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強制力が働きやすい相手とのNVC

NVC的なコミュニケーションを目指して、NVC的な表現を心がけていても、
相手があなたのリクエストを率直にお願いとして受け取るとは限りません。
例えば、相手はあなたのリクエストに無理をして「YES」と答えるかもしれません。特に、上司と部下、先輩と後輩、親と子、、、など上下関係があると起こりやすいですよね。この記事が、そんな関係性でのNVCで困っている方のお役に立てれば幸いです。


NVCの土壌を整える必要がある

あなたがNVCを実践しても、相手にとってはジャッカルなコミュニケーションが当たり前すぎて、あなたの言葉を率直に受け取ってくれないがためにすれ違う、、、という問題に直面したことはないでしょうか。中でも、相手があなたに「NO」と言いにくい関係性だと、このすれ違いに気付きにくいです。あなたがNVCユーザーだと知らない後輩や部下は、あなたのリクエストを強要だと受け取る可能性は充分にあります。また、過去のあなたとのコミュニケーションから、あなたに対する「敵イメージ」が働いて、言葉を率直に受け取ってもらえない可能性もあります。

いくらキリンの言葉で語りかけても、相手がジャッカルの耳をつけていたらNVCを有効に使うのは難しいです。相手の「YES」が本当の YES だったのかは、その場では分からないこともあります。「相手が『NO』と言いやすい環境づくり」のためにできることを考えてみました。


「強制ではない」と率直に伝えてみる


強制させたいわけではないことを率直に表現するのが、最もNVC的な表現ではないでしょうか。

🦒「もし良かったら、この荷物を一緒に運んでくれない?
  念のため伝えておくけど、これは強制じゃないからね」

このように伝えることで、強制と勘違いされるケースは減っていくでしょう。しかし、この一言ですべての問題が解決するとは限りません。


他にどんな表現ができるか


その時々で相手のニーズに寄り添った配慮の一言を添えることもできると思います。例えば、以下のような伝え方です。

🦒「疲れていたら教えて」
🦒「今忙しかったら教えて」
🦒「今他にやりたいことがあったら教えて」
🦒「今は休みたかったら教えて」


似たような表現に「疲れていたら私やるから」「やりたくなかったら別の方法考えるけど」などがあります。これらの表現でも特に問題があるわけではありません。しかし、NVCにおいては、これが心からの言葉であること、自分のニーズを大切にしていることが重要です。思ってもいないのに“優しさ”のつもりで「疲れていたら私がやるから」と口にするのは、自らNVC的なコミュニケーションを諦めているのと同じことです。

加えて、この言葉には自分から相手に対する思いやりや配慮のニーズが見えますが、本当にそれだけが自分の大切なニーズなのかを立ち止まって考える必要があると思います。そもそも、あなたは何か他のニーズを満たしたくてリクエストをしたはずです。
気を遣いすぎず、自分のニーズも相手のニーズも大切にする。それを実践できるのがNVCです!

大前提になりますが、NVCで重要なのはあくまでもOFNR(観察、感情、ニーズ、リクエスト)です!


想像以上にジャッカルに慣れた世界で


NVCを学んでいると、NVC的な価値観や考え方が自分にとって当たり前になり、もともと世の中のコミュニケーションはジャッカルで強制的なものの方が多いことを忘れてしまうことがあるかも知れません。そうしてNVC的な価値観と出会っていない相手と、NVC的なコミュニケーションを目指しても、相手が率直に受け取ってくれないことはよくあります。
どんな関係値でも、NVCの土壌づくりは大切です。強制力が働きやすい相手とのコミュニケーションだけではなく、NVCを実践するにあたって不安がある方にとって、この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。

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