"私らしさ””強み”とは何か?

"私らしく生きたい”と、物心ついた時からずっと思っていたわけではない。常に自分に自信がなく、周りと比べては「私は個性がないな。」「私はあの人より強みと言えるところがないな」そんなことばかりいつも考えていた。

仕事の上では、上司面談などをすると必ず「自分の強みを伸ばして仕事をしてほしい。」という言葉を耳がタコになるくらい聞いてきた。そのたびに、「私の強みって何?」と考えてはドツボにはまり、周りと比べて出来ない自分にまた落ち込んだりしていた。このプロセスが嫌すぎて、面談するのが面倒だったくらいだ。

これは私に限ったことではないと思っている。特に印象に残っていることが、仕事上で、新入社員や若手メンバーの研修やキャリア面談を受け持っていた時のこと。決まってこの4月末の時期になるとメンバーからのお悩み相談が増えるのだ。入社から数週間がたってきたころ、決まって彼ら彼女たちは「私には強みがありません。自分は強みと思っていたけど、そうでもなかったようです。」そう言って相談に来るのだ。何人もが。彼ら彼女たちは、いくつもの難しい試験や面接を突破し、会社を選び選ばれ、新社会人としてスタートを切ったはずなのに、わずかの期間で一気に自信を無くしてしまうのだ。いや、これは新入社員や若手に限ったことでもない。もっとキャリアを積んだ人であっても、実は自分に自信がなかったり強みを見失っていることもしばしば見受けられる。

自分に自信がなかった当時の私にしてみたら、この気持ちは正直とても共感ができる。「そりゃそうだよね、わかるわかる」と。一方で今は、共感はすれど「そりゃそうだよね」とは返してはいない。キャリアコンサルタントとしての勉強や経験を積んでいく中で、そして大きいのが自分自身の癌経験を通じて、この考えは大きく変わっていったからだ。

今私が強く思っていること。それは、”強みとは他人と比べる必要はない” ”自分が好きなこと、得意なことに心を傾けみる”ということだ。強みとは、あくまで自分自身においての、得意・不得意、興味関心に関することの強弱であり、その土俵には自分以外の登場人物はいらないのだ。もちろん、他人と比較をすることで絶対的な自分の価値が明らかになるという人もいるし、2人のうちどちらか1人だけ採用するという時などに比べられることはあるだろう。しかし、自分の中で消化するときには、自分だけが主役になって自分の思うままに自分自身を信じることが大切なんだと思っている。(あくまで私の意見ですが。。。)

シンプルに考えるととても簡単そうに聞こえる。でも実際に、生活をするうえで誰かと全く比べないということは難しい。私ももちろん誰かと自分を比べて一喜一憂することもあれば、プラスのモチベーションが働くこともある。ただ、一つ心がけているのは、常に周りとの比較で判断をしないということ。そして何かの物事を決めるときには、最後には自分を信じて決めること。

こういうことが、病気や不妊の経験を通じて少しずつ少しづつわかるようになっていった。たまには考え込むこともあるけれど、そういう時には思いっきり”自分中心”で考えようと思っている。


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