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君と僕だけが知らない宇宙へ☆

やっぱり峯田の曲は愛の源で涙の源だった。

15歳、中学三年生の頃の夜、初めて峯田の作る曲を聴いた。
スピーカーから流したのはGOING STEADYの夜王子と月の姫。
耳が自然とこの声を欲して立て続けに聴いた、愛しておくれ。You&I。

時が経って18歳、大学1年生の夜、初めて峯田の曲を間近で聴いた。最初で最後の中野サンプラザ。
中野ブロードウェイを通って、通りのマックで急いで課題を終わらせた。恐ろしい形相で。

君と僕だけが知らない宇宙へ。
1人の人間のドキュメンタリーが始まった様な、そんな映画を見ているような心持ちで銀杏BOYZをみた。
銀河鉄道の夜の朗読。重なる声が頭に焼き付く。
身を削って歌う「人間」に思いが溢れた。その中には怒り悲しみ寂しさ愛全てがつまっていた。

最初は座っていた観客も、黙って居られなくなりその場に立ち上がりだした。一人一人が峯田の歌に心の内を詰め込んでいる。1曲1曲がそれぞれにとっての感情である。銀杏BOYZの観客一人一人からしっかりとサブカルの匂いがした。その日の中野サンプラザは本当に尊い場所となっていた。

立ち上がり、リッケンバッカーをかき鳴らす峯田。
泣きながら叫んだ言葉。「永久西の空を」
前のめりになって拳を上げた。


亡き友人に向けた「漂流教室」
Only you baby 「二回戦」

イントロの広がるギターの音と激しいドラムの音。遠くで私を誘うようにリバーブがかかって、また目から涙が溢れる。どうしてぼくはうまれたの。どうしてぼくはしんじゃうの。「ねえみんな大好きだよ」の中でも特別に好きな大人全滅。もう出なくなってもいいと言う峯田の声と叫びに心が絞り上げられた。

全てを涙と共に出しきって1人で電車で1時間。
ポスターを抱えて揺られる。帰りに齧ったささみ揚げ。

ひとりぼっちで、峯田が夢にまでみたあのステージを見に行ったっだなあと。

ヘッドホンをしなくても峯田の声とギターリフが頭に流れた。ぼーっとしながら歩いて帰る。
新訳銀河鉄道の夜のリフが頭から離れなくて、レコの練習をほっぽって音を探してしまう。

3時間以上も音を浴びて、体中の水分が銀杏BOYZの色に染まっているはずなのに
なぜか、何かが抜け落ちた様なそんな悲しみが残っている。
銀杏BOYZは私にとっての、どん底から救いあげてくれるキラキラの天使であって、自分の負を全て許容して認めてくれるドロドロの悪魔でもある。

同じ月に帰ろう 隣にいてね
絶対に今年一素晴らしいライブをありがとう、峯田さん。銀杏BOYZ。愛しているよ。


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