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名付け親は「暴れん坊将軍」

旬の時期は過ぎたが、天気がよいので自転車でのポタリングついでに、「小松菜」発祥の地に参った。東京都江戸川区の小松川地区。小松菜の名は、テレビの時代劇シリーズ「暴れん坊将軍」で知られる八代将軍、徳川吉宗が名付け親だった。

住宅地の中に、突然、鳥居と「小松菜の産土神」の立て看板が目に飛び込んできた。新小岩厄除香取神社。千葉県香取市の香取神社を総本社に、関東の江戸川、利根川流域には多数の香取神社があるが、その一つ。

時は400年あまり前、享保4年(1719年間)。「享保の改革」で知られる世が始まって間もないころのことだ。「鷹将軍」との異名もあるぐらい鷹狩りが好きだった吉宗が、湿地帯が多く、好狩場だったこの地を訪れた際、食事と休憩の場に選んだのがこの神社。接待した神主が餅のすまし汁に彩りとして、地元産の青菜を添えたところ、吉宗がたいそう気に入り、その当たりの地名から「小松菜」と名付けたとの逸話が残る。吉宗は何度もこの地を訪れ、いつもお土産として「小松菜」が地元から献上されたそうだ。神社境内にも「小松菜産土神」の立派な石碑と、説明板が立っている。

関東を代表する冬の野菜で、丸みを帯びた葉が特徴的。うちでは、定番のおひたしとか、炒め物かな。元々は、これまた地名にちなんで「葛西菜」と呼ばれていたものが品種改良で、この形になったらしい。香取神社の神様も「たくさん食べよう」と呼び掛けている(ポスターが貼ってあった)。

吉宗を接待した神主、亀井和泉守永範の屋敷跡が神社の直ぐそばにあって、「小松菜屋敷」として知られている。実は神主の子孫とみられる亀井さんという方が住んでおられる民家のようだが、

説明書によると、邸内には亀井家の屋敷神、通称“小松菜さま”が祀られているとか。困ったことがあったら、「こまつ(た)な」と言って、小松菜を備えれば、願い事が叶うと言われているとの、見事な落ちまで付いている。

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