高坂麗奈のすすめ〜「響け!」を見たあなたへ〜

「響け!」の放送が終わった。

第1期のときちょうど高校生で吹部男子だった僕も大人になり、久美子も大人になった。

第1期のあの頃、同じ時代を生きていたはずの彼女が、年下の女子高生のまま僕の目の前に現れたときは、どこか懐かしいような感じがした。
そして同時に、例の事件のせいで時代の流れから置いてけぼりになってしまっていたみたいな感じも。
子どもが事件に巻き込まれた時に同級生が「俺たちだけ大人になったけど、アイツだけは…」と泣く様子がニュースに流れるが、まるでそんな同級生の気分だった。
だから最後に久美子が大人になり、僕たちの時代に追いついた様子を見て、すごくホッとしたのだった。

追いついてくれてありがとう。走らなくても良いんだよ。

僕はどうやら前置きが長くなりがちなようだ。

この記事は、「響け!」の3期が想像以上にヒットを収めた様子を見て「もしかして吹部ブームや管楽器ブーム来るんじゃないか」と思い、執筆を決めた。

これから管楽器を始めようという人たちに対して、個人的にオススメの楽器を紹介しよう。

トランペットだ。
みんな、トランペットを握れ。
高坂麗奈になれ。

べ、別に…僕がトランペット吹きだから勧めるとか、そーいうんじゃないんだからねッ?!


楽器は、メジャーでメロディを奏でる楽器の方が習いやすい

ユーフォのキャラクターは高校生で、吹部所属で、そして全国を目指す強豪校だから、楽器をめちゃくちゃ練習している。
もう毎日何時間も何時間も。

だからすごく上手になる。

でも最終回の久美子みたいに大人なると、なかなかそうはいかない。
仕事はあるのに体力と時間は無くなっちゃうので。

そんな時には誰かに習うのが一番だ。

さて、これは音楽教室を全国展開している音楽教室最大手ともいえるヤマハが提案する「ヤマハ大人の音楽教室」のホームページからスクショしてきた画像

https://school.jp.yamaha.com/music_lesson/

おわかりだろうか。
管楽器でヤマハが提案するのは、フルート、サックス、クラリネット、トランペットなのだ。
この4つ。

もちろん、音楽教室はヤマハだけではない。
地域によっては様々な音楽教室があるかもしれないし、もしあなたにコネがあるならマイナーな楽器でも習うことができる。

しかし、もしもあなたがヤマハならあるけどユーフォのようなマイナー楽器は習えないようなごくありふれたまちに住んでいるならば、上記の四楽器から選ぶのが無難だろう。

楽器は、どこの楽団でも必要な方が活躍できる

さて、楽器を始めたとして、どうやって趣味にしていくのが良いだろうか。

先述の項のように教室で習い、1人で楽しむというのも悪くはない。
しかしできれば、他人と一緒に演奏したいという欲求だって、出てきてもおかしくない。

合奏しようぜ

そんなときは、自治体の広告や近隣のホールのチラシやポスターで市民音楽団を探したりだとか、ライブ会場でジャズバンドを探したりだとか、あるいはインターネットやSNSで「【まちの名前】(スペース)【楽団】」と検索してみるといい。

きっと、何か演奏の場が見つかるだろう。

こんなアマチュア楽団もあります
https://kitaujiob.1web.jp

ユーフォを見て楽器を始めるなら、吹奏楽も良いが、ぜひ他の楽団も検討してみてほしい。

たとえば吹奏楽、たとえばブラスバンド(厳密には吹奏楽とブラスは異なる。詳細は下記)、たとえばオーケストラ、たとえばジャズ。

いまあげた四編成の基本編成は、Wikipediaで確認していただきたい。

ヤマハ大人の音楽教室で生徒を募集している4楽器と、低音パートのユーフォ・チューバ、秀一のトロンボーンが各ジャンルでどれだけ用いられているのか、それぞれ記していこうと思う。

まずは吹奏楽。
吹いて奏でる音楽なので、息を吹き込む管楽器を中心とした編成。外来語で呼ぶならウィンズオーケストラ。
フルート→○
クラリネット→○
サックス→○
トランペット→○
トロンボーン→○
ユーフォ→○
チューバ→○
まあ、当たり前か。

ブラスバンド。
ブラスとは真鍮、つまり金管楽器に用いられる合金のことを指し、基本的に木管楽器を含まない。
なお、現代のフルートやサックスは金属の部分も多いが、楽器を鳴らすための構造が木管楽器に近いため、木管楽器に属する。
そのため、以下のようになる。
フルート→×〜△(日本式ではたまに用いられる)
クラリネット→×〜△(日本式ではたまに用いられる)
サックス→×
トランペット→△〜○(コルネットを用いることも多い)
トロンボーン→△〜○(小編成では用いられないことも)
ユーフォ→△〜○(バリトンという似た楽器になることも)
チューバ→△〜○(日本の小編成では用いられないこともある)
おおむね金管楽器が有利である。

