詩:イガラ岩

喉に貼り付くイガラ岩があり
それは
瞳の膜にもぐるようでもあり
空に点描を打つようでもある
それはまた
岩が破れるような強い音であり
岩が崩れる刹那に弾ける火花であり
岩が永遠の方角へすじ撒きをする
ひかりの小さな種でもある

わたしは
わたしたちを覆う
砂ぼこりの一粒のなかに
土踏まずを昇る
砂つぶのちいさな爪のなかに
いつか思い出してしまうだろう
瞳を区切る鳥たちの影があり
声をなくすほどの逆光のゆらめきがあり
なれの果ての途上があり
太陽はどこかイガラ岩に似ていた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?