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Jリーグのトラッキングデータを可視化する

こんばんは( ´ ▽ ` )ノ

新しい可視化の素材として、Jリーグトラッキングデータを紹介します。

サッカーで言うトラッキングデータとは、試合時に選手に装着させた装置により、選手の動きをデータ化したもののことをいいます。

日本のプロリーグであるJリーグでは、トップリーグとなるJ1リーグでトラッキングデータがJリーグのサイトで公開されています。

公開されているデータ(総走行距離、スプリント回数)をスクレイピングし、ベスト5をtweetする仕組みを構築し、運用しています。


tweetしているランキングは、Jリーグのサイトで公開されていない視点でのものとしていて、以下の内容になっています。

・各節の選手ごとの総走行距離ベスト5

・各節の選手ごとのスプリント回数ベスト5

・各節のチームごとの総走行距離ベスト5

・各節のチームごとのスプリント回数ベスト5

・全試合合計の選手ごとの総走行距離ベスト5

・全試合合計の選手ごとのスプリント回数ベスト5

総走行距離とスプリント回数、2種類のデータだけなんですが、これだけでも選手ごとだけでなく、チームごとの特徴が色濃く出てくるんだなーというのが、運用していてよくわかります。


2年前には別ブログで、トラッキングデータの視点でのシーズン振り返り、取り分けチームごとの特徴について分析していました。

この中で、チームごとの特徴を可視化するのに使ったのが、トラッキングデータ指数を使っての散布図。

"トラッキングデータ指数"という用語は私が勝手につけたものですが、総走行距離、スプリント回数それぞれ全チームの平均値を0とし、それより多ければプラス値、少なければマイナス値にプロットして、この2つの分布を散布図で可視化したものです。

仕組みとしては単純なんですが、パッと見でチームごとの傾向がわかるかなと感じています。

ここからは、2020年、2021年そして、2022年の第6節までのトラッキングデータ指数を用いて、特徴的な傾向が表れているいくつかのチームについて見ていきたいと思います。


2020年 トラッキングデータ指数


2021年 トラッキングデータ指数


2022年第6節時点 トラッキングデータ指数


■上位チーム

▼川崎フロンターレ

まずは、2020、2021年連覇の川崎フロンターレ。

総走行距離は下から数えた方が早く、スプリント回数も目立たない。

これはどの年を見ても共通した特徴で、それなのに圧倒的な結果を残しているところに、走れば勝てるようになるわけではない、サッカーの面白さがあるように思います。

ここからは想像の域を出ませんが、陣形をコンパクトに保ちつつ、圧倒的にボール支配しながら相手の穴を突いていくという彼らのスタイルが、自分たちは走らずに相手を走らせるという戦い方に繋がり、それがデータとして表れているんじゃないかなと。


▼横浜F・マリノス

続いては、2020年こそ9位に低迷したものの、2021年は2位、2019年リーグ王者の横浜F・マリノス。
アタッキング・フットボールを標榜し、攻守にアグレッシブなサッカーを展開していますが、総走行距離、スプリント回数ともにリーグトップクラスなところに明確なスタイルが見て取れます。

終盤になっても足が止まることなく、さらにスプリントもできるという印象で、一体どういうトレーニングをしたらあれだけ走れるのか…資金力にものを言わせてそういう選手を集めてきている説もありますが、それだけでできる芸当ではないですからね。


■監督の影響が色濃く…

続いては、監督の影響が色濃く出ている事例として、ロティーナ監督が率いていたチームを見ていきましょう。

▼セレッソ大阪

2019~2020年率いていたのはセレッソ大阪。


▼清水エスパルス

2021年率いていたのは清水エスパルス。

別のチームを率いていたとは思えないぐらい、トラッキングデータ指数上の位置が同じ真ん中下にあることにお気づきでしょうか?

トラッキングデータ指数上、真ん中下の位置は、総走行距離リーグ中位、スプリント回数がリーグ最下位ということを示しています。

ポジショナルプレーを標榜し、選手の立ち位置、範囲を細かく決めていたと言われるロティーナ監督のスタイルがデータとしてよく表れていると思います。


■今季これから注目チーム

トラッキングデータ指数上で昨季からの変化がみられる注目チームを2つ挙げておきます。

▼サンフレッチェ広島

まずは4シーズン続いた城福体制が終わりをつげ、スキッベ新監督となったサンフレッチェ広島。

継続的にゲームを見ているわけではないという前提でお話しすると、今季に入ってもサッカーとしてはそれほど変わってないように感じていたんですが、トラッキングデータ指数で見るとスプリント回数が大きく増えていることがわかります。

元々、ショートカウンター志向のチームと見ていましたが、そこの基本スタイルは変えずに、より瞬間的なスピード、スプリントを求めることで、ショートカウンターをより磨く方向性なように捉えました。

これは欧州で主流になっている、相手の守備陣形が整う前に攻め切るという考え方に近いので、チームとして成熟してくると怖い存在になってくるかもしれません。


▼ヴィッセル神戸

逆に、トラッキングデータ指数を見ると心配になってくるのがヴィッセル神戸。

開幕から7試合勝ちなしで三浦監督が解任されましたが、総走行距離、スプリント回数ともにリーグ最下位レベルとデータ的にも元気のなさが顕著になっています。

データ上の裏付けがない個人的な見立てになってしまいますが、三浦監督就任後、チーム力として上積みされた感じはなく、外目には接戦を勝負強く制していく強豪チームに見えなくもなかったんですが、それは三浦監督就任までに積み上げたチーム力をあってのもので、そのアドバンテージを失っていったのが今季の結果に表れているように感じています。

このまま、チームが上向かないと残留争いに巻き込まれる可能性もありますが…このクラブは資金力がありますからね。
夏あたりに大型補強を敢行して上向きに転じそうな気がします。


本日はこの辺にしたいと思います。
今後、twitterの140文字では収まり切らない内容を本サイトで公開していきたいと思います。


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