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読書感想文【四股鍛錬で作る達人 日本伝統万能トレーニング】

四股は宇宙の本質に迫るーと書いたら、きっとあなたは突拍子すぎて「???」と思うだろう。
しかし、読みすすめていくと、四股というものは私達が想像するよりもはるかにシンプルで、同時にたいへん奥深く、また科学的根拠と組み合わせると、なるほど四股というのは宇宙の構造にも似てると思えてしまうから不思議だ。

近年の健康ブームにともなって、さまざまなトレーニング法が編み出されている一方で、古くからのトレーニング法もまた見直されてきてる。
特に私たちが暮らす日本の「昔の筋トレ法」として、四股トレというのがあるのも、みなさん一度は聞いたことがあるかもしれない。

ところが、今の四股トレーしかも現役力士たちですらー四股に対する意識が大きく変わってきていると語る。
それはウェイトトレーニングなどの近代的な鍛錬、そして外国人力士の台頭もあいまって、しだいに四股は準備運動ないし簡単な筋トレと位置づけられるようになった。
四股のそのシンプルさがゆえに、その奥深い本質まで顧みられることはなくなってきたのだ。

四股をとおして現代の相撲との違いに、本書は双葉山と比較している。
腕相撲をすれば力士の中では非力なほう、しかし土俵に立てば相手より「少しだけ」強いーそんな双葉山の強さは、まさに現代に忘れさられた「昔ながらの」四股トレであると語る。

「なぜ四股なのか?」
「なぜ筋トレではないのか?」
「なぜ四股を踏むだけで効果があるのか?」

本書は「四股鍛錬」というタイトルですが、四股のみならず相撲そのもの、ひいては他の武術やスポーツ、はては宇宙の仕組みとの共通点を書きだしてある。

「なぜ四股なのか?」

四股の探求は、まだ始まったばかりー。

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