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マカロンみたいに甘くない


彼と喧嘩した翌日に、彼のために買っておいたマカロンが潰れていたのを見つけて、なんだか切なくなった。

マカロンが潰れていたのは知っていたし、店員さんに「壊れやすいのでお気をつけてお持ち帰りください」って言われたのに、大事に持って帰れなくてつぶしたのはわたしだけれど。

わたしたちは毎日忙しくてすれ違っているし、他人だから、考え方や受け入れ方も違う。

でもきっと、そういうことが問題なんじゃなくて、彼のために大事にマカロンを持ち帰れなくなってしまったことが問題なんだろうとおもう。


壊れやすい心を大事に扱ってあげなければ、きっと彼はどんどん頑なに自分を押し通そうとしてムキになっていくんだろう。

彼は男らしく大人らしく常識人らしくいたいんだろうけど、わたしから見たら、子供だし、女々しいし非常識だ。きっと彼からみたわたしもそんなもんで、わたしが理想としている妻像とは正反対なんだろう。

理想ってのは厄介で、それを持つのは悪いことじゃない。だけど、相手にそれを押し付けたりしていたらお互いにすり減ってしまう。それで何度も失敗してよくわかっているはずなのに、わたしはどうしたって無意識にそうしてしまっている。

いろんな角度から考えすぎて、結局いつも答えはない。


でも夫婦ってそういうもので、繰り返しそういうことが起こって、それでも一緒にいようねって最初に決めたその契約だけなんだろうとおもう。

たかが契約、されど契約。

いまのわたしには、そんなことしかわからないし、別に男女のことなんかそれくらいでいいかなって思ってる。

あと彼はたぶん、マカロンは食べないとおもう。

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