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シリーズ第3話 看護師が書く 日本の医療危機 ~社会保険方式と税方式~

前回は社会保険って、かなり素敵な保険だと説明しました。
しかし、その社会保険のお金が賄えなくなってきている…と。
心配ですよね。

前にいった通り
みんなで、会社で保険料を出し合っているわけなのですが、

実は、日本の社会保険って、
みんなや会社が払った保険料だけでは賄えないので、
足りない分を、もともと税金で補っているんです。

つまり「年間10万円で、この先10年間、
加入しておけば、もしも死亡しても1000万円」
という保険商品で
10人から年間10万円ずつ=100万円集め、
保険会社には10年間で1000万貯まる。
でも結局、10年間で2人、亡くなり、2000万円支払いました。
といったら足りない!! ですよね?

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これは赤字なので、1000万円は税金から払いました。
と、いうことが行われているのです。

これを、国際社会のルールで、
社会保険方式+税方式
という方法に名づけられています。

社会保険方式というのは今まで話した
みんなから集めた保険料で賄う方式。

税方式は税金で病院を運営するイメージ。
ちなみにイギリスは税方式で、税金だけで賄っています。
なので病院にかかるときは原則無料です。
(※実際、処方箋1000円くらいはかかる)
ただし、みんなやたらに病院に行くので、
ココ!と決めた、かかりつけ医にしか診てもらえない
=病院を選べないデメリットも。
(参考 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/71459

一方、アメリカは
国としては保険も、税金もありません。
医療はお金に余裕のある民間で入りたい人が入る保険で賄われ、
医療に格差が生じているのは有名です。
※オバマケア以降は公的保険もあります↓参考URL
https://www.med.or.jp/people/info/kaifo/compare/

つまり、日本が
「社会保険方式+税方式」とされるのは、

入りたい人だけ保険に入るアメリカと違って、
みんなで「社会保険」に加入するものの、
その支払われた保険料だけで賄ってきたわけではなく
足りない一部をイギリスのように税金で賄っている
から、です。

なんで税金に手を出さなきゃいけないの?
答えは単純に、みんなから集めただけでは足りないから
なのです。
みんなで集めた保険料より、
たくさん人が病院にかかって
集めたお金だけでは対応できないという状態
なんです。

心配ですよね。
でも…長くなるので続きはまた次回に。

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