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性的マイノリティに関する私の考え

性的マイノリティとはレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの方々の総称として使われており、「セクシャルマイノリティ」「性的少数派」とも呼ばれています。「異性を好きになるのが普通」や「心と体の性別が異なることはない、性のあり方は男と女だけである」という考え方の人が多い社会から見て少数派であるという意味であり、最近では

レズ(Lesbian)
ゲイ(Gay)
バイセクシャル(Bisexual)
トランスジェンダー(Transgender)

のアルファベットの頭文字をとってL G B Tとも呼ばれています。
株式会社L G B T総合研究所が行った「L G B T意識行動調査2016」の【ご自身のセクシュアリティについて】のインターネット調査によると、性的マイノリティの割合は8.0%という結果も出ており、学校・職場・地域など様々な場所で一緒に生活をしていることが分かります。 
私自身、高校時代に後輩Aさんからゲイであることや、後輩Bさんからはトランスジェンダーであることをカミングアウトされた経験があります。初めてカミングアウトされたときは驚きましが、性的マイノリティの方々に出会っても心の性や誰を好きになるのかは外見だけでは分からないことに気づくとともに、「カミングアウトしたら嫌われるかもしれない」「気持ち悪いと思われるかもしれない」「避けられるようになってしまうかもしれない」といった不安を抱きながらも私にカミングアウトしてくれたことに対して嬉しくなった記憶があります。
 しかし、世間一般では「自分の周りにはいない、会ったことが無い」といった声をよく聞きます。実際はサイレントマイノリティの方が多くカミングアウトしていないだけですが、このような誤った思い込みが当事者の方々にとって様々な困難につながっていることと考えられます。また、おかま・おなべ・オネエ・ホモ・レズ・ゲイなど差別用語が学校現場でも子どもたちの口から当たり前のように使われているようになっていたり、カミングアウトすることによって周囲の人から嫌がられたり、避けられたりするのではないかと恐れ、誰にも相談できなかったり、家族にも自分が性的マイノリティであることを隠して暮らしている場合があったりなどの現状は、老若男女世代を問わず見られています。
このような背景には性的マイノリティについての知識を得る機会が少ないことが影響していると考えられます。ReBit出張授業の教育効果調査報告によると、「セクシャルマイノリティの講師らが多様な性に関する授業を実施することは、子どもたちに正しい知識を伝えるだけでなく、多様な性に関する価値観や態度が受容的になり、人権感覚を向上させる効果があることが分かりました」と述べられており、若いうちから多様な人や情報と出会う機会が大切であることが分かりました。そのため、性的マイノリティの方々が住みやすい社会を作るために、①専門家や当事者から話を聞く、講習会・講演会を体育館等で開催するなど、性的指向・性自認に関する知識を持つ機会を設け多様な性について知る、②身の回りの習慣や常識となっている考え方を今一度点検し、性的指向及び性自認に関する差別やハラスメントにつながるものはないか、見直しが必要なものはないか考え、習慣・常識を変える、③学校内で性的指向・性自認に関する知識を持つ理解者を増やすために性的マイノリティに関する授業を取り入れるとともに、理解者に対して「理解者、支援者」であることを目に見える形で行動することによって当事者の方々への応援の姿勢やメッセージにつながることを知らせ、家族・学校・職場の中で当事者が「自分の居場所がある」と実感できる機会を増やしていくことが大切であると考えられます。
 また、理解ある生徒を育成するだけでは、社会に出て活躍する際に、自分自身の多様な性に対する意識と社会全体が持つ多様な性に関する意識との差によるギャップで、生きづらさや困難を抱える可能性があることも予想されます。そうならないためにも国や地方自治体などの行政機関及び他職種の方々などと協力しながら学校を中心として大人にも多様な性があることを伝え、多様な性の理解を深めることが大切であると考えられます。
 現在、一部地域をのぞき世界各国で性的マイノリティに関する理解が深まってきています。我々一個人も全てを理解することは難しいのかもしれませんが可能な限り性的マイノリティに関する“正しい”知識を身につけ、悩みや不安を抱える方々の良き理解者となれるよう努めていくことが必要不可欠であると考えます。

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