「グランジの神様」第4話〜第6話解説
マンガで説明しきれなかったアレコレを補足する記事です(^^;)
先々スタート予定の「カズオの運行日報」は、基本運送会社の舞台裏エピソード的なマンガです。
そのプロローグ的なものが「グランジの神様」です。
運送業界の人に「あるある!」と思ってもらったり、運送業界を知らない人に「へえ〜こんな楽しみや苦労があるのか」と知ってもらえれば幸いと思って楽しく描いていますが、マンガで描ききれない部分や焦げ猫がこだわった部分、メイキングなどをコンスタントに文書記事で補足していこうと思ってますのでマガジン作ります。
毎回長文記事になりますが、マンガを読んで「これって実際どうなのかな?」と思ったら、ぜひこちらのマガジンも覗いてみてください。
今回は「グランジの神様」第4話〜第6話までについてです。
中卒で運送会社?
団塊の世代以前の時代に比べ高学歴が企業から求められる現代では、中卒での就職は門扉が狭く、自ら決めて進む人は少ない道といえます。
焦げ猫自身の実際の経験としては中卒ではなく高卒はしてますが定時制の夜学でしたから、在学中の4年間アルバイトで働きながら通い、3年生になって免許が取れたらすぐ車関係の仕事に就きました。
第6話で、免許がまだ取れないのに受かったとか、運送業界の人手不足を示唆するセリフがあったりしますが…。
ここで勘違いしないでほしいのは、必ずしも「運送業だから、人手不足だから中卒でも就職成功しやすい」のではないということです。
通常は運送会社はトラックに乗れる即戦力が欲しいわけなので、学歴はどうあれ免許があるのが条件です。
まぁ、確かに誤解を招くようなセリフもありますが、マンガとして作中で説明をくどくどしたくないのにプロの方々と違って知恵がないもんですから…(汗)。
カズオが中卒でも運送会社に縁があったのは、新聞配達のバイトの経歴があったせいもあると思ってください。
そのガッツを買われ、まだまだ免許が取れない年齢で助手からスタートでもやりますという強い意志を本人がアピールしたから…というのと、のちに登場する社長の「若手を育てる義務がある」という理念もあったということでご縁が生まれたわけです。
引越しは人海戦術がほとんど
実際の話、引越しなどドライバー1人だけではできない仕事を請け負う運送会社の場合は助手も募集しています。
現実的には繁忙期に日雇いのアルバイト…というケースが多く、場合によっては大きなトラックの他に別のワンボックスなどで積み下ろし人員を現場に集合させることもあります。
カズオが初日に初めて体験した引越しの現場は、荷物は2t車1台で積める程度ですが、家の直前に横付けできるスペースがなく人力で横持ち(ここでは家からトラックまで運ぶこと)をしなければならない現場でした。
他の人員が見えずほとんどの作業を先輩と2人でこなしているように見えますが、実際には他にも人がいたと思ってください(汗)。
単身者の短距離(または長距離の車に積み替えか保管)の引越しを1日2件こなしたパターンを想定して描きましたが、ドライバーと新人作業員の2人ではよほどミニマリストのお客さんでないとほぼ無理です。
私も繁忙期だけ仕事を請けたり、個人的にレンタカーで友人の引越しを手伝ったりしたことがありますが、運送業界の中でも特殊であり、ホンットウ~に大変な業務のひとつです。
カズオの就職した「KNロジ株式会社」
作中のKNロジという架空の会社について。
規模は小さく下請けばかりではありますが、リスクヘッジのため部門も車種もいろいろあり仕事の幅は広く、求人に関してもおおらかな部分がある会社、という設定です。
今どき大手さん以外で寮のある会社は少ないですし、ドライバーになれるまでにまだ数年かかる(つまり直接売上げを産まない)少年を将来に期待して雇ったというのはなんらかのポリシーあってのことだと思われます。
社長がまだ登場しませんが、昭和のドライバー上がりの情に熱い人物という設定で、「グランジの神様」の後にスタート予定の「カズオの運行日報」から登場する予定です。
長年いろんな会社でいろんな業務をやってきましたが、「こんな会社があったらいいな」という理想もちょっと入ってます(笑)。
登場人物について少しだけ。
中学の後輩くん、KNロジの先輩や寮に案内してくれた人について。
3人とも「カズオの運行日報」にも出てくるレギュラーメンバーです。
名前はまだ伏せておきます。
こちら「グランジの神様」では敢えて誰の名前も出さずカズオのヒストリーを第三者目線で見てる感じですが、「カズオの運行日報」が始まったらキャラクター紹介ページはつくります(レギュラーメンバーのほか新しい人物が登場すれば記事に編集して追加)。
でもサクッと紹介しときましょう。
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後輩くん…
中学生編で、カズオのギターに惹かれカズオに憧れる2年生。
有名マンガどころでいうと、南勝久先生の「ザ・ファブル」で主人公佐藤に憧れるクロちゃん的な立ち位置で、べつにゲイではないがカズオを追い回します。
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先輩ドライバー…
カズオと同じく寮に住んでおり「カズオの運行日報」でもずっとカズオのひと足先をいく先輩です。
氷室京介ファンという設定ですが、なぜ髪の毛がなくなったかは「カズオの〜」のほうでお話にする予定です。
コワモテでクールで厳しいですが、優しくていろんなことを知っている大人です。
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内勤らしき人…
ドライバーの毎日の点呼、配車・教育・人事、そして営業などぜんぶやらされてる中間管理職の運行管理者です。
1人の内勤者がこれらのことを兼ねている小さい運送会社は多いです。
誰かが急に欠勤すると、ときには代わりに走ったりも…。
営業ナンバーの運送会社には、車29台までは1人、運行管理資格者(国家資格)を置かなければならない決まりです。30台以上になったらもう1人といった具合です。
運行管理者のやることは多岐に渡り、ドライバーから突き上げも喰らうので、かなり割りを喰うポジションにもなります。
マンガ「グランジの神様」の次回は、例のお母さんのその後から始まります。
お楽しみに!
運送業に関係ない設定の話も、別記事でアップしますので暇つぶしにどうぞ(笑)。
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