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「洋裁」をやったことがない方へ、Tシャツの縫い方を説明してみます

                    by   シロート

うまくわかっていただけるかどうか、どきどきですが、もしお時間がありましたら、コメントを書き込んでいただけると、またトライします。

まず本文の「流れ」を説明します。

①Tシャツを縫う時に「必要なもの」を説明します。それからなぜそうなのか、を説明します。

②次に実際の「作業」について説明します。

③私が気をつけていること、あんまり気にしないでいいことも、付け加えてできるだけたくさんの方が、興味をもってくださって、やってみたい、と思っていただけたら幸いです。

ただひとつ、はじめに残念なお知らせを申し上げておきますが、憧れのフランス料理のメインディッシュを作る場合と同様に、この通りにすれば売ってるものと同じようなものができる、ということではありません。

これは「工作」や「実験」です。つまり「家庭料理」なのです。目指しているのは、自分で好きな布地で自分の服を縫って着て、自分らしく生活するための技術の説明です。

誰かに褒められるとか、「すごい」と言ってもらえることはのぞみ薄です。ただ自分でじわじわと満足するだけです。

①材料と道具

材料の布地について説明します。

Tシャツは着る時に頭から着ます。その時に一瞬伸びて、着たらだらんと首周りに漂っていないで、顔の下で引き締まってほしいので、そういう伸びる布地で作ります。
布地の名前は「ジャージー」、「天竺ニット」とか「フライス」「鹿の子ニット」とかです。手芸屋さんやネットで買えます。

布地の幅はいろいろありますが、約110センチ幅のものが手に入れやすいと思います。必要な長さは体格やデザインによって違ってきます。

もし、いらないTシャツが手元にありましたら、縫ってあるところをハサミで切って、並べてみてください。パーツひとつひとつを5センチ位離すといいでしょう。110センチ幅の布地でしたら、110センチの幅の中に収めてみると、どのくらいの長さを買わなくてはいけないか、見当がつくと思います。少し余裕をもって買っておかれると、もし失敗しても立ち直りやすくなります。

次に必要な道具は、よく切れるハサミです。それから家庭用ジグザグ、直線縫い両用ミシン。または、直線ミシンとロックミシンなど。糸と針。あればアイロンとアイロン台。

a  ハサミについて説明します。

布地は紙を切るハサミでは、うまく切れないことがあります。紙を切ってしまうと切れ味が落ちるので区別します。「裁ちばさみ」という専用のハサミもありますが、はじめてやってみるなら、布が切れたらなんでもいいと思います。海外のyou tube の動画を見ると、大胆な作り方をしている人がいるので、驚くと同時に結構励みになります。

b  それからミシン。

これが高価なので、洋裁のハードルを上げています。ですが中古市場もあるようなので、メンテナンスのいいものなら、古くても役に立つと思います。

もし直線ミシンだけで縫うと、縫った布の端が、洗濯しているうちにばらけてくるので、切った布地の端を保護しなくてはなりません。

それには幾通りか、やり方がありますが、一番時間や費用がかからなくて効果があるのが、「直線、ジグザグ両用ミシン」一台で、「直線」で縫ったあと、「ジグザグ」にして端を処理する方法です。

それからもう一つは、ロックミシンという専用のミシンで、ミシンに付いたカッターで布地をカットしながら、同時に縫い合わせていく方法です。ロックミシンはかなり高価なので、洋裁を続けようと思った時に、考えるといいと思います。

c  「糸と針」について説明します。

ミシンの糸は、ミシンの針と連動しています。デニムを縫うにはその布地に適した針と糸が必要なように、薄い布にはそれ用の糸と針がいります。

でも普通に着るのに困らない程度の出来上がりを目指すのであれば、ミシンに付いている針と指示されている糸でいいと思います。

洋裁の本などでは、伸びる糸で縫うように説明されていますが、あまり使わないのであれば、#60(60番)くらいの普通の糸でいいと思います。伸びない分、少し余裕をとります。

d  アイロンとアイロン台ですが、

出来上がりに神経質でなければ、なくてもできます。反対から言うと、きれいに仕上げるには必須です。縫うたびに伸ばさないように注意してアイロンすると、思いがけずきれいに仕上がります。

②次に作業について説明します。

A   「パターン」について

服の設計図は「型紙」「パターン」といいます。それについて基本的なことを書きます。

以下の説明は今回は不要です。急ぐ方は「裁断」まで飛ばしてください。

洋裁の本には「パターン」と呼ばれる紙が、分厚くはさまれています。これを剥がして利用するには、別に「ハトロン紙」という薄い紙が必要です。なぜなら洋裁の本のパターンは、いろいろな色の線が重なって印刷されているので、作る服のパターンをその中から探して、さらに自分のサイズにあったラインをなぞって、自分専用のパターンを作るために、ハトロン紙に写します。

B  「裁断」について

自分の着ているTシャツが気に入っているのなら、それを元に服の設計図、パターンを作ります。カレンダーの裏とか、包装紙の裏の白いところに広げて、鉛筆で形を写します。左右対称なので、縦半分サイズです。前と後ろ、袖の3パーツが必要です。

