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看護師だからこそ、楽しめる人生を

「Youtubeは難しいですね。家族にもダメ出しをよくされています」

そうにこやかに話すのは、皮膚・排泄ケア認定看護師であり、おむつフィッターの資格を持つ浦田克美さんです。大人用紙おむつの正しい使い方や理解を広めるために、2009年より「チームはぴなぴ」を結成した彼女。

Youtube登録者数はなんと1990人(4月30日時点)にも及びます。

その一方で「100%仕事の人生はおもしろくない」とプライベートではバレエを楽しむアクティブさも忘れていません。「仕事に趣味に社会貢献」にと、キャリアを積みながら病院外でも活動する姿。誰もが憧れる看護師像ではないでしょうか。

今回はどのようにして仕事をしながらやりたいことに取り組む時間をつくってきたのか、お話を聞いてきました。


不安と後悔の中でみつけた道

浦田さんが認定看護師を目指したきっかけは、イレオストミー(回腸ストーマ)を造設された患者さんとの出会いでした。

「こんな体で一歩も外に出られない。病棟も嫌で行きたくない」

外来で会った患者さんから言われたこの言葉がとてもショックで、心に残ります。入院中のストーマケア指導に問題があったのかもしれないと、自責の念を感じることもありました。

「中堅ナースとして病棟で働いていて、業務にも慣れていたところでした。このままでいいのだろうかと、今後について漠然と考えていた時期に言われてしまい……」

患者さんからの言葉はとてもショックだったと言います。ちょうど業務にも慣れ、看護師のキャリアについて悩んでいた時期。患者さんを退院後の生活に不安を抱えたままにさせたくない。ちゃんとしたケア指導をしていきたいと強く感じたのです。

そしてよぎるのが、新人時代にすでに活動していた認定看護師の姿でした。

「当時は認定看護師がまだ認知されておらず『なにをする看護師なの?』と医師にも言われているような状況でした。その中でも活動されている姿をみて、すごい先輩だなと思っていました」

業務を覚えるのに必死だった新人時代。認定看護師を目指そうという考えはありませんでした。

しかし、患者さんにつらい思いをさせた後悔と、道を切り開いてきた先輩認定看護師の姿。このふたつが、浦田さんの背中を押します。

「これから出会う患者さんに、同じ思いをさせたくない」

そんな思いが、皮膚・排泄ケア認定看護師の受験を決意させたのです。


限られた時間をつかいきる

「夜勤をしながら子どもの送り迎え、食事の準備をしていたので、勉強時間の確保や管理が難しかったですね」

当時は子育てとの両立に奮闘していたワーキングママ。忙しい中でも、勉強時間を確保するために子どもたちが寝ている時間を活用しました。それは深夜3時から朝6時までの3時間。この時間は必ず勉強時間にあてるようにしていました。

「この生活を1年以上続けるのは体力的にも、協力してくれている家族にも影響がでる。だから、絶対、1発で合格しようと覚悟を決めて受験に挑みました」

毎日3時間、仕事に家事に育児をしながらの受験勉強。大変だったはずです。

子どもの急な熱やご自身の体調不良などで思うように勉強できない日は「しょうがない」と自分を責めずにとにかく、毎日勉強を続けるようにしたそうです。

「もともと一夜漬けが苦手で、コツコツと続けることが得意でした。1日1㎜、成長できていればいいと思っています」

限られた時間の中で毎日無理なく続けられるタイムスケジュール管理能力。これこそが、浦田さんの大きな強みです。

仕事に子育てに勉強にと、せわしない日々を乗り越えた結果、浦田さんは見事認定看護師に合格します。

最初に行った活動は、配属先の病棟でスタッフへのケア指導でした。そして3年かけて認定看護師のコンサルシステムを構築し、現在は部署に所属せず病棟や外来からの介入依頼に対応しています。褥瘡回診や排泄ケアチームといった組織横断的な活動の他に院内外でのセミナー講師など、活動は多岐にわたります。

認定看護師の受験のときの時間管理方法は、今の浦田さんの活動に活かされています。それは毎朝、論文の要約をTwitter上で発信したり、皮膚のケアについてYoutubeで配信したりすることです。

すべての作業時間は、区切りをつけて行っています。たとえば、毎朝の論文の要約は15分以内です。Youtubeも、撮影と動画の編集は時間を決めて行っています」

時間配分の難しさを、認定看護師の受験時代に学んだ浦田さん。「今は自分のためにつかう時間が増えたので、大変さはないですね」と、笑顔で話されました。きょうも、病院の枠を超えた活動をわたしたちにみせてくれるにちがいない。浦田さんの活躍はこれからも続きます。

~この記事を書いたのは~

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みはしさき
看護師ライター/メンタル本大賞ライター
1988年5月18日生まれ。沖縄県出身。都内で夫と二人暮らし。精神科の看護師をしながら舞台ダンサーやフードコーディネーターとして活動する。現在はクリニックに勤めながら「楽しい努力」で慌ただしい人生を生き抜く方法を模索中。ツイッターやブログでは東京での生活や美術展、料理など日々思うことを綴っている。趣味は読書と美術鑑賞。おいしいごはんが大好き。

Twitter:@satsulow
みはしのおと:https://www.satsulow.site/
メンタル本大賞:https://mentalbon.jp/

ナースライフバランスでは、 SNSを活用したオンラインサロン、各種イベント、情報など通して 看護師としてのいろんな働き方やプライベートを充実させるための情報や活動を通して1人でも多くの看護師が「自分らしさを」大切に、 自由で面白いナースライフを過ごせる世の中を目指します。