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あんただけは幸せになるんだよ

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    エッセイや、自分の作品を解説するセルフライナーノーツなど。

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『星のあめ』

 今夜もきっと星がふるよ  空からいっぱいおちてくるよ  夜空をじっと見てごらん  いっぱいいっぱいおちてくるよ  胸の炎をぼうぼうと  燃やしたまんまおちてくるよ  こぼれた涙の宝石を  きらきらさせておちてくるよ  渇いたのどをひゅうひゅうと  鳴らしながらおちてくるよ  そのうちみんな冷たくなって  硬くなっておちてくるよ  今夜もきっと星がふるよ  いっぱいいっぱいおちてくるよ  あんなにたくさんいるのにね  みんなひとりでおちてくるよ

    • 『ノイズ』

      窓を叩く雨風のように 壊れてしまったイヤホンのように 優しいも苦しいも全部全部 遮られた ノイズの夜 痒いまま手が届かず もう爆破するしかなくなって そうやってはじめて笑えたものを どう 幸せと思い込もうか 痛みは煩い 憂いは遠い 見たままを話す貴方でいて 汚れものを素手で掴めないのは まだ 命として話したくないから 聴き逃したものは多い 知らない人達がみんな黙ったらいい どんな朝日が差し込もうと この涙は 嘘になれない 届かない声は ひとつもないかのようで

      • 生きることは生きることの目的にはなり得ない

        • 山椒の/小さな袋を/溜め込んで/忘れられては/腐りもできず

        • 固定された記事

        『星のあめ』

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        記事

          『知らない』

          誰も知らない場所で 誰にも見られず咲いている花は きっとまだ美しくも醜くもなくて 訳もなくそこに在って 時々、私は それがたまらなく嬉しいのです

          『知らない』

          『生活』

          温めたばかりのコンビニのパスタを 床に全部ひっくり返した 油が多いから拭くのに苦労した 涙は出なかった つい、期待をしてしまった たったそれだけのこと きっと全ては これの繰り返しなんだと思った 自分の手で用意したものを 自分の手で失って 全てのコストを払って手に入れた この喪失感をなんと なんと呼べば 嗚呼、もう少しだけ 楽に息ができたら 本能に釣られただけの一歩に 希望を乗せるな 最初で最後のよろこびは 産まれたその瞬間に終わった

          『生活』

          生乾きのタオルは枝豆みたいな匂いだけど、枝豆を「生乾きのタオルみたい」と思うことはあんまり無くて助かってる

          生乾きのタオルは枝豆みたいな匂いだけど、枝豆を「生乾きのタオルみたい」と思うことはあんまり無くて助かってる

          夕陽は一番思い出に近い発色

          夕陽は一番思い出に近い発色

          みんなのことを平等にちょっとずつ嫌いです、もしあなたもそうなら、多分、ぼくたちは仲良くなれる

          みんなのことを平等にちょっとずつ嫌いです、もしあなたもそうなら、多分、ぼくたちは仲良くなれる

          物理的な自分の体に愛着を持てずにここまで来てしまったのです嗚呼自分が他人の目には形ある物体として映っていることがこの上なく煩わしいのです

          物理的な自分の体に愛着を持てずにここまで来てしまったのです嗚呼自分が他人の目には形ある物体として映っていることがこの上なく煩わしいのです

          『ノイズゲート』

          あの星を見つめるには この街は 少し明るすぎたね レンズの向こう たったひとつ 触れない程の彼方から 一筋の祈りが差したとして 霞まない光が笑ったとして 汚れ切った網膜の上 美しく描けるか 砂に刺され 雨風に吹かれ 鏡面は既に粗くこそがれ 燃えさかる命の姿すら 16:9の影絵の中 わたしは どうすればよかったんだろうね 温もりも 眩しさも全部 都会色にくり抜かれてしまって

          『ノイズゲート』

          『微動』

          ここから出ていく その日のことを思っている 消えかかったまま  しつこく燃え残っている いずれこの火が この街のすべてを燃やすと知っている 今笑っていたって その日は来ると知っている シャッターの向こう 重たい風が泣いている 口を閉じて その日のことを思っている

          『微動』

          『四時のループアウト』

          痛みの中に待っているものに、どれほどの価値があるというのだろう、何かを失ったから手に入れたものに愛おしさなんて初めから無くて、捨ててしまえるくらいの重さも無くて、入れ違いのような別れだけがこの手のひらにむず痒く残された、命がある限り視界は濁っていく、理解は曇っていく、キャタピラのような悪意をあなたは見つめられますか?完全なる不完全がそこにあると聞いてからも、忘れていくことを、あれを、美しい波音だと言えますか?笑えるうちに笑った方がいいから笑ったあなたのえぐぼが憎い朝、窓から差

          『四時のループアウト』

          人は案外他人をあっさり忘れられる

          人は案外他人をあっさり忘れられる

          自分が自分であることに自分で耐えられない

          自分が自分であることに自分で耐えられない

          コミュニティが平和でいられるのは小規模なうちだけ

          コミュニティが平和でいられるのは小規模なうちだけ