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2023年個人的エンタメベスト

普段は観たものをメモ程度にインスタに残したり、映画ノートに書き殴ったりするものの、
一年の中で振り返るということをあまりしてこなかったので、
2023年に観たもので特に印象に残っているものを振り返ろうと思います。(※ゴジラ関係ないです)

⚪︎映画


・『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(6月25日)


「マルチバース」とは?みたいな状態で観ていたけれど、
とにかく自分の想像を悉く超えてくる。
全然ストーリーが進まないので、一番いいところで終わるのだけれど、早く続編が見たい。

・『正欲』(11月13日)


とにかくシナリオが優れていた。
「水」という嗜好対象は、観客の大多数は共感し得ないもので、登場人物に対して共感や寄り添いはするものの、絶対に当事者あり得ないと言う絶望。
自分は「そっちの人間」ではないのに、マジョリティに対して怒る自己矛盾。

特に冒頭の「溺れる」シーンをはじめ、抽象的な「欲」や「フェティシズム」を映像として見事な表現をしていて、くらってしまった。

個人的にいろんな映画で脈絡もなく描かれる(おそらくアイキャッチな要素になるから)ベッドシーンに気持ち悪さを感じていたが、
この映画の「ベッドシーン」は一つもエロがない、今までの映画作りのカウンターにもなるような名シーンだと思う。

・「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」(12月9日)


とにかくワクワクした。
権力や腐敗という社会的な要素も含みながら、でも全部「チョコレート」が中心にあるという馬鹿馬鹿しさ。


⚪︎舞台

・チェルフィッチュ『宇宙船イン・ビトゥイーン号の窓』(9月30日)


大学受験を通じて、受験英語はある程度のレベルまで上がったと思うが、
複数の言語を使いこなす、というのは全く別の領域なんじゃないかと思う。
日本語で書かれた戯曲を、母国語が日本語でない俳優らは、どういった思考のコードで理解するのだろうか。
時に日本語のセリフが不自然だったりすることもあるのだが、
改めて考えてみると「正しい」日本語とは何か。自分の言葉は「正しい」日本語なのか。
NHKのアクセント辞典に載っている言葉が「正しい」のか、自分の言語感覚を揺るがされたような気がする。

・古舘伊知郎『トーキングブルース 現代の信仰』(12月7日)


2.5時間の1人喋り。
実況とも、キャスターとも違う、「喋り」と言う芸能。

僕がラジオ村の人間なので、
いろんなラジオを聴いたり、あるいは作ったりしたが、
その喋りとは全く違う。
リスナーに笑って欲しいところがあれば、自分で笑ったり(あるいは笑い要員を横に座らせたり)するものだが、
古舘伊知郎は自分では笑わない。
あくまで普通のトーンで語りかけてくる。
テーマが「信仰」であったこともあって、まさに説法を聞いているような「喋り」。
どれくらいの稽古をするのかわからないけれど、
とにかく頭の中で順序立てて話す天性の才能。


⚪︎音楽ライブ

・森、道、市場(5月26日-28日)


大学に入学する前から行ってみたかったフェス。
揉みくちゃになるようないわゆる"アツい"フェスが得意ではなく、
遠くでピクニックしたり、ステージの前でゆらゆら揺れるような、そんな自由な空間が好き。
会場ですれ違う人は全く知らない人だけど、
音楽と、飯と、この空間が好き、それだけでちょっと友達になれるような、自分もそんな空間を作ってみたいななんて。

・電気グルーヴ『アンと匂いの樹』(11月19日)


歌詞は出鱈目、MCは嘘ばっか、ピエール瀧は何故か中華鍋を振り回している。
めちゃくちゃなライブだけど、とても自由で良かった。マイクで煽るでもなく、スタンディングの観客の体が揺れる。とにかくかっこよかった。

・山口一郎(サカナクション)『懐かしい月は新しい月"蜃気楼"』(12月20日)

コロナ禍は毎日、山口一郎のインスタライブを見ていたので、本当に親の声よりよく聞いた声だったのだが、
いろいろあって活動が止まり、今までの経緯のドキュメンタリーのようなライブだった。
楽曲に紐づいた記憶が引っ張り出されてくる。
あまりたくさん音楽を聴くタイプの人間ではないのだけれど、
サカナクションの音楽は、僕の人生に関わってくるものだと再認識した。


他にもいろいろ見たり聞いたりしたのだけれど、
書いておかないと忘れてしまう。(テレビやラジオは書いてないから忘れた)

その時に立ち上がった感情を、振り返れるように、よりきめ細やかに書き残していこうと思います。(自戒)

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