ猫ですが。

矢井田瞳さんの「SURVIVE!〜生き残れ〜」という曲の中の、
悔し涙の数だけ 強くなれるならあたし最強よ
生かされて意味のないことなど起こらない」。
そのフレーズが好きで昔ヘビロテしてたんですが、「悔し涙の〜」のあとに、「どうやら完成なんてしないパズルを買わされたらしい」と続きます。

人生は死んでも完成しないパズルなんだよ。
でもピースを探すことに意味がある。

…独り言でした。
いまは同じテーマならSIAの「Alive」のほうが好きですが。


「カズオの運行日報」マガジンはこちら。ドタバタギャグの番外編含め、現在全25話収録です。ロック系洋楽お好きなかたにも。↓


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