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スイビジャガードのあれこれ

こんにちは、ぐちです。

今回はカットソージャガードの紹介(スイビジャガード編)です。

まず、スイビとは何か?からの簡単なご説明。スイビとは、水ビと書きます。水ビとは、水溶性ビニロンの略でございます。

水溶性ビニロンって何かといいますと、水に溶ける性質のビニロン素材で、書いて字のごとく、生地の加工時に溶けて無くなる糸のこと。         弱い糸の補強に使ったり、甘撚りのS撚り糸にZ撚りの糸として水ビの糸を撚り合わせることによって加工時に水ビの糸が溶けて、風合いの良い生地が作れたりします。

さて、その水ビの糸を柄を組むように使って、加工すると、どうなるでしょう?

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答えは溶けた部分の穴が開く!でした。                      最初にこんな糸の使い方をひらめいた人は一体何を考えていたのでしょうか

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糸を柄の様に配置していくとパターンメッシュめいた生地が作れます。

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 ウールの糸x水ビの糸で作ると、穴は空くし、縮絨はするしで、独特の風合いの生地を作れたりします。

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接結やダブルメッシュの、片面だけに水ビを使うと、穴が空いた部分から裏面の生地が覗いてきます。

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裏面でボーダーを組んで、表面に水ビで穴を開けると裏側のボーダーが顔を覗かせたりで、アイデア次第でいろいろな表現ができます。

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シャギー糸と組み合わせてダメージ加工の様な見せ方をしたり、

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細かく柄を作っていくことも可能です。ただ、最終的に柄がどの様な見え方で出てくるかは、糸が溶けてセットまで終わらないとわからないので、結構偶然の産物的に生まれる柄もあったりします。

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穴が空くとその部分が歪んで来るので、上の画像のように均等ピッチのボーダーに要所要所で水ビで穴をあけると、それだけでインパクトの有る生地が作れて面白いです。                           注意点としましては、空いてしまった穴の周りの物性がとても弱いので、ドアノブとかに引っ掛けてしまうとそれで終わりなので気を付けたいのと、   どうしてもパンキッシュな見え方な生地になってしまうので、趣味嗜好が違うと中々お目にかかれないっていうのがありますが、今年の秋冬は何回目かのグランジブームが来るとか来ないとか。

ボロボロのモヘアカーディガンを今の形で新品で欲しいという矛盾に応えてくれる素材、それがスイビジャガードなのです。

ではでは、次回もマニアックなジャガードを紹介させていただければと思います!


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