穴の魅力について

「ねえ、いつだったら空いてるの?お尻、いじめてよ」

いま流行りの若手俳優に似た自由業の彼が、俺の尻を責めろと連絡してくる。

わたしはそんな生活に若干嫌気がさしてきていた。自分の尻の穴くらい、自分で管理してほしい。

でも元はと言えば、わたしが酔っぱらって彼の尻穴に指をつっこんではしゃいでしまったからそうなったんだろうと思う。いつもそうだ、わたしは人と酒を飲めば楽しくてはしゃぎすぎるし、それをその相手が喜んで受け入れることもわかってやってしまっている。

相手が求めるものを、肌感覚で分かりすぎるってのは少々問題だと思う。大人になったら敢えて鈍感なふりをしていた方が楽なこともある。実際わたしは若いころは敢えてなにも考えてないふりをしていた。

返信を迷っていると、店員がつぎは何を飲みますか、なんて無邪気な笑顔で問いかけてくるもんだから可愛くなって君のおすすめは?なんて聞いてみたりしてしまう。

1時間後にはふたりでその飲み屋のトイレの個室で店員といちゃいちゃしている。クリトリスがこんなに勃起してるよ、ねえ、ちゃんと見たことある?ここ?なんてわたしは言いながら。

そしたらその女がさ、もちろんあるもっとよく見てよ、って突き出してくるからよくよく見たら、クリトリスには顔があるの。その女に似てる顔がね。たぶん、だから、そっちが本体なんだろうね。

優しく暖かい息を吹きかけてから、クリトリスの唇にキスして、べろべろ舐めまわしてやる。そうすると、なんかちょっと勃起してくる。ちょっと伸びる。吸ったり弾いたりしてると、ぴくぴくしだしてくるの。

クリトリスの下にある穴がひくひくして、上下して、人間の女のほうはなんか息も絶え絶えなのに、頬が紅潮して嬉しそうにしてる。穴からなんか白いものがどろっと出てきて、本能的にやらしい気持ちになってちょっと指とか入れてみたくなったりして、入れてみたりしちゃうってわけ。

だからつまり、穴っていうのは中が見えないから魅力的に感じちゃう。ってことなのかな。ね。


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