見出し画像

家事本、処方しておきますね。【4】

特に何をしたわけでもないのに、家にいるだけで、いやいなくても、そこいら中に埃が積もっていくの、何でですかね。
あの独特なふわふわした灰色の綿は、どこから生まれ出ずるの? 気づいていないだけで、人や、人が一度触ったものからは、ざらめをわたあめ器に入れたときに出てくる甘い繊維のような、灰色の繊維が絶えず沸き出しているのではないの……?

いちいちそんなことを考えず、毎日クイックれ(注・掃除機を置いていない我が家でヘビーユージングされているクイックルワイパーをかけろ、の意)って話。

というわけでおすすめ家事本二冊目です。
(3選+番外の予定)

***

『菜箸のひもを切ると料理がうまくなる』(小田真規子著、文響社刊)

このレビューを書くために本を見返して一番に思ったのが

「文響社…………!!」

という、声にならないお仕事的観点の心の叫びだったことをお伝えしておきます。
今さら言うことではないが、現在のこちらの快進撃はすごい。
小学生男子垂涎の下ネタしか存在しない漢字ドリルは(6冊あるとはいえ)、学参書では珍しすぎるまさかのミリオンセラー。ワンにゃん癒される人生論があちこちの書店で平積みされているのは言うまでもなく。
が、一時の流行りだろ、と思いきや中身が役に立つんだなこれが!! ……ということを主張したい。

で、こちらの菜箸のひも(という略称をお許しください)。
日々の料理が!
苦痛!
と思っている人に送る、ヒント集とでもいうのでしょうか。料理がうまくなる、とありますが、具体的なレシピは、誰でも知っているような料理が10品のみ。

料理に必要なスキルを細分化し、買い物、献立、調理、盛り付け、後片付けと、それぞれの場面において「ちょっとした」「だけど知っておくと、なにかと便利な」テクニックやアイデアを教えてくれる。

たとえば(見出しままじゃなく私の落とし込みですが)、

「献立は味と調理法の掛け合わせで考える」
……基本は生、炒める、煮る(ゆでる)、浸ける×甘辛しょっぱい、すっぱい。これのかけあわせ。

「下ごしらえの要らないコスパの高い野菜を知っておく」
……皮をむかなくていいもの、包丁を使わなくても切れるもの(キッチンばさみや素手)は調理時間早い

「水菜と紫の野菜を活用する」
……紫の野菜を使うと高そうな料理に! 水菜は食卓に色がないとき、ハサミで切ってちょっとのせとけ!

などなど。
「この食材でこんなものが作れるよ」と、レシピはなくとも、「パプリカを乱切りにしてゴママヨあえ」みたいにちょろっと書いておいてくれているのも嬉しい。その程度なら、レシピはググれば何かしら出てきますからね。

ひととおり読むだけじゃなく、トライ&エラーしながら熟読していくことで、自分の中に行動がしみついていく実践型の本だと思う。
そして最終的に、「時短って手抜き?」ではなく、「こんなにいい感じに料理できて、時短!?」にたどり着けるのではなかろうか。

取り急ぎ、我が家の三本ある菜箸のひもを切ったら、どの二本の組み合わせでも使えるようになり、使用が楽になった、ということお伝えいたします。

つづく。

サポートをご検討いただきありがとうございます! 主に息子のミルク代になります……笑。