2023年第38週マトメ

2023年第38週(09/18~09/24)の自分用まとめです。


読書

サミュエルソンかフリードマンか

サミュエルソンとフリードマンの対比列伝。
著者は英国出身の経済ジャーナリスト。
解説は日銀副総裁だった若田部さん。

60年代、JFKからジョンソン政権にかけて、「偉大な社会」の公約やベトナム戦争を背景にケインズ主義政策が全面開花。経済学界でもサミュエルソンの新古典派総合が定説となっていた。
そんな中、フリードマンがマネタリスト理論をひっさげて反逆を開始する。
時を同じくして、先進諸国はケインズ理論では説明困難な不況下の高インフレに悩まされはじめ……。

著者はフリードマンのマネタリズムには批判的。
ただし、批判のポイントは、「ボルカー時代のFRBでもサッチャー時代の英国でもマネタリズム政策は失敗だった」というもの。
若田部解説でも触れられているけれども、新古典派総合に取って代わって現代マクロ経済学が出現してきた脈絡が十分紹介されていないので、サミュエルソンに点が甘いように見える。

エピソード豊富なので読んでいて楽しい。
以下、個人的な問題関心別索引。

サミュエルソンのJFK評:14, 36

サミュエルソンは若い大統領を優柔不断だと思っていた。「人々はJFKを完全に誤解していた」と、サミュエルソンは回想している。「彼のことをさっそうとした決断力のあるタイプだと思っていた。彼は実際には、自分の前の氷は大丈夫かどうかいつも確認しているきわめて優柔不断な人物だった」

p.14

フリードマンの妻(おもしれー女):17, 43, 218, 219
「アカ」としてのケインジアン:32, 58, 288, 290
WW2前の米国アカデミズムにおける反ユダヤ主義:29, 40
サミュエルソンの政府介入擁護のお気に入り例「信号機」:112, 120

交通信号機を導入するとき、極端な個人主義者はその新秩序を好まないかもしれないが、われわれは協力と強制によって、自分たち自身のためにより大きな自由を生み出してきた。抑制なしの自由という原則は捨て去られている。それは今では条件について論争する問題にすぎない。

p.120

ニクソン南部戦略以前の「ロックフェラー・リパブリカン」:73, 183

東部の共和党支配者層、共和党を男性限定の古くさいクラブのように運営することに慣れていた人々

p.73

政府財政支出についての「禁断の果実」の比喩(および、完全自由競争市場なんていうエデンの園はどこにもないよの論):90, 107, 121

ほか、フリードマンの教祖性・カリスマ性の描写は無数にあるけれど、特に面白かったのは以下。

一匹狼的性格の彼は、別扱いされるのを楽しんでいるように見えた。(……)「わたしを訪ねてきたハーヴァードの大学院生が、『中西部出身のあの黒魔術師がどんな人物なのか自分の目で確かめる必要があった』というようなことを言ったのをよく覚えている」

p.103


連合赤軍事件 50年目の真相

赤軍派がらみの雑誌記事を節目の年にあわせて文庫にまとめたもの。
連合赤軍事件50年目とあるけど、発行年的にはよど号50年目じゃないかな。

以下2点が収められているので手元に置いておこうと思った。
・山岳ベース事件を生んだ連合赤軍「服務規律」
・「山岳ベース事件」控訴審判決に見る「12人はこうして殺された」

「服務規律」の方は全文紹介。
多分、革左ではなく、もっぱら共産同赤軍派由来のものでしょう。
内容的には、ごくオーソドックスなレーニン主義党の規定に、南米左翼に影響されたと思しき都市ゲリラ要素が乗っかっている。
要するに、「アパート借りて自動車を維持し、疑われぬよう長髪を切って清潔にし、左翼用語は濫りに使わず、武装蜂起に備えて身体を鍛え武器を手入れしろ」って書いてあるので、わたしも自己啓発に活かそうと思った。

白眉はここでしょう。

第十四章 彼女(※爆弾など武器を指すと思われる)
1 彼女の開発・製造・保管は自力更生を原則とする。
2 一切の彼女は部長の所属とし、通常各課に貸与されているものとする。
3 保管は居住と分離して行い、いついかなる時にも商…(1字不明)体制へ直に移行できる様にする。
4 防衛的彼女は家具の一部として改良し居住地に保管しておく。
5 彼女開発に関する基礎学習、訓練実験を課の責任で行い、蓄積する。
6 材料、製品、兵站等を開発し蓄積する。
7 その成果は質、量、所在などは部長に報告し、徴発に応じる。

p.204

控訴審判決はリンチに関する事実が淡々と整理されている。
読んでいて思うのは、リンチ自体はその場の全員にほとんど当然視されているんですね。50年分裂の頃から学生運動にリンチは付き物だったし、赤軍派も革左も内ゲバの過程で既に死者を出してきているから、そういう空気感だったのだろうけど。
とくに山岳ベース最初の死者の尾崎に関しては、大学の学生会館とかでいつもやっていたリンチを厳冬の雪山でやったら死に至らしめてしまった、という経緯に見えた。

アニメ

無職転生

エリスお嬢様と算数やったり、市中にお出かけしたりとかまで見た。
6話かな?
まだ楽しみ方がよく分からない。

その他雑記

テート美術館展

見に行った。
ターナーが目当てだったけど、晩期のボヤボヤのしか来てないのね。
わたしは彼のものでは海洋画が好きなのです(「雨・蒸気・スピード」はイイと思うけど)。

ジョン・マーティンの「ポンペイとヘルクラネウムの崩壊」がよかった。
Diabloみたいな色使いの世界オワタ感がすごいし、物理的にデカいのでド迫力。

ヘアケア

ヘアケアについてあれこれ考えている。
前提を補うと筆者は30代男。
中間管理職になってメンタルと食生活が崩壊し、太って髪パサパサになって死を想うことが増えた。天国とかスパリゾートに行きたい。

ヘアケアデッキ as of 2023.08は、
・シャンプーとコンディショナー:HIMAWARIのやつ
・アウトバス系:ロレッタのヘアオイル
以上、って感じだった。

今月は「ビルドアップ」て概念を覚えたので、高洗浄力のプレシャンプーでたまに予洗いをするようにした。
シーブリーズのものを使っているが、泡立ちがしょぼくて洗った感がないので、切れたらdeartechのものに変えたい。

次なる手としてドライヤーの更新を検討している。
いまは謎のPanasonicのやつを使っているけど、ナノケアかReFaかに変えよう……変えたい……という気持ちがある。
レプロナイザーはイイらしいけど、ちょっとドえらいお値段すぎる。

音楽

『Re:ステージ!』に、けっこう俊龍さん楽曲があるんですね。
いくつか聴いてみている。

俊龍さんでは「蒼い孤島」が好きなんだけれど、最近セルフカバーみたいなことをされているみたい。なんか蒼っぽくなった!


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