ムーンライトシャドウ

今日の昼に買った吉本ばななのキッチンに収録されているムーンライトシャドウを読みました。

友人に誕生日プレゼントを渡して、そしてその友人から誕生日プレゼントを貰って、その帰りに書店に寄った際に、私が大好きな小松菜奈主演で映画化されると聞いて、前々から読みたいと思っていたムーンライトシャドウが収録されている「キッチン」を買いました。
新潮文庫のプレミアムカバーで、サーモンピンクが可愛かったのも、友人がセンスのある誕生日プレゼントをくれてテンションが上がっていたのも、本を買う後押しをしてくれました。

小説が好きと自称しているのにお恥ずかしい話ですが吉本ばななの本を読むのは初めてでした。
ムーンライトシャドウ、短編なのにこんなにも最初から引き込まれて、切ない気持ちになったのは初めてです。

一番最初の文章からどことなく寂しいのは、過去形で書かれているからか、実は私が知らないだけで、人が読むと切なくなる言葉が書き連ねてあったのか。兎に角、最初からとても綺麗な文章でフィルムカメラで撮った様なノスタルジックな情景が目に浮かぶようで、朝焼けの匂いまで漂ってる気がして、鈴の音まで聞こえてきて、やっぱり文面だけで見たこともない世界を見ることができる小説の偉大さを再確認しました。

私は、恋愛という恋愛をしたことがないので、本気で人を大切に思って、好きになって、関係性を築いていくということが出来る人って凄いなと思います。周りが何も見えなくなったり、そのことしか考えられなくなるくらい大切な人ができるって、すごく素敵なことです。私にはまだそんな兆しは無いし、周りの友達が痴情の縺れを連発しているのを見ているので、彼氏が欲しいかと聞かれれば答えはノーだけど、この物語の登場人物を見ると人生に一度くらいそんな人が現れないかな〜と思えました。

ムーンライトシャドウを読みたいと思ったきっかけは、小松菜奈と宮沢氷魚が主演で映画化するという話を聞いてからでした。
小説は自由に登場人物を想像できるのが好しとしている人にとっては、外道だと評価されてしまいかねませんし、私もなんだかんだ情景を「自由に」想像できるのが楽しいので、この様なパターンは珍しいですが、この小説に関しては役者を知っていて損は無いかなと思います。
小松菜奈と宮沢氷魚が頭の中で動いてくれる最高の体験ができます。頭の中のどのシーンを切り取っても最高に綺麗。それだけで絵画に見える。

一番好きな本なに?って聞かれて、「キッチン」って答えてくれる人と付き合いたいと思います。安眠できそう。

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