【中小企業企業診断士試験対策】目標設定理論とは
目標設定理論とは、人間が内発的に動機づけられるためには、目標が非常に重要な要因であるとし、その目標の明瞭性と達成困難さに着目した理論です。
目標設定理論とは
目標設定理論とは、明確かつ適切な目標が人のモチベーションに及ぼす効果について着目した理論です。アメリカの心理学者である、エドウィン・ロック氏とカナダの心理学者ゲイリー・レイサム氏が、1960年に発表した論文で提唱されました。 論文のなかで両氏は5つの原則を定義しています。
目標設定理論の5つの原則
明確で具体的であること
ある程度の達成が困難であること
意欲的に取り組めるものであること
実現可能なものであること
適切なフィードバックがあること
明確で具体的であること
目標は曖昧ではいけません。より明確で具体的に設定する必要があります。数値化できるものは、必ず数値化し期限を設けることが重要です。
例
「売上アップを目指す」⇒「今期売上を昨年度実績より5%上乗せする」
このように、数値化し期限を設けることで「そのためにやるべきこと」も明確になります。数値化が難しい場合は、「目標達成した状態」を可能な限り具体的に言語化するとよいです。
ある程度の達成が困難であること
目標達成理論では、「困難な目標ほどモチベーションを高め、パフォーマンスが向上する」としています。高すぎる目標は逆効果となる場合がありま。反対に、簡単に達成できる目標であれば、必死に取り組むことはなくなります。 現状では達成困難だが、かなりの努力を要することで「なんとか手が届く」といった難易度の目標が適切です。
意欲的に取り組めるものであること
目標は「本気になり意欲的に取り組めるもの」であることも大切です。目標が上司から押し付けられたもので、本人が納得していない場合、意欲をもって取り組むことは難しくなります。この場合、本人の納得を引き出すためには、目標の意味や必要性を熱心に説く必要があります。 達成した状態が、本人にとって魅力的であることも、本気で取り組める大切な要素といえるでしょう。
実現可能なものであること
どう頑張っても達成が不可能な非現実的な目標は設定してはいけません。そもそも、不可能な目標に対して、本気で努力しようとする人はいないでしょう。 現状の保有スキルと、周囲の環境を考慮し、かなりの工夫と努力により達成が見込める、現実的な範囲の目標にしなくてはなりません。
適切なフィードバックがあること
フィードバックは目標達成理論において、もっとも重要なポイントです。明瞭化された目標を達成するには、達成度合いについてのフィードバックが得られる(達成度合いが認識できる)ことは当然に重要です。
定期的なフィードバックにより、達成度の進捗確認や達成に向けたアドバイスをおこないます。アドバイスは必要ですが、具体的な指示や強制にならないよう注意が必要です。親しみやすい雰囲気のなか質問を促し、相手から答えを引き出すようにすると理想的です。 こうしたフィードバックを繰り返すことで、常に上司と目標を共有している意識につながり、モチベーションの維持に効果を発揮します。
まとめ
目標設定理論は、昇給や昇進のような外発的な報酬が動機づけを高めるのではなく、目標が内発的な動機付けを高まる重要な要因であると考えます。
明瞭性が高くと適切な達成困難さを兼ね備えた目標は人間のモチベーションを高め維持することができます。
昨今は1on1が流行していますが、定期的な面談は目標に対する進捗を確認しあう絶好の場です。適切な目標設定と定期的なフィードバックを行い、従業員がモチベーションを高く保てる環境を整えることが重要です。
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