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『天龍院亜希子の日記』安壇美緒

📖あらすじ📖
人材派遣会社に勤める田町譲は、元野球少年の27歳。問題だらけの職場で奮闘しつつも報われず、恋人とも煮えきらない。惰性的な日々を送る彼は、ひょんなことから小学校の同級生「天龍院亜希子」のブログを見つける。派手な名前とは裏腹に地味な女の子だった彼女のブログに綴られていたこととは―。20代、30代の姿をありありと描く、希望へ向かう長編。第30回小説すばる新人賞受賞作。─BOOKデータベースより



📖感想📖
淡々とどこにでもある光景や悩みが描かれており、働くってストレスが本当に溜まるよね、と思いながら、心の支えであるカレンダーのアプリを開いた。
今週働けば友達とランチ。
来週働けば友達と彼氏探しの街コン。
再来週働けば気になるコスメの発売日で…
週末にぎっしりと詰まっている予定が本書でいう先輩のジャニーズのDVDや天龍院亜希子の日記、野球選手のマサオカと同じで心の支えだ。
あの柱まで、次はあの柱まで…それが働くということ。
でも労働には楽しみや発散させるものがないと本当に成り立たない。
特別なことは何も起きませんが、なんだか染みるお話でした。
何一つ特別じゃない毎日の中の、呆れた希望。


『天龍院亜希子の日記』安壇美緒

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