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母のタブレット

実家が自宅から徒歩で行けるようになってから5年ほど経ちました。
今日は久しぶりに玄関先までこちらが出かけて行って立ち話をして来ました。
普段は、こんなに近くてもまだFaceTimeで連絡しています。


両親は、祖父母が住んでいた兵庫県の家を引き払って一度は阪急宝塚線沿線の駅近マンションに引っ越したのですが、現役時代に転勤族だったからなのか「そわそわしてどこかへ移りたくなった」という理由で、私の住む街にやって来ました。
老人になって、娘を頼りたくなったというのもあるらしいです。

すぐに家探しはできなかったので、初めは景色の良い(うちの県の特徴であるアレがよく見えるのです)ところに住んでいて、それから今の場所に落ち着きました。
その後、父の病気の症状が悪化して、この3年ほどの間に2回の手術を受けたので、近くに住むということで少しは互いに安心できたのではないかな、と思っています。
幸い、今は普通の生活ができているから、このなんでもない一日がしみじみといいなぁ〜と思えています。

ただ、老夫婦2人だけで住んでいると、瞬間湯沸かし器みたいにすぐ怒る父とのやりとりには少々手を焼くことがあって、母には自分の思う通りにできることがあるといいのに…と考えていたのです。
ある日元々使っていたタブレットが使いづらくなったので、買い替えようと両親から相談を受けました。
「そうだ、タブレットをお母さん専用にしたらどうかな〜。」と思っていたことを伝えてみました。
すると、父があっさり「いいよ。」と言ってくれたのです。
父には自分のパソコンがあるからかな。

そうなったら即2人はiPadをヨドバシカメラで購入して来ました!
(早いわ…)

これが多分3年前くらいの話で、買ったばかりのiPadを前に、母に使い方を少しづつ説明することとなりました。
まずApple IDの取得から。
それから、お料理が大好きだからクックパッドのアプリをダウンロードすることと。

そんなところから始めたのですが、やっぱり初心者だから、わからないと逐一聞いてきて、大変でした。

両親は携帯さえも持っていなかったので、なおさらです。
(今は携帯を2人で1台所有しています)

それでも、遠くに離れてしまった前の住居での友達にメールを送りたい一心で、少しづつできることが増えてきました。
クックパッドで、作りたいお料理を検索できて楽しいのだそうです。

私が不在の時は、操作がわからなくなって孫である私の娘たちに電話やメッセージで質問攻めだったという、微笑ましい交流もありながら…。


その後、人々を引き離してしまう感染症が流行して、簡単に対面での会話が叶わなくなった時、このiPadがとても役に立ちました。

父が入院して、母だけで家にいる時も安心して連絡できたし、今年の新年会は、離れて住んでいる妹家族と私たち家族と一緒に「オンライン新年会」もできました。

今、自分の携帯で撮った写真も、ちゃんと送信できるサイズに縮小して送ってくれるまでになりました!
夫である父のパソコンで機嫌を伺いながら送信するのではなく、母自身が自分で考えて、自分の思った事を伝えたい相手に送ることができて、良かったです。

卯木(うつぎ)という植物なのだそうです。


「自分で決めて、自分でやる。」という言葉、娘たちが出会ったダンサーから受け取ったことがあるのですが、母だけでなく私にとっても、大事な言葉だな、とかみしめています。


私も自分で決めて、自分でやろう!


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