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血圧上昇のメカニズム(レニン・アンギオテンシン・アルドステロオン系)

今回は看護学生の多くが苦手だなと思うであろう血圧上昇のメカニズム(レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系)について解説していこうと思います。

循環血液量低下や血圧低下に伴って腎血液量が低下すると、血圧の低下を腎臓が検知する。これが刺激となって腎臓にある傍糸球体装置の顆粒細胞からレニンが分泌される。このレニンは、肝臓由来の血中アンギオテンシノーゲンを分解(活性化)してアンギオテンシンⅠに変換する。アンギオテンシンⅠはさらに、肺毛細血管内皮細胞に存在するACE(アンギオテンシン変換酵素)の働きを受けてアンギオテンシンⅡに変換される。アンギオテンシンⅡは全身の血管平滑筋に存在するAT受容体に作用して血管を収縮させる。さらに、副腎皮質にも作用してアルドステロン分泌を促進。アルドステロンは尿細管に作用してNa+の再吸収を促進するため、浸透圧が上昇する。これを薄めるために水の再吸収が促され、循環血液量も増加する(水の再吸収を促進するのはバソプレシン)。その結果血圧が上昇するのである。血圧上昇後にはレニンの分泌は抑制され、この系の働きは低下する。このようにして、血圧の恒常性は維持される。

と考えると色々なことに結びついてきます。

例えば、COPDや肺がんなどで肺機能が低下している人の血圧が上昇しにくくなってしまう理由も簡単に説明がつきます。肺機能が低下してしまったからACEの分泌量が低下し、血圧が上がらなくなってしまうんです。

ということは、このシステムを抑制する薬剤が開発できたら、非常に強力な降圧薬となるわけです。最初に ACE 阻害薬が開発されました。その後アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、アルドステロン阻害薬が登場し、最近ではレニン阻害薬も登場しています。

以上が血圧の上昇についての解説でした。

字が汚くてごめんね!

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