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山添村/奈良市、二拠点生活始めました。

山添村とは?

ご報告遅くなりました。
このたび、わたくし安達は、山添村と奈良市の二拠点生活を始めました。
なぜ山添村?そしてなぜ二拠点生活?

山添村、どこ?そこ?奈良県民でも知らない人がいる。「山添-やまぞえ-」という名前から察するにどうやら山が近そうである。どこだ、山添村。

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こう見ると、山添村云々よりも、奈良市が変な形で東にせり出している方に目が行ってしまう。明らかに合併のあと。そんな周辺の合併ブームに乗ることなく、(色々あったけど)独自路線を行くことになった山添村。奈良市とはお隣同士。村役場から奈良市の中心部には車で約40分程度、名張や伊賀までは約15分程度で行ける。村の中心には名阪国道(天理-亀山間、無料!)が通り、名古屋や大阪までもプイーっと1時間半で行ける。村でありながらアクセスが異様にいい、これが山添村の個人的イチオシポイントである。

二拠点生活してみよう

さてと。そもそもなぜ二拠点生活なのか。奈良市に住んでるんだしそれでいいじゃないか。更に言うと独り身である。家は2つもいらない。
遡ること2年。2020年、世界は突如コロナ禍に包まれた。奈良でフリーランスを始めて6年、一気に仕事がなくなった。この先どれだけ待てば元のように仕事がもらえるのか、待てば戻るのか、待っても戻らないのか。
――私は生きていけるのか。
私は普段、デザインやガイドなどの仕事をしている。働くことにより、対価をもらい、そのお金で食料を買い、生かしていただいている。
生きるとは、食べて寝て日々を暮らすこと。私の仕事では、直接自分自身を生かすことができない。暮らす、生きる、ということをもう一度考えてみた。

考えた結果、単純ではあるが「自給自足」という文字が浮かんだ。ただ、私は新興住宅地育ち、その後の東京生活を経ての奈良である。土いじりなんてしたことはない。貧弱な、町の子である。
それでも、もしもの時のために食糧を貯めておけたり、簡単な畑ができたりするような場所があればいいなと思った。そして、そういう場所は町にはなく田舎にある。おや、自分は田舎に引っ越すのか?

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そんなとき、運よく友人から連絡をもらった。
「今住んでいる僕の家、欲しい人いない?」
この先自分がどんな生活をしていくのか、全く想像もついていない中、その家へと向かった。友人家族が暮らし、自分たちでリノベーションをした一軒家。一人暮らしをするには明らかに大きすぎる家、それでも何か惹かれるものがありたびたび訪れた。何度目かの帰り際、見上げた夜空には満天の星が光っていた。そういえば小学生の頃、星を見るのが好きだった。そんなことを思い出した夜だった。
その家は山添村にあった。

2か月間悩んだ。その間浮き沈みがあり、何度か断ろうともした。それでも結局、「買うことにします」と電話を入れていた。
自分でも完全に想定外の出来事だった。

家は買う、では生活は?
デザインの仕事は場所を問わずできるものの、打合せやガイドの仕事などがあるのはやはり奈良市内が圧倒的に多い。完全に村に隠居するわけにもいかない。
それじゃあということで、奈良市のアパートは寝部屋としてキープしつつ、山添村で暮らすことにした。一瞬、贅沢そうに聞こえるかもしれないが、奈良市のアパートの賃料も、山添村の家の購入費も、どちらも驚くほど安い。コロナ禍で収入が激減した私でも選択できた生活スタイルである。奈良、バンザイ。

山添村生活はじまりはじまり

かくして私は山添村へと引っ越した。ありがたいことにご近所さんはいい人ばかり。時々、野菜もいただく。これがまた美味しい。
残念ながら自分で畑を耕せてはいない。畑は確保した。でもなかなかそちらまで手が回らない。っていうか、草刈りで手いっぱい。なんでこんなに草伸びるんだ!「今年の草は特によく伸びる」ご近所さんも知り合いも、なぜか口を揃えてそんなことを言う。違いの判る人たちだ。草刈りがうまい人を「カッコイイ!」と思うようにもなった。草刈り名人はモテるに違いない。

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価値観が急速に変わっていく。生活も変わっていく。朝、きも~ち早起きにもなった気がするし、不便なことも楽しい。
奈良市内にはしょっちゅう行っている。ほぼ毎日のように往復しているかもしれない。移動時間はかかるが、それも苦ではない。山添で寝たり、奈良で寝たり。引っ越してしばらく経つのに一向に落ち着かない。毎日着替えを持って車を走らせている。このあと数日の予定を見て、今回は何日分着替えが必要なのか、どのタイミングで山添に帰るのか、日々そんな計算をしている。そのせいか、なんだか最近忙しい。

山添の生活自体も新鮮だが、やはり「マイホーム」とやらを持てたことも楽しい。通常、家を買うためにはローンを組む。賃貸に住んでいても月々の支払いがある。今回の場合、家の購入代金はATMで一括振込だった。今後は毎年払う固定資産税と光熱費だけ支払えばいい。(もちろん奈良のアパート代はかかるが。)
更に言うと、今年度から山添村では「移住定住促進事業補助金」が出るようになった。条件にもよるが、私は50万円いただいた。ラッキー♪
家が安いというのは他にもいいことがある。家が安い分、家具やリフォームにお金がかけられるのだ。私の場合、村からいただいた50万円はリフォーム代に充て、家具はアンティークショップを巡って照明や食器棚など気に入ったものを買い集めている。家を買うこと自体が大きなオモチャを手に入れたような感覚で、どうやってこのオモチャを自分仕様にカスタムしようかとウキウキしている。そしてそのウキウキには際限がない。

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無計画な今後

悩みはしたが、ほぼ勢いで家を買った。いまだに自分でも「なんで山添に住んでいるんだろう」と思う。よくわからない。それでも面白いからいいかなとも思う。
人生、思い通りに行かないから楽しい。「家を買った方が、この先の人生が(今まで以上に)更に読めなくなるからいいな」と思って買った。奈良市の生活でも十分に満足である。ただ、だからこその山添なのかもしれない。奈良での生活に満足しているがゆえに、どうなるかわからない、いい意味での不安材料としての山添生活が人生に奥行きを与えてくれる気がした。
完全に無計画である。今後、結婚するかもしれない。子供ができるかもしれない。逆にプライベートは充実しないのに、仕事で大成功して村で生活している場合じゃなくなるかもしれない。この先のことはわからない。
それでも、そうなったらその時考えればいい。きっと人生何とかなる。
自分から変な方角に舵を切ったことで、すでにいろいろな変化が起きている。仕事が増えた。知り合いも増えた。いばらの道とは言わないが、ちょっと面倒な生き方をした方が、どうやら自分にとっては刺激があり楽しいようである。その面倒な摩擦があるからこそ新しい何かが生まれるはず。つるんつるんの人生じゃ、生まれるものも生まれない。

そんなこんなで、山添村/奈良市の二拠点生活始めました。隣り合う村と町で二拠点とは改めて意味が分からないが、こうやって暮らしている人もいるのである。面白おかしく見守っていただきたい。

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