詩:てんせん

にくたいも れいこんも
なんだろう点線みたいだから
ボンドでごまかすように
絲にすることがある
いびきとむこきゅうの枕も
ほぐしてほぐして
ぼくら編み物になるために
よって のばして

ぎんがけいのかぞくしゃしんも
くっついて光の束にする
ぼくらもいつかは
それを観測していようね
ていがくねんの声をどこか
おいてきたから
ひとつだけ度数のたかい
せきばらいをして

風も立てずに
カーテンがひるがえり

どうも
よふかしのお偉いさんは
筆にあてられて
ほんとに夜かもわからない
まどむこうに てんびょう絵をかいているみたい
そのうつくしい牢獄へのきろが
ふわりとした海づらのほうがくから
鞭毛みたいに
ほのめくことがある

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