次にオーケストラ。
管弦楽とも呼ばれ、吹奏楽とは異なり弦楽器の活躍が大きい。
サックスやユーフォは、楽器の歴史としてはかなり近現代に誕生しているという経緯もあり、いわゆるクラシック(古典のこと)にはほとんど登場しない。
フルート→○
クラリネット→○
サックス→×
トランペット→○
トロンボーン→△〜○
ユーフォ→×
チューバ→△〜○

ジャズ。
吹奏楽やオーケストラと比べると小編成中心になるため、音量の大きいメロディ楽器の活躍の幅が広い。
少し編成が大きくなるとビッグバンド。トロンボーンの活躍が期待できるのは小編成より大編成。
フルート→△
クラリネット→○
サックス→○〜◎
トランペット→○
トロンボーン→△
ユーフォ→×
チューバ→×

ここまで記してきて、ユーフォがほとんど吹奏楽限定の楽器だとお分かり頂けるだろうか。
だからこそ、ユーフォを題材にした時点で、吹奏楽だと分かる人には分かるようになっているのだ。

やはりヤマハの音楽教室で取り上げられている楽器は、多くの編成で有効な印象。
サックスは、ジャズでとても幅を利かせている一方で、オーケストラでは肩身が狭いのがネックか。

トロンボーンやチューバは幅広く活躍できるが、△も多い。

注目してほしいのはトランペットだ。
基本的に全て○がついている。
そろそろトランペットの無難さがお分かり頂ける頃だろうか。

始めるなら、安い方が始めやすい。

身も蓋もない話だが、初期投資は安いに越したことがない。

「響け!」はリアリティの追求と楽器会社の協力を兼ねて、登場するすべての楽器にモデルが存在する。
実際はそんなことはあまりないのだが、基本的にすべてヤマハ製という設定のようだ。
登場楽器はヤマハの公式サイトにまとめられている。

https://jp.yamaha.com/products/contents/winds/anime_eupho/index.html

ここで、既に取り上げた楽器について、代表的なキャラクターと使用楽器、および公式価格を記していこう。

フルート
傘木希美
YFL412
定価:225,500円

クラリネット
義井沙里
YCL-450
希望小売価格:187,000円(税込)

サックス
小笠原晴香
YBS62(ただしバリトンサックス)
希望小売価格:968,000円(税込)

同ランクのアルトサックスであれば
YAS62
希望小売価格:396,000円(税込)

トランペット
高坂麗奈
YTR-6310Z
希望小売価格: 195,000 円(税抜)

麗奈はちょっと特殊なので、香織先輩の楽器もあげておきます。
YTR-850
希望小売価格:242,000 円(税込)

トロンボーン
塚本秀一
YSL-882
希望小売価格:473,000円(税込)

ユーフォ
黄前久美子
YEP-621S
希望小売価格:473,000円(税込)

チューバ
加藤葉月
YBB-641II
希望小売価格:935,000円(税込)

良い楽器はどんなものでも高い。

それでも、フルート、クラリネット、トランペットがいずれも20万円程度で始められるのはありがたい。
ここで留意しておきたいのは、今あげたフルートとクラリネットは「スタンダードモデル」で、トランペットは「プロフェッショナルモデル」であるという点だ。

同じようなランク帯に属するトランペットならばYTR-4335Gllが対応するが、希望小売価格:170,500円(税込)とフルートクラリネットを下回る価格となる。

加えて、クラリネットやサックスであればリードという消耗品がある。
対して、金管楽器はマウスピースを消耗品がほとんど無い。

第1期EDには「マウスピースと今日のリードを選びながら」という歌詞があるが、マウスピースは消耗せず、リードは消耗する。

以上のことから、本体価格であればフルートやクラリネット、トランペットを。
維持費であれば金管楽器が安いと言えるだろう。

トランペットにしろって。なあ、トランペットだろ。

いかがだろうか。
僕がトランペット吹きだからという贔屓目もあろうが、トランペットは大人になって始めるにあたり、めちゃくちゃ無難な選択だということがわかる。

ユーフォをみて管楽器に目覚めたあなたなら、北宇治カルテットの誰かの楽器をやりたいでしょ。

高坂麗奈にしておきなさい。
トランペットにしておきなさい。

トランペットを初めて、高坂麗奈みたいに特別になりましょ。

そして久美子の隣に立つにふさわしいあなたになるのです。

第1期のソロや第3期のソリ、「愛をみつけた場所」を吹くのです。

では、良いトランペットライフを!

追記

トランペットは安い楽器と書きましたが、メジャー楽器かつ亜種やカスタマイズ性の高い楽器でもあります。
ガジェット沼にハマりやすいタイプのオタクなら、トランペットも沼から出られなくなる可能性があります。気をつけて。
私は中学の頃、香織先輩のモデル楽器の先行タイプを6万円で買い、いまも現役で使っていますが、他の楽器も買っちゃって120万円くらい注ぎ込んでます。

お気をつけて。
そしてようこそトランペット沼へ。



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