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【in my book_#12】 村田沙耶香 『コンビニ人間』
「コンビニ人間」。。。便利に利用される人のことかと思いきや、違った。
幼少期より独特の感性を持つサイコパスな主人公が、現代を象徴するシステム化された仕事「コンビニ店員」であるときだけ、他人と「普通」であることを実感して生きていける。という内容だ。
描写も細かく、場面を想像しながら読んでいた。
淡々と情景描写される中で、ときおり出現する主人公のサイコパス的な文面に残酷さにも似た存在感があった。
36歳未婚女性を主人公にすることで、社会問題にも接するような設定にしていて、登場人物や仕事の人間関係など、読者に身近な話題を組み込み、世界観に引き込む要素が満載だった。
このような作品が芥川賞を受賞したということは、世の中にはこうした職場環境に共感して、人生を思う人が多いということである。
女性の結婚、出産、夫婦、恋愛、などの話題にしっかりと触れながら主人公の物語は進んでゆく。
サイコパス視点で一貫してぶれない「普通でない私」が、コンビニで培った「普通」という価値観を武器に、現代社会で生き抜く姿は、もはや器用な処世術のように感じられた。
読みやすく、おもしろいので、興味がある方は一読をオススメします。
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