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【アカデミックスキルズ⑮】レジュメってどう書くの?

こんにちは!サポートデスクの院生スタッフです。
大学に入学すると、発表やプレゼンテーションを行う機会が増えます。
その際、聞き手に発表内容が要約された「レジュメ」を配布することが多いです。
今回はこのレジュメの作成方法について説明します。

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「要約」のポイント

レジュメの要約では、以下の2点に注意しましょう。

 ①全体の構成と各部の役割を把握すること

 ②問い・根拠・答えを把握すること

 レジュメにおける「要約」とは、重要箇所を抜き出し連結させる国語の要約の問題とは大きく異なります。レジュメの要約においてはなめらかな文章につなげることはあまり重要ではありません。

それでは、一体どのようなポイントに注意して作成すればよいのでしょうか?

 それは、「問いと答えと根拠がもれなく抜き出されていること」と、「文章全体の論理構造を理解していること」が重要です。「何が書いてあるか」を理解するだけでなく「何のために書いてあるか」を理解する必要があるということです。

 また、一冊の文献や一つの論文を複数名で分担して発表する場合は、特に気を付ける必要があります。自分の扱う部分は「研究方法」を扱った部分なのか、「3つある事例のうち2つ目」を紹介している部分なのか、というように、全体の中で果たしている役割を把握しないと的確な要約にはなりません。

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「疑問点・論点」の決め方

①意義の存在する問いを立てる
 レジュメで書く「疑問点」は「報告者が疑問に思ったこと」という素朴な意味ではありません。

疑問点とは、著者の論述の不十分な部分・誤りの指摘や、その疑問点の検討を通して新しいことが分かる(たとえば知見の適用範囲が広がる)など、価値・意義が存在する問いを指します。つまり、どのような意義があるか説明できる問いこそ疑問点として成立するのです。

※参加者全員が分からないような難しい部分は、「分からなかったこと」として取り上げることもあります。

②簡単な調査で分かることは調べたうえで報告すること
 上述の通り、疑問点にはそれなりの意義が必要となります。当たり前かもしれませんが、少し調べれば分かるようなことは疑問点に挙げないようにしましょう。

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レジュメ作成の頑張りどころ

①報告する文献の位置づけや著者の背景を調べる
 当然のことかもしれませんが、自身が発表するテーマや文献についてはよく調べておきましょう。文献等そのものだけでなく、当該学術領域での位置づけや筆者の背景等についても調べておくとよいです。自身の発表内容についての深い理解があってこそ、発表に厚みが生まれます。

②本文中に引用された文献を読む
 自説の根拠づけのために他の文献から引用をすることは多いです。引用文献に関しては、引用箇所のみではなく文献全体を、軽くでもよいので読んでおきましょう。場合によっては引用文献における筆者の主張と引用箇所の内容が異なることもありますので、注意が必要です。引用文献全編を読むことが難しい場合でも、「問題意識」・「主張」・「今後の課題」程度は確認しておきましょう。

③用語等の正確な意味を調べる
 発表内で使用する学術用語の意味はしっかりと把握しておきましょう。自分なりの解釈で用語を使用すると、参加者からの指摘を受けることが多いです。また用語の中には用途が多い多義語も存在します。多義語を用いること自体は間違いではありませんが、どのような意味で使用しているのかをしっかりと把握しなければなりません。多義語を多用すると「自分の都合の良いように使用している」という印象を持たれるため、できる限り具体的な用語を用いるようにしましょう。

 これらのポイントを心がけてレジュメを作成すれば、より質の高い報告を行うことができるはずです。レジュメを活用して、ぜひワンランク上の発表やプレゼンテーションを目指しましょう!

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#レポート #アカデミックスキル #レジュメ #大学生

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