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見えなくても買い物

目が見えないと、買い物と行ってもお店に何が売っているかもわからなければ、どこ
に何があるかもわからない。だから店員さんにアテンドをお願いしている。

よく行く店ではすっかり顔なじみになって親切にしてもらっている。ありがたや!!


所で昔はスーパーのレジと言えば女性店員さんが多かったが、最近は週末や夜なんか
は男性も見かける。彼らも皆親切にしてくださるのだがいかんせん、女子力マックス
ハウスキープ歴ン十年の屈強なおばさま方に比べると何となく心もとない。

男性はぬか漬けであろうが冷凍食品であろうが小さいビニールに入れてくれない。

本来レジではお金を払ったら別のテーブルに移って自分で袋に商品を入れるのが定石
。でも盲人がうごうごしながらかごを別のテーブルに運んで売り物やほかのお客さん
にぶつかったりしてもかえって迷惑なのでレジの人に袋詰めまでお願いしている。
だから私が文句を言うのは筋違いもいいところなのだがやっぱり気になる。!


おばさま方は原則、何も言わなくても水気のあるものは小さいビニールに入れてくれ
る。彼女らは商品によってはビニールに入れなければエコバッグや他に買ったものが
濡れてしまい、後で拭いたり乾かしたり余計な用が増えることを身をもって知ってい
るからだ。

これは自分で申告しなければいけないと思い、レジが男性だった時、冷凍食品をビニ
ールに入れてほしいとお願いした。そしたら私が目の前でエコバッグを広げているの
に有料の手提げレジ袋に入れてくれた。

いやいや、これは彼が悪いわけではない。言葉足らずだった私が悪いのだ。
この場合ちゃんと「無料の小さいビニール」と言わなければいけなかったのだ!!


よく旦那さんが火事を手伝ってくれないという奥さんの話を聞く。
それに対して手伝う気もあるし手伝おうとしているのに文句言われるから手が出せな
いと反論する旦那さんの話も聞く。

そこらへん、今一つ理解していなかったのだが、今回こんなところで妙に腑に落ちて
しまった。

同じ「スーパーの店員」だけれども、おばさまとお兄さんでは家事に携わってきた経
験値が雲泥なのだ。

今は男女差で一概には語れないけれど、まだまだ一般的に女性が男性より家事に携わ
る機会が多い。そうすると結婚した段階で家事の経験値に格差がある場合がある。

その認識を持たないで冷凍食品を小さいビニールに入れなかった旦那さんに奥さんが
文句を言う。文句を言われた旦那さんも気分を害してしまう。


共働きが一般的になっている昨今だが、レジの男性を見る限り、まだまだ家事スキル
には男女格差があるようだ。

ちなみにオリジン弁当は料理のマニュアルが決まっているはずなのに、調理係が男性
の所よりも女性の店の方がおいしいらしいという都市伝説を聞いたことがある。
長年食事を作ってきた女性たちは、マニュアルがあっても「こっちのほうがおいしい
」と調味料に微妙な調整をするのだとかそうでないとか。


だからと言って女性店員が皆いいわけではない。

梅の専門店に行ったときの話。アルバイトのお姉ちゃんらしき人にどんな商品がある
か聞いたけれどなんか要領を得ない。人気の梅干を聞いたらはちみつ梅干しだとか。
私はどちらかと言うとスタンダードなしそ梅干がよかったので聞いてみると塩の具合
に段階があるそうだ。とりあえず中くらいのを買おうとしたら、店長さんらしき女性
から待ったがかかった。

店長さん曰、はじめは小さいのを買ってみて気に入ったら大きいのを買いに来てくだ
さいとの事。何だ、大きさも種類があったんじゃん!!
アルバイトらしき女性は問答無用で大きい方を買わせようとしていたのだ。


別の日に服飾品と健康食品を売っている店に行った。レジの女性に売っていた服やバ
ッグについて質問したらいかにもめんどくさそうに対応された。忙しいならともかく
、お客は私一人だったのにだ。

私はもともと健康食品を買いに来たのでそれについて聞いたらいきなり食いついてき
た。
「これは一日2本くらい入れたほうがいいですよ」

所でなんでああいう健康オタクっぽい人って、ビタミンとか健康食品を「入れる」っ
て言うんだろう。
しかしもう遅いよ。いろいろ勧められても私は冷ややかに必要なものだけ買って帰り
ました。


最近は何もしゃべらなくてもレジに商品を出せば買い物ができる…はずなのに、視覚
障碍者はどうしてもお店の人を煩わせなければいけない。

セルフレジなんてただの障害物。少ない人員で忙しく回している中私たちのようなめ
んどくさい客に丁寧に接してくれる店員さんたちには感謝してもしきれない。

気が利かない事では他の追随を許さない私が言うのもなんだが、そんな中でも家事歴
ン十年のおばさま方の仕事できるっぶりには感謝と共にいつも感心しきりである。

そうなのだ、段取りが悪かったら家事は永遠に終わらない。効率よく仕事を終わらせ
るためには一瞬一瞬で作業工程をシュミレーションしなければならない。

さあ、私も訓練だと思ってもっと家事をがんばろう。

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