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日本に帰ってきて目玉焼きの歴史に思いを馳せる

2年半ぶりに日本の地を踏んだ。すっと感覚が戻るだろうと思いきや、東京という馴染みのない土地に着いたもんだから、帰ってきた感があまりなく、東京旅行にきた感がある。そして、どれだけ自分がスペイン化しているか痛感。言葉の習得ってあんなに大変なのに、習慣ってすぐ吸収するもんなんだな。

何より私のバックグラウンド、地は田舎者。田舎からサンセバスチャンへの変化は環境の感覚としてはそんなに大きくはなかった。なぜならみんな大声で話す、知らん人でも挨拶、どこでも会話する、といった具合。

東京はそうもいかない。コンビニに入ってこんにちは、ありがとうございますと言うと変な目で見られて無視される。そういや私も日本に住んでいたときは、挨拶なんてしなかったな。コロナもあって全て支払いが自動になっていて、びっくり。これは海外では起こらなそうな自動化。キャッシュレス化。

スーパーでレジ袋くださいと言おうとして、「レシート袋ください!」と田舎者特有の大きな声で宣言。後ろの若者からぶっと言う声が聞こえる。

あと、お金払わないと座ってぼーっとするところがない。スペインはまちづくりからして、人と話すってのが前提になってるから、町中の道にはベンチがある。そこで座っておしゃべり。これは中世ヨーロッパの街づくりが元になっていて変わってないところだけど、街の中心に必ず教会があり、そこには広場があるので、老若男女がそこでぶらぶら、基本的にそこで子供が遊んでいてベンチに座って老人がそこでおしゃべりに花を咲かせる。人が外に出て座ることが前提となったまちづくりだけど、現在の日本のまちづくりの主役は車。商店街だって少なくなったよね。なので一日外にいるとめっちゃお金を使う。スペインだと一日コーヒー一杯でぶらぶらして、ベンチや広場で休憩してみたいなことがどこでもできる。

あと違和感を感じるのは過剰なプラスティック包装。全部小袋。プラスティック見るたびに悲しくなる。そして小売店のなさ。肉屋も八百屋もない。みんなスーパーで売ってる。

そしてお次は日本らしい良さ。圧倒的な静けさ。電車が静か、道が静か、カップルも静か。声のトーンや話し方がとても優しく聞こえ、丁寧に話す。スペインだと喧嘩してるかのような勢いで話す人が多い。実際期限悪い人が接客をすると、接客も機嫌悪い。日本ではまずないよね。これは日本人はビビるだろう。静けさが恋しかったのでこれは嬉しい。

みなさん丁寧。一生懸命自分の仕事を極めようと頑張っている。スーパーだってどこだって自分なりに一生懸命。みんなが努力をしている印象。

たった数年前までは私もこの一部だった。いつの間にか感覚が変わってしまった。生活する場所の影響の凄さ。

この不思議な感覚も貴重なのでメモとして残した次第。




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