五行詩 三篇

「なまやけ」
生焼けのからだから
しずかな肉汁がのびる
水平線の、感情線の、
遊覧船のきれ味はどうだろう
なんてことない観察日記だよ

「ミミズ」
ミミズに任せてみようと思う
何匹か砂抜きをして
しつこい根づまりに放る
小粒の光がみえて安心した
胃が元気に溶かしている

「よごれ」
泥はひたいの隘路へあいろへ
そしてあいろの支流へしりゅうへ
しりゅう状沸石のこどもたちの
すべり台ののぼりかたは
虫様筋にコツがあるようだ


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