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私たちの木婚式

5回目の結婚記念日を迎えた。

私たち夫婦は交際期間が長かったので、それも合わせると、もうかれこれ12年一緒にいることになるのだが(干支ひと回り!)、それでも夫婦になって5年たったという事実には、なんだか感慨深い気持ちにさせられる。
どこから来た風習かは知らないけれど、結婚5年目を「木婚式」というのだそうだ。「夫婦の絆をより深め、二人が1本の木のように一つになって、将来を見据えて歩いていこう」という意味があるのだとか。

そういえば以前、友人がインスタグラムに、「旦那さんから結婚5年目のサプライズがあった」と写真を上げていた。木製の記念スタンド&お箸のセットのプレゼントだった。
それを見ながら、「我が家の木婚式は何があるかしら」とワクワク思いを馳せていたのだが……案の定、何もなかった。
うちの夫は、交際期間中は「誕生日に年の数だけバラの花束」をやる人だったのだが(ちなみに、プロポーズは108本のバラの花束だった)、結婚後なぜかそこに注力するバイタリティが減少していき、現在は誕生日も記念日も「ケーキ買ってくる」くらいになってしまったのであった(ケーキも嬉しいけど)。

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結婚記念日のAM12時を迎えたとき、我々はAmazonprimeでアニメを見ていた。それぞれ子どもを抱きかかえながら。

1週間ほどかけて、ちまちまと2クール分見てきたアニメの最終回が「超衝撃展開!! スペシャル編(1時間×2話)へ続く!!」という終わり方をしたがために、もともと夜行性で寝室へ行きたがらなかった2歳児&この日に限って背中センサーが無駄に敏感な0歳児の寝かしつけを放棄して、スペシャル編視聴に突入してしまったのだった。2歳児はしばらくして夫の腕の中で寝落ちたが(0歳児はうとうとしつつもずっと元気だった)。

結局、視聴は深夜3時半まで続いた。
「親としてどうなんだ……」とつぶやく私に、「こんなの30代のうちしかできないから」と夫が返す。
まだ5年以上あるが、断言しても良い。たぶん私たち、40代になってもこんな感じだぞ。

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その日の夜は、打って変わって早寝してくれた子どもたちに感謝しつつ、久々に夫婦でボードゲームをした。
棚3つを丸々ボードゲームで埋め尽くすほど、ボードゲームにハマっている夫だが、きっかけは10年以上前に「海外のボードゲーム(カルカソンヌ)をやらせてもらったけど、面白かったよ」と私が夫に教えたことだった。

今となっては「また買ったの!」と非難じみた言葉ばかり浴びせているが、そもそも最初の1個は「2人で楽しめるものを増やしたいよね」と言い合って買ったものだったということを思い出す(ちなみにドミニオン)。

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6年前に亡くなった父親が、倒れる前日、母と一緒に家電量販店で映画のDVDを買った、というエピソードがある。
「2人で見ようね」と選んだのに、見る前に死んじゃった、と母は嘆くが、結婚して30年たっても、一緒に家で映画を見る……という関係が、我が両親ながらいいな、と思う。

子はかすがい、というけれど、子どもだけしかかすがいになるものがないような夫婦にはなりたくない。

特別なことは何もしなかった、
しかし期せずして、二人がこの先もずっと、1本の木でいるために、大切にしなくてはならない時間を再確認したように思う。


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