傘を差したって濡れるんだ

　傘をさすのが絶望的に下手だ。

　気づいたのは大人になった頃だ。同じ雨の中、移動してきたはずの友人たちより、いつも自分の方が濡れている。もちろん友人たちも濡れているのだが、友人たちが「じと…」だったら、私は「びじょっ！！」。絞ったら水が滴る感じ。

　小柄だからと、小さい傘をさしているのが悪いのかと、大きい傘をさしてみた。
　重くなっただけで、状況に大差なかった。

　さし方が悪いのねと、歩きながら傘を前にしてみたり、横にしてみたりした。
　タイミングが悪いのか何なのか、うまく雨の振り込むときに傘を動かすことができない。

　今日は傘を差しながら歩いていると、やたらと水滴が顔につく、と思ったら、傘をくるくる巻いて止める面ファスナーが付いたピロピロとした部分（伝われ）が一足先にびしょ濡れになり、そのピロピロが風に揺れることで、私の顔に水滴を飛ばしているのだった。

　これどうにかならないのかなーーー！？

　個人的には、新幹線はこれ以上速くならなくていいし、携帯のカメラもこれ以上きれいにならなくていいし、テレビの映りもこれ以上よくならなくて良いのだけれど（※あくまで個人の見解です）、雨のときにもう少し体全体が濡れない大発明がないもんかなと思う。

　例えば、さすと薄いバリアのような膜が出てきて体を覆ってくれる傘とか。履いていると足のみならず、半径１メートル以内の水を近づけないように飛ばしてくれる長靴とか。
　ないかな。ないか？

　ちなみに、保育園児二人を家まで連れ帰らなくてはいけないため、基本的には雨の日もレインコートを着て自転車に乗る。
　レインコートも、ひゅっと風を切ったときにめくれて雨水がザザーーーと入り込むため、基本的には濡れる。あと、そもそも顔はむき出しなので、めっちゃ濡れる。

　もちろん、傘もレインコートも、使わないよりは濡れないのである。
　だけど、この大気候変動時代だ。
　もうちょっと令和〜な感じの雨グッズ、出ないもんかなぁ？と、びしょびしょになりながら思っている。