洋裁の本など借りられる方は、本のパターンを参考にしてもいいでしょう。伸びる布地で作る場合、織物で縫う場合と違って、かなりいい加減なパターンでも着られるものができますが、思い描いていたものとは違う場合が多いということは、心のどこかにしまっておいてください。織物の場合は、パターンがいい加減だと、そもそも体に入らないものが出来上がることもあります。

布地の上にパターンを並べて布を切ります。その時「縫い代」を幅に含めます。「縫い代」とは工作の「糊代」のようなものです。

横は1センチずつ、首まわりは2センチ、裾は5センチ、袖口は4センチなど、自分の好みで決めてください。

袖口のように、先端がすぼまった形の場合、折り返して裏になる部分は、逆に広がった形になり、縫い代が余分にいります。

ですからそこの部分は布を折り返して、その上にパターンを置いて二枚一緒に切ります。裾は広がった形なので、折り返す部分はすぼまった形になります。

C  「縫製」について

切った布地は、表を上にして置き、その上に縫い合わせる布を、裏を上にして置いて縫います。それぞれ内側が表になります。これを「中表(なかおもて)にして縫う」といいます。

はじめに両方の「肩」を縫います。持っている人は、「伸び止めテープ」というアイロン接着テープを、前の肩に貼っておきます。今回はじめての洋裁「実験」の場合は無視してください。

縫い代は1センチです。ミシンの台座に付いている目盛りを見ながら、ゆっくりと直線ミシン仕様で、縫ってください。慣れれば次第に早くできるようになります。

次にミシンの仕様によりますが、適宜「ジグザグ」機能に設定して、布端がバラけないように抑えるミシンをかけてください。

ここでアイロンをかけて、縫い代を後ろに倒すと仕上がりがきれいです。

次はそれを袖と縫い合わせます。肩に縫い合わせるところの、袖の縫い代の真ん中に、鉛筆で印をつけてください。そこと肩の縫い代を合わせます。ずれると縫いにくいので、文房具のクリップではさんでおくと、やりやすいと思います。

洋裁の先生からは叱られそうですが、ここからは我流反則技で縫います。袖の縫い代のほうが長くなりがちなので、袖を下にして前と後ろの布(身頃みごろ、といいます)を上に重ねて、中表にして縫います。

中心の袖の印と肩の縫い代を目指して、少しずつ様子を見ながら縫います。でも、どうしても袖側(下の布)が余るようなら、早めに身頃側をミシンから20センチくらい左手で持ち上げて、少し手前に引き気味にします。するとミシンの送り歯が下の布地を向こうに送るので、下になっている袖のほうが早く進みます。

真ん中でうまく印と合流できたら、もうこっちのものです。そんなふうにあと半分も縫います。うまくいかなかったら、糸をほどいてやり直してください。ここをクリアーするとうれしいものです。

ロックミシンを使って縫う場合は、ここまで直線ミシンは必要ありません。カットしながら同時に縫い合わせるので、作業が短縮できます。しかし袖つけに失敗したら、おしまいです。心配なときは、「しつけ糸」で仮縫いしてからロックミシンをかけてください。

D  「襟ぐり」の注意点について

Tシャツの最大の魅力は「襟ぐり」です。ここがシマラないと、だらしなく見えます。縫製工場では、専用の機械で別布で巻きます。今コチラは、エコなソーイングを目指しているので(そうだったんだ?)、初心者の方がちょこっとは「できた感」を感じていただきたいと思って説明しています。

襟ぐりの開き加減は、微妙なものがあるのですが、布地の伸び具合(テンション)と頭の大きさの関係がからんできます。こればかりは布地が変わると寸法も変わってくるのですが、今回は着られればOKということで、おおらかにいきましょう!

ここで注意点があるのですが、間違っても縫った襟あきに頭を突っ込んではいけない、ということを申し上げておきます。というのは、切りっぱなしの曲線のニット地は、とても伸びやすく編地が簡単に開いてしまい、ダランとなってしまいます。メジャーで頭囲と襟ぐりを測って比べると、だいたいわかるでしょう。

さて、その襟ですが、伸ばさないように気をつけて、布地の端にジグザグミシンかロックミシンをかけます。そして1センチの縫い代で裏に倒して、表から縫い止めます。

ここであると便利なのが、「アイロン定規」というものですが、簡単に作れます。少し硬めの布地を斜めに切って(バイヤスといいます)作るといいそうですが、一番簡単なのは、ストッキングの包装紙の中に入っている台紙を利用します。

これを5センチ角くらいに切って、線を引きます。1センチおきに引いておくと、縫い代の折線をアイロンで折る時に、きれいにできます。

布の裏側に置いて、端の布を折り返し、そこにアイロンをかけ、襟周りを1センチに折ります。そしてその上を直線ミシンで縫います。伸びる糸を持っている方は、ここで使うといいでしょう。裾や袖口も同様です。

なんだか、できたような気がするのは私だけでしょうか?何か大事なことを忘れているような、いないような。

襟ぐり、袖口、裾にアイロンをかけておくと、見栄えが一瞬よくなるかもしれません。

このへんで私の文章修行は終わりにしたいと思います。お付き合いくださいましてありがとうございます。









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