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わたしとメロンの話

ある日突然メロンが食べられなくなった。


2017年2月、SLEとわかった年で、症状が出る前の話だ。

わたしはあまり果物は好きじゃないんだけど、メロンだけは大好きで、その日は伯母が何か食べさせてくれるという。わたしはクソガキなので「タカノのメロンパフェ!!!」と即答して新宿に向かった。

いっや〜〜、さすがタカノというようなご立派なパフェに喜んでたくさん写真を撮ったと思う。

そして喜び勇んで口に運びはじめて、異変が起きた。


喉がイガイガする。

なんかおじさんみたいな声が出る。



………きっとアイスで喉が冷えたんだな!



人間というものは本当に認めたくない事実を目にした時、脳が受け入れを拒否するらしい。


明らかなアレルギー反応に対して、「喉が冷えたからだよ〜」と言い訳をして、パフェを最後まで食べ切った。


食べ終わった後もおじさんみたいな声は深まるばかり、伯母も明らかな異変を心配して、温かい紅茶を頼んでくれた。


あまりおじさんの声は直らなかったが解散して、帰りの電車で「もしかしてもうメロン食べられないのかな…」と塞ぎ込んだ。ここ数年で1番落ち込んだと思う。


帰宅後、伯母から「大丈夫?救急搬送されてない?」とLINEが来たが、喉がイガイガしておじさんみたいな声がする以外の症状は出なかった。


調べたところ、ひどい花粉症の人は口腔アレルギーという症状が出ることがあるらしく、その花粉に似たタンパク質を持つ果物に対してアレルギー反応が起こるのだという。

わたしはイネ科の花粉に対して口腔アレルギーが出ているらしく、他にもスイカや梅干やトマトに対して喉が反応した。


このアレルギー反応は重篤なものではなく、喉元を過ぎて食道にいってしまえば大丈夫らしいが、万が一喉が腫れ過ぎても怖いので一度イガイガを感じたらその食べ物は控えることにした。


この時1番ひどい反応が出たのがメロン。

次がトマト、スイカだった。


伯母は言った、

「最後のメロンがタカノで良かったじゃん!!」

わたしは力なく笑った……まじで悲しかった。


その年、SLEが発覚して免疫治療を始めた。


1年目、北海道旅行でもメロンは食べなかった。

2年目、メロンは見ないように生きた。

3年目、トマトが食べられることに気づいた。

そして4年目、気づいてしまった。口腔アレルギーが全く出なくなっていることに。



多分免疫治療の影響だと思うのだが、免疫が落ちていることで以前より花粉に反応しづらくなって、口腔アレルギーも出なくなったのかな……??


いやあ、それに気づいてからは心はもうずっとパーリナイで、今年は今まで空いてしまったメロンとの時間を埋めるかのように、メロンパフェを提供する店を見つけては戸を叩いた。

メロンって本当に美味しいですね。美しいし。

大好きです。

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たぶんSLEになって、免疫反応が強くなったから口腔アレルギーが出たんだと思うんだけど、免疫を弱くする治療をしてそれが治って、怪我の功名というやつなのでしょうか……


最後に大好きなメロンとわたし

このパフェ美味しかったなーー!!!

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