詩/ミディアムポエム:廃墟

百階建ての廃墟のような
百階建ての

残念から産まれた
しかたのない
者です
石膏の粉をまき
うみくさの息を絞めた
この空洞です
ときどきは
なにか訪う者もありますが
それは
優しいような寂しいような
嘘、です
ひっそりとした階段だったり
屋根裏だったりするのです

おとなしい蜘蛛が
目だけで会釈をしています

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