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IT系企業の社内システムは"Showcase"か?

WindowsNT開発責任者(だったっけ?)のデビッド・カトラーの言葉で

"Eat Your Own Dog Food" 「ドッグフードを食え」

「闘うプログラマー ビル・ゲイツの野望を担った男たち」

というフレーズがありました。 詳しくはこちらを、で、今この言葉を思い出しつつワタシの意見(気分)として

それでも、自分で使うものと他人に売るものは区別されるべき

と申し上げたい。//2021年1月時点

ITの会社の社内システムというのは、売り物につながる"Showcase" と位置付けるリーダー、責任者、経営者は多いのではないかと思います。//数と割合はわからないけど

システムを売る担当と買う担当は交わらない

ITの会社では作ってお客様に納める方のシステムと、自分で使う方のシステムは別物です。別物、というのは社内システム作ってる組織・部門(情シス)はお客様向けのシステム作ってる組織・部門とは違うということです。//ワタシのところも

そして、その「違う」部門間でノウハウとかメソッドとかツールとかが共有されることはないわけです。//お宅はどうか

自家用とお遣い物

会社では、買うものはできるだけ安くなければならないし、売るものはできるだけ高い利益率でなければならない。//それが会社ってもんです

そしてプライベートであっても、自分が使うもの、着る服、住む家、食べるもの、これらを選ぶ基準と、他人に贈るもの、売るもの、おもてなし、の考え方では違うと思うのです。

で、まず自家用のほう(社内システム)の話から

ある程度までの規模の会社、つまり一人情シスで賄える上限の範囲だと今ならAWSとかAzureとかGCPの上にちょいちょいっと全社に必要な分のシステム作ってしまえます。特に一人で裁量の範囲ということなら。今じゃあ相当な自動化もできますしね。

しかし、同じ情シスでも10人~100人~1,000人と会社によって規模は様々で、大きくなるほどに意思決定の単位が細分化され、出来上がってくるシステムもそれぞれ「個性のある」アーキテクチャになってきます。

こうなってから組織を俯瞰すると、なんとまあ無駄な「個性」の多いこと、と真面目で優秀な高学歴のCIOが改革に乗り出します。//CIO像が偏見か?!

そして、単一のクラウドサービス、共通のOS、コンテナ・オーケストレーション、データベースとかとか、いろいろ種類が少なくて共通・共用にしましょうってルールができたりして。で、財務的には全体の支出が下がるやつ。取り組む方も「〇〇百万円コスト削減しました!」って言ってボーナス査定も頂けるやつ。

真面目で優秀な人って秩序を好む傾向ありますよね。//偏見ですけど// 整然としたお姿がお好みで、法律みたいなルール(条文)が付いてくる。でも私は秩序(コスモス)より混沌(カオス)が好きなんだけどなあ、これに関しては。それに、ルールがやたらとできる組織は生きにくい。

一方、お遣い物のほうの話

グダグダな愚痴も交えて「自家用」(社内システム)の話をしましたが、ビジネスとして売上になる「お遣い物」と何が違うのか、何で違うのか。

「お遣い物」は、競業他社に勝つことが最優先事項です。

IT系企業というよりもSIの会社とかSIer(エスアイヤー)と呼ばれる会社のお客様というのは大抵、IT系とは業界が違います。つまり、常識と価値観が違います。

会社の中における情報システムの認知のされ方が全然違うんです。その状況でまずは競合を押しのけてコンペに勝たないと話になりません。自分の会社と比べても、何が正義なのかは正直わからないことの方が多い。

なので、IT系企業での「自家用」の作り方も、使い方も参考にしてはいけない。そして、「お遣い物」のコンセプトを社内に迂闊に持ってきてはいけない。//とおもうのです

例えば、業界によっては利用者全員がしゃべるようにキーボード打てるなんてありえないですし、かつてはクリックとダブルクリックの違いが分からないユーザーなんて普通にました。一方現代ではスマホのフリップ入力はできてもキーボード入力ができません、という若者も珍しくないです。

そんな(主観的に)価値観不明のお客様に提案を採用してもらうには、お客様のお好みの、お安くて他社に自慢できるいいモノと思ってもらわないと勝てません。売れません。生き残れません。そこで、、

自分の会社の御都合てんこ盛りな "Showcase" お勧めしますかね? 